中学受験「必笑法」 (中公新書ラクレ)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121506382

作品紹介・あらすじ

中学受験に「必勝法」はないが「必笑法」ならある――。
第一志望合格かどうかにかかわらず、終わったあとに家族が「やってよかった」と笑顔になれるならその受験は大成功。他人と比べない、がんばりすぎない、子供を潰さない、親も成長できる中学受験のすすめ。気鋭の育児・教育ジャーナリストであり、心理カウンセラーでもある著者が、不安や焦りがスーッと消える「コロンブスの卵」的発想法を説く。
「中学受験の新バイブル」誕生!

感想・レビュー・書評

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  • 読んでよかったです!
    中学受験を通しての子どもの成長、家族の成長――そのために、親に何ができるのか、塾選びや学校選びのポイントなどについて、あたたかい視点で親子の気持ちに寄り添って書かれた本です。

    中学受験の様々な段階で起こり得る親子のメンタル面を試されるシチュエーションについてのアドバイスも細やかに書かれている良書です。

  • 読んどいてよかった。中学受験がどうのこうのというよりも、何が大切なのかの軸ができた。

  • 教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏の中学受験に関するスタンスのエッセンシャル版と言える一冊。

    中学受験で、意中の学校に必ず受かる"必勝法"は存在しないが、親子ともどもにとって中学受験を良い経験・意味ある経験とする"必笑法"なら存在する――

    中学受験の目的、というと、志望校への合格や、進学先での恵まれた環境で送る充実した6年間を手に入れること、がまず思い浮かぶ。
    しかしそれ以上に中学受験のプロセス自体に意義があることに目を向けるべし、というのが著者のスタンスだ。

    少々長いが引用。
    「中学受験勉強の目的は、どんな手段を使ってでも第一志望に合格することではなく、定めた目標に対して努力を続ける経験を積むプロセス自体にあります。さらに、どんな結果であれそれを最終的には前向きに受け入れ、人生の新たな一歩を踏み出す姿勢を学ぶことにあります。
     つまり、自分の努力で自分の人生を切り拓き、仮に結果が100%の思い通りでなくても、腐ることなく歩み続けることのできるひとになるための経験なのです。」

    中学受験はともすると、誰よりも親が"合格"に向かってのめり込みすぎてしまいがちだが、そうではなく、あくまで"子"の挑戦であり、成長機会であると説く。

    読者が、受験をそう捉えられるよう、本書では、心構え、塾との付き合い方、志望校の考え方、親子関係の4つの切り口から解説されている。
    各章の間に挟まれる生々しい親御さんからの実際の悩み相談なども交えて、著者の受験観のエッセンスを余すところなく表現した一冊と思われる。

    どうしても我が子には大きな期待を持ってしまい、暫くすると視野が狭くなっていく。
    そのたびに戻ってきたい境地である。

  • 子どもが中学受験をするので、読んでみました。こういう本にありがちな、作者の子供自慢や作者自身の頭の良さの自慢はなく、受験生の親に寄り添う姿勢が共感できました。親の虚栄心を満たすためではなく、子どもの幸せ、子どもの人生を考えるための受験だということを再確認できました。

  • 中受するかどうか迷っている身としては、全般に色々と書いてあって、ためになった。

  • まだふわっと中学受験考えてみるかな〜という段階でこの本に出会えて良かった。
    中学受験する?しない?の軸が明確になるし、現時点で親が子供に勉強させるときに言ってはいけないワードを連発していることに気付き猛省。
    受験しない人も含め、子供×勉強×家族について、自分がどうしたいか、子供にどうなってほしいか、しっかり考える事ができる一冊。

  • 第2章までは、著者の他の本でも触れられていて重複する内容も多く、このまま全部読み切るかどうか迷ったが、第3章からは、私が知らなかったことも多く、大変参考になり有意義な内容だった。

    我が家は、通学可能な範囲に公立中高一貫校はないので、最初から私立しか頭になかったため、公立中高一貫校について、積極的情報収集を行ってこなかった。
    しかしながら、公立中高一貫校の適性検査に私立の受験問題が寄ってきていること(大学入試改革の影響もある)、思考力をはかる教科横断型の新型入試の出現などの内容が参考になった。

    また、偏差値に代わる新学力基準「思考コード」という指標の存在。
    今の大人でもCランク(創造的思考)まで答えられる人は、全体からすると多くないと思う。
    御三家レベルでC2の領域って、大学受験レベルじゃない?と思ってしまった。(自身が高校の時、こういうレベルの小論文をよく国語で書かされていたような記憶がある)

    従来型の中学受験問題集をいかにたくさんこなしたかではなく、普段の生活から自分の目で見て調べて自分が頭で考える癖をつけているかどうか。
    (以前から問題とされていた大学入試の改革から降りてきてると思われるが)
    子どもへのこういう働きかけが親に求められているということか。

    まだまだ、これから情報分析が必要だなと感じた。

    そして、最後の最後の一文、これを読んで、これだけでこの本を読んでよかったと思えた。
    なぜ、あえて中学受験をするのか?という意義を、親自身が軸がぶれないように持っていることが必要だと感じた。
    「中学受験は、“勝ち組”になるためにするというような功利的なものではありません。将来、世の中に必要とされる人間になるために、自分を伸ばしてくれそうなが学校を志し、子供たちは勉強するのです。」(P199から引用)

  • 子の受験に関する本を探している中で気になったものの一。個人的には、特に驚くような受験法ではなく、まあそうだろうな、くらいの感じ。

  • 今年、学習塾に転職した為、中学受験のことを勉強しようと購入。なお、私は中学受験をしていないので、知識ゼロでの転職である。

    本書のターゲットは中学受験をする(している)保護者だが、塾側の人間が読んでも学びが多かった。各章の終わりには保護者からの相談コーナーがあり、それに著者が答える形をとっている。こういうのは、保護者面談などで相談された時に役立ちそうだと思った。

    中学入試についての知識を得られたのはもちろんだが、子どもとどう向き合えばいいのか、保護者からの教育相談にどのように接していけばいいのか、なども学ぶことができた1冊である。

    第1志望の学校に合格できなかったとしても、実りある経験ができたと笑えるような「必笑」のテクニックが満載。

  • 中学受験に関するアドバイスとして良い本だった。著者は教育・育児関係で執筆・講演活動を行っている方。

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著者プロフィール

おおたとしまさ:教育ジャーナリスト。1973年東京生まれ。リクルートで雑誌編集に携わり、2005年に独立後、数々の育児・教育誌のデスク・監修・企画・編集を務め、現在は教育に関する書籍執筆および新聞・雑誌・webメディアへの寄稿を行う。テレビ・ラジオなどへの出演や講演も多数。心理カウンセラーとしての活動経験、中高の教員免許、私立小学校での教員経験もある。著書は『ルポ名門校』(ちくま新書)、『勇者たちの中学受験』(大和書房)、『不登校でも学べる』(集英社新書)など80冊以上。オフィシャルサイト:http://toshimasaota.jp


「2024年 『学校に染まるな!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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