銀行員のキミョーな世界 - なぜ行内事情を押しつけるのか? (中公新書ラクレ 412)
- 中央公論新社 (2012年3月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121504128
作品紹介・あらすじ
「規則ですので」「理由は申し上げられません」…顧客の都合より行内事情を優先する"銀行ムラ"。都銀と外銀に勤めた著者が、邦銀独自の(屁)理屈をわかりやすく翻訳し、勤務実態、給料、出世と人事のカラクリを赤裸々に解説。
感想・レビュー・書評
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第五章 昇進 銀行はこうして人を育て、選抜する
がおもしろかったです。
行内でのキャリアを推理する質問として
「現在のお仕事は何店目ですか?」
「地方勤務をしたことがありますか?」
などを紹介。
課長と部長代理との差
猛将タイプの人は支店長にもなれない
など。
銀行内の人でないとよく分からない、人事関連の話が特に面白かったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いろんな業界暴露本があって、銀行員のも色々読んだが、これはなんだろう。
暴露本としても中途半端。
その内容も、もう古いこともあるだろうが、ちょっとなあ、という感想。ローン断られる事例も、いかにも銀行が一方的に悪いように書いてるが、そりゃ、無理でしょうって思ったり。
後半は、なぜか、銀行に就職するにはどうするか、退職後はどうするかという話になったり全体に経験者から教えてやるよという視点か。
大体、文章が面白くない。これ、ビジネス書なのか。
どこかに、OBからこんなふうに書かれると「うざい」と思われるかもしれないが、と書いてあったような気がするが、多分そう思われてるだろう。
調べてみたら、こんな人でも結構たくさん本出してるんだなあ。驚いた。 -
銀行員という、生き物を観察できるか一冊。銀行だけが、庶民とかけ離れてる訳ではないが、タイトル通り、行内事情を押し付けるサービス業が生き残る事は難しい。
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社会
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前提として、私は銀行員が嫌いである。本著では、自分が普段から感じている、銀行員の違和感は間違いないことが分かった。
しかし、本著の著者は元銀行員で、銀行に対しての愛憎がある。本著の事例では、銀行員嫌いの私にすら「言いがかり」に近いと感じるものも含んでいる。しかし、それは重箱の隅をつつきたいのではなく、銀行員たちに「貴方達が正しいと信じているものを一度疑ってみよ。その感覚が欠けると、時代に取り残されるぞ」とはっぱをかけたいからではないか。著者の気持ちを想像して読むとまた面白い。 -
銀行員の内情がよくわかる本。しかし、入行5年目で全てが決まるとは実にシビアだ
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レビュー省略
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著者は、㈱フレイムワーク・マネジメント代表。スタンフォード大学ビジネススクルート卒業(MBA)。都市銀行、外資系投資銀行等に20年間勤務後、外資系ベンチャーキャピタル日本代表を経て独立。
著書に「外資系企業で成功する人、失敗する人」「老後に本当はいくら必要か」等多数。
世間の銀行を見る目は厳しい。銀行「員」に対してはもっと多くの注文がつく。一つには銀行員のほうが一般の人や企業からみて、わかりやすいということがある。「銀行は・・。」と論じても抽象的になりがちだが、個別の銀行員については大変、具体的に話しやすい。しかも否定的に。
本書を手に取り、銀行員の読書には、そうした意見にただ「あり得ない」と笑い飛ばすことなく、備えてほしい。そして銀行員意外の読者には、「銀行もしょせん、企業。特別な存在ではない」という前提で、銀行員の素顔を知ってもらいたいというメッセージが込められている。
本書の構造は以下の6章から構成されている。
①給与・待遇
②顧客対応
③カルチャー
④採用
⑤昇進
⑥出向・転籍
主観的にそして客観的立場として銀行員の世界を描いた本書。時代背景や属した企業・環境は違い全てをあてはめることはできないことを前提として本書を手に取った。
しかし、学ぶべきこと。知っておいた方がプラスになることも多く書いてあったことは事実である。耳が痛くなるような指摘や自分もそうなのかと考えさせてもらえる良い機会にもなった。
キミョーな世界はまだまだ続くのか。