少年時代 (1) (中公文庫―コミック版)

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著者 : 藤子不二雄A
  • 中央公論社 (1995年7月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122023833

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少年時代 (1) (中公文庫―コミック版)の感想・レビュー・書評

  • 映画「桐島、部活やめるってよ」のタマフル放課後ポッドキャストに名前が挙がっていたので。
    戦時中、都会っ子の主人公・進一は楽しく過ごしていた東京の国民学校から富山に疎開する。疎開先の学校では、村一番の腕自慢・タケシを頂点とするヒエラルキー社会が出来上がっており、タケシは自分に従わぬ者を暴力で抑えつけていた。一方皆はタケシに嫌われまいと阿諛追従や貢物でタケシをおだてていた。そんな彼らの関係性に嫌気を催す進一だったが、何かと力を貸してくれるタケシに、友情も感じていた。次第に進一も同調圧力に呑まれ、自分の気持ちと裏腹にタケシの子分として振舞うようになっていく…

    思い返せば小学校から今に至るまで、人が集まるところには必ずヒエラルキーのようなものがあった。小さい頃は流行りのものを持っているか、持っていなければ遅れてるやら貧乏やらと残酷なことを言ったり言われたりもした。高校くらいになると、異性にモテるかどうかで、外見的に華やかな人たちの隆盛の時代。最近では、Facebookやtwitterで大して親しくもない友達と繋がって、「友人」を増やして虚勢を張るような?"ほら見て、私はこんなに友達がいて人気者なの!"みたいな。どれもこれも、本当にくだらないことなのに、そのヒエラルキーに一旦身を置いてしまうと、それこそが全てだと思ってしまう。つまり、競争社会に自分を追いこむようなもので、本当に息苦しくなる。ここから抜け出すことが自分の幸せを築く第一歩で、そのための勇気と冷静さが心から欲しいと思う。

  • 理不尽で怖いガキ大将ってかつて必ずいたよな…と懐かしくなる。ガキ大将の座から転落しても自分の意思を曲げないこの男っぷりにあんなにリンチされていたのに最後は友情が芽生えてくるのは男同士ならではだなと思う。

  • 富山などを舞台とした作品です。

  •  もう一つ学童疎開の本で~す。著者はあの藤子不二雄A。モチロン漫画ですよ。藤子氏は柏原兵三の長編小説『長い道』を読み、その全く同じ疎開体験(同じ年齢で隣の村に疎開していたのだという)に触発されてこの漫画を描いたのだそうです。逸見氏は同じ集団疎開を体験した人が一人はそれを「よき試練」と語り、他の一人は「残酷な仕打ち」と語っていることをあげてこの問題の苦い解答にしているのね(『学童集団疎開史』二三四頁)。 
     『少年時代』も同じような課題性を持っていると言ってもいい。冒頭、主人公は三十四年ぶりにかつて疎開していた村の地を踏むのである。物語はそうした少年時代に対する懐古談として展開していくのである。こちらは集団疎開ではなく、縁故疎開であった。縁故疎開では子どもは一人きりで村の子どもたちの仲間に入っていかなければならないのだから、集団疎開とはまた別の人間関係がそこではつくられていく。この本で描かれるのは集団疎開が政策として子どもたちの戦場を作っていったのとはやや異なり、この時代の子どもの社会である。そこで主人公が体験するのは教室の中の権力争いであったり、残酷なまでのいじめであったり、疎開体験を持たないあたしには残酷な思い出にしか見えないのだが、著者のそれはある種の懐かしさをともなった体験として描かれているのである。たぶんその時代の空気が酷薄な人間関係をも「よき試練」として思い出にとどめさせているのだろう。
     そしてそんな人間関係の原点は村の階級性とでもいうものと教室という場が示す教育の問題である。逸見氏が虐待も教育の中に読み込まれてしまっていたことをあげていたが、藤子氏が図らずも描き出してしまったのはまさしく教育の枠組みが作り出したいじめと暴力の構図である。疎開という主人公にとっての一種の極限状況であるが故に浮き彫りにされる世界は現代の教室の構図にもあてはまるのかもしれない。
     そうそう、この本は映画化されているのでそっちも一度見てみるといい。主題歌は井上陽水の歌うあの「少年時代」なのだ。

    ★★★  こんなにおもしろそうなのになぜ★が三つかって? まず『学童集団疎開』を読んで史実を知ってから読んだほうがいいからだ。活字離れのご時世にちょいとケチをつけたくってね。

  • 映画化もした
    藤子不二雄Aの作品。
    氏のオリジナルと思われがちだが
    実は原作は芥川賞作家柏原兵三の「長い道」。

    大学の教授が
    推薦図書の中に唯一混じっていた漫画だったので
    読んでみたのが最初。

    人間が人間らしく生きるには
    こんな少年時代を経なくては
    いけないのではないかと思ってしまう。

    ラストで残る
    心のザラザラは
    誰もが、老若問わず
    いつか経験するかも知れない。

    人生ってはかない。

  • 1〜3巻。敗戦に向かう日本とクラスで権力を欲しいままにするタケシの失墜がリンクしているようで切ない。藤子不二雄Aの絵が良い。

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