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- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122031647
感想・レビュー・書評
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過去の哲学者たちの議論を自由に読みなおし、哲学の精神そのものを賦活しようとする試みがなされている本です。
まずとりあげられるのはヘーゲルです。著者は唯物論者や分析哲学者たちのヘーゲル批判をしりぞけて、ヘーゲル哲学の核心にある「絶対精神の自己認識」を、「ある考えが「わかる」のは、ちっぽけなこの私の能力などでは断じてない。「わかる」とは、考えについての考え自身の気付きである」とまとめています。
さらに著者は、ソクラテス、プラトン、アリストテレスといった古代の哲学者たちの精神に立ち返り、現代にいたるまでの哲学史のなかから何人かの哲学者たちをピックアップして、哲学研究の厚い雲におおわれている彼らの思想の根本にあるはずの、哲学の精神そのものをとり返そうと努めています。
アウグスティヌスとトマス、デカルト、カント、ニーチェなどを経て現代にまで、本書でとりあげられている哲学者たちは幅広いのですが、基本的には著者の考えにそった解釈がなされているので、めざすところはおなじだといってよいでしょう。これまで著者の本に触れたことのある読者は、著者が過去の偉大な哲学者たちとわたりあうすがたを本書の議論のうちに見ることができるのではないかと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示