- Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122033467
感想・レビュー・書評
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これはタイトルにもあるように佐々木道誉が主人公……というかそういう側面ももちろんあると思うのですが、裏のと言うかもう一人の主人公は足利尊氏なのだなあ……と思うのは私が尊氏好きだからでしょうか。
道誉も尊氏も彼等の周囲の環境も複雑で感情移入もしづらいのにぐいぐい読んでしまいました。素晴らしい。
引用文は私の向こうずね(ツボ?)をもの凄い力で打ってきた一文。わかる、なんかわかる……!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
九州などを舞台とした作品です。
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南北朝時代の異形の巨人、ばさら大名佐々木道誉の視点から、鎌倉幕府の創生期を描いた物語。
『悪党の裔』の赤松円心もそうだけれど、道誉もなかなか読みづらいというか、主人公に同化して物語の快楽に身を任すということをさせてくれない主人公でした。主人公というよりも、触媒のような感じ。足利尊氏と、弟義直、高師直などの人間関係を、道誉を通じて相対化した、という印象があります。
『楠木正成』→『悪党の裔』→『道誉なり』と読み進めて、だんだんと尊氏に近づいてきた、という気がします。にしても、道誉もわかりにくければ尊氏もまた然りで…。多面性や躁鬱病という特徴が共通して描かれていますが、『道誉なり』で初めて、この多面性、裏表、いくつもの顔を、自分で意識していて、なおかつその上にあって支配している尊氏の姿が見えたように思いました。多重人格の中の上位人格のように、というか。読み終えてみればむしろ尊氏の話だったような気さえしました。
様々な人物が立ち現れるけれど、あくまで芯にあったのは、道誉と尊氏の「勝負」という、一対一の関係性でした。そしてこの二人を分けたものは「芸」なのだと思います。欲望まみれの人の世を超越するものとしての「芸」を、道誉は持っていたのだなと。
何せまあわかりにくかったので、そのうち読み直したいです。 -
足利尊氏かわいい、早く道誉とくっつけばいいのに
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近江を治める佐々木道誉が主人公。足利尊氏との駆け引きが面白かった。普通の人はここまで深く物事を考えてるってことでしょうか。。。
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太平記物の佐々木道誉が主人公です。
北方版太平記シリーズの中でも傑作の部類ですね。
いきなり鎌倉幕府が滅びる時点からスタートしますが、テンポが良く一気読みでした。
北方版太平記シリーズでは一貫して脇役となる足利尊氏の登場場面が、一番多いのは本作品です。
個人的には、そろそろ尊氏を主人公にして欲しいのですが・・・。 -
2009.11.21なんばウォークBook1st.にて購入。12.18読了。
北方太平記だけに熱い!!
が、説明不足な点が多い。
しかし、足利尊氏、直義兄弟や高兄弟の様子も描かれていて、全体的には面白い方の部類に入ると思う。
道誉の生き様、下巻でも堪能したい!! -
北方太平記、はずれなしです。
楠正成
赤松円心
佐々木道誉
北畠顕家
と、周りの主要人物を借りて、
後醍醐天皇
足利尊氏
大塔宮
を浮き出しています。
少し、説明不足かな。 -
南北朝、足利尊氏の側についた佐々木道誉の物語。婆沙羅ぶりに快哉を叫びます。
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2009年02月 1/14