- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121600042
感想・レビュー・書評
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思索
哲学
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絶対に読んでおくべき名著だけれどもなぜか読めてない名著というのが死ぬ程世界にはあって。20代のうちには読んでおきたかったですよレヴィストロースを、てか遅いよね ごめんなさい
・人類を脅かすふたつの災い ー自らの根源を忘れてしまうこと、自らの増殖で破滅すること
・人類はいまや、本式に単一栽培を開始しようとしている
・哲学は、意識を、意識自体によって一種審美的に観照することだった
・認識は、「真の」様相、すなわち、私の思考が所有しているものと符合するような様相を選び取ることのうちに存しているのである。
いやぁ、ぞっくぞくするねぇ
ちょっと前に読了。色々忙しかったので書けてなかったので。
”人類の顔に投げつけられた西洋文明の汚物”を、自ら見出すことになったのは、レヴィストロースが初めてではないにしろ、これが人類学の本なのだとしたら、調査しているインディオのことや、インディオの村の構造のことの本ではなく、「自らの文明が破壊した文明の末路や、その生き残りについて、調査をしている白人の人類学者の頭脳に起こる関心、彼の背景や過去、彼の問い、悲しみ、歴史の追体験、の構造」のことだろう。
実は熱帯の本ではなくて、「20世紀に新大陸の熱帯に辿り着いた人類学者の白人」という矛盾について、を書いているんでは。だから「悲しき」熱帯なのだ。
だって当然ながら、この本で悲しんでるのはインディオではないだろう。
だから、この本の冒頭は、ああいう形で始まる。
書かざるを得なかったのは、ブラジルのインディオについてではない。やむにやまれぬ悲しみのことで、当然、レヴィストロースが書くのだから、その悲しみの構造のことで、そう読むと違った読み方ができるんじゃないかな。 -
ブラジル先住民のフィールドワーク記にして、筆者の半生記にして、民族学・文明論。ボクからすると近寄りがたいような難解さがあるが、これでも一般向けな方に属すらしい。ここに記録されている先住民はその斜陽の時期にあり、それがこの本の物憂い調子のベースにあるのか。仏教への親近、イスラムへの反発も興味深い。
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あきらめました。面白くないです。
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"文明と未開の対比、自然と人間に対する思索"
暗喩,、隠喩 -
貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784121600042 -
著者がユダヤ人である故のWW2中の逃避体験~なぜ南米の少数民族の調査旅行へ出かけようと思い至ったかの記。
後半には実際の取材がはじまる。
異文化を体験するとき、とりわけ生活をするとき、私たちは無意識に自身の文化を起点に比較して、ともすれば優劣さえつけてしまうけれど、たとえその異文化生活が原始的に思えたとしても、それは優劣の問題でない。
こんにちでは、<純粋>な<地域独自の><生活形態>に触れることは容易ではない。すでに異文化の関わり合いの中で、その姿は変容しているからだ。
その変容を、<不純な>要素として無理やり<本来の>姿を見ようとすることは得策でない。
無暗に現地の文化に迎合することも、現地の文化水準が自身の生活より劣ったと見做して尊大に振る舞うことの、どちらも愚かにも思える。
全体を通して非常に興味深かった。2巻にも期待。 -
読み助2015年3月24日(火)を参照のこと。http://yomisuke.tea-nifty.com/yomisuke/2015/03/post-81aa.html
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ずっと前から読もうと思っていたのですがようやく手に取りました。
旅とはなんなのか、人はどこからきて、どこへ向かうのか、そのテーマを背景に南米を舞台に、実に叙述的に描かれます。
文章自体も読みやすいですし、とても惹きつけられました。
多分これから何度も読み返すでしょう。
下巻も早く読まなくては。 -
文化は絶対的な価値では判断出来ない。
未知の世界に対する畏怖って現代にはあまりないのだなと実感。
印象に残ってる箇所
「インディオは白人を水に投げ込んで殺し、それから白人の体が腐るかどうか見るために、溺死体の周りに何週間も見張りに立った。白人はインディオを獣だと思っているのに対しインディオは白人が神かどうか疑ってみることで満足している。どちらも同じように無知に基づいているが、後者のやり方の方が明らかにより人間に値するものであった」