- Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122034648
感想・レビュー・書評
-
2015.7記。
「雑学としての思想、エンターテインメントとしての哲学」
浅田彰氏は、(良い意味で)つまりはエンターテインメントとしての哲学を追求している。相応の読書体力があれば読めてしまい、目くるめく豆知識を速射砲のように繰り出し、難解な思想を文脈で何となく理解させる(理解した気分にさせる)ことに長けている。そして活躍の場は微妙にカジュアルな雑誌の「対談」。
「・・・近代資本主義国家は、さまざまな分裂を内包せざるを得ないがゆえに、それを裏打ちする統一性の幻想を生み出す必要があり、そのために過去の断片を適当につなぎあわせて国民的統一性のイデオロギーを捏造するわけです」(P67)
「自由民主主義と資本主義の勝利によってモダンな世界が普遍化するかに見えた瞬間、ポストモダンな『ネット』とプレモダンな『島々』への新たな分極化が生ずる。現代の世界のなかなかよくできたカリカチュアと言うべきでしょう」(P57)。
・・・まあこんな感じ。が、文脈の中ではすっと入ってくる。そして実学的にも「米国というスーパーパワー後の真空地帯に宗教の原理主義が生まれる」といった預言も適切になされている(本書は1990年代初頭に出版らしい)。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
80年代末〜90年代前半の対談録。議論の水準は非常に高いこともさることながら、対話される議題はほとんど現代に通じていて、色々と考えさせられた。
-
偉大なるの知識人たちを相手に、完全に対等(あるいは押し気味)に対話を行なっていく浅田彰に知性に圧倒される。
-
\105