曹操: 魏の曹一族 (上巻) (中公文庫 ち 3-31)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122037922

感想・レビュー・書評

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  • 私の勝手な思いこみだが、世の中は何年かの周期で三国志ブームが起こっている気がする。最近では赤壁の戦いを描いたジョン・ウー監督の「レッド・クリフ」によって、再び三国志が注目されている(と思う)。私もそのブームに便乗しようと、本棚から古い本を引っ張り出した。それが、上下巻の「曹操」だ。

    三国志の英雄、曹操を主人公とした小説だが、描かれているのは英雄たちが戦いに明け暮れる世間一般の三国志の世界ではない。主人公曹操の行動は曹一族の長として、魏の建国者としてがメイン。赤壁の戦いなんてほんの数ページだ。

    考えてみると、曹操という人間は400年間も続いた中国の漢王朝を乗っ取り、新しい国、魏を作ってしまったのだ。400年といえば、江戸幕府よりも長い。その江戸幕府を終わらせるために、明治維新では多くの志士たちがそれぞれの役割を担っていた。しかし、曹操はそうしたことを一人でやってのけたのだ。劉備、孫権らとの駆け引きよりも、その点についてもっと評価されるべきだろう。

  • '09.03.07 読了

  • 曹操が一番好き。

    お風呂に持ち込んでなかなか出てこられなかった記憶が…。

  • 演義では悪者にしか見えない…というか、書かれてない曹操が主人公の本。
    劉備に肩入れしている人には手が出しにくいタイトルですが…。

    タイトルどおり、曹操主点の話なので三国志演義では見えなかった曹操の一面がよく見えて、とても新鮮で面白かったです。

  • 血なまぐさい三国時代、曹操の次の世など、
    とても興味深く、
    それまで蜀派だったけれど、俄然、曹操の人を見る目に惹きつけられた。

  • 乱世の奸雄と称された曹操孟徳。
    彼の波乱万丈に満ちた生涯が凝縮された作品です。
    冷酷非道で自らの覇道を成し遂げるという目的達成の為には手段を選ばなかった事から悪者として捉えられがちな曹操ですが、その一方で彼は実に理知的かつ冷静な人物でもあったのではないかと。
    現に、父・曹嵩を討たれた際の悲しみと怒りから我を失った彼の変貌ぶりと残虐ぶりは酷かったですが、それを除けば彼は実に理性的であり狡猾に着々と勢力を伸ばしています。

  • 陳先生の知識の膨大さに感動…大昔の事なのに描写が細かい。彼の覇業の裏には実に様々な人がいるという事に今更ながら驚かされた。

  • 三国志らしい戦乱を描くというよりも、曹操の革新的な性格にスポットライトをあてた作品。「演義」では、非情の人としてしか描かれない曹操を、別の角度から見たい向きへ。

  • タイトル通り曹操好きにはタマラナイ本です。

  • 陳舜臣と曹操が好きな人の為の本。いろいろ考察しているので、そういうのが好きな人向けでしょうか。単純に小説として楽しみたい人には三国志愛が必要かも。

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著者プロフィール

1924年-2015年。神戸市生まれ。大阪外国語大学印度語部を卒業し、終戦まで同校西南亜細亜語研究所助手を務める。61年、『枯草の根』によって江戸川乱歩賞を受賞し、作家活動に入る。その後、93年、朝日賞、95年には日本芸術院賞を受賞する。主な著書に『青玉獅子香炉』(直木賞)、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』(日本推理作家協会賞)、『実録アヘン戦争』(毎日出版文化賞)、『敦煌の旅』(大佛次郎賞)、『茶事遍路』(読売文学賞)、『諸葛孔明』(吉川英治文学賞)、『中国の歴史』(全15巻)などがある。

「2018年 『方壺園 ミステリ短篇傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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