- Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122041783
感想・レビュー・書評
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11個の短編集だけど全部繋がってた。
独特な感じがあって、怖い?のに美しさも感じるお話だった…。
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タイトルがまず美しくて不穏で大好き。小川さんの物語を眠る前に読んでいるとなんだか素敵な夜を過ごしている気分になれる。
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全ての話がつながっているオムニバス形式の短編小説。
短編小説は次の小説に行くまで、ちょっとめんどくさいなーとなりがちだが全てつながっているので、次はどんな繋がりがあるんだろう?とワクワクしながら読めた。
私は眠の精が一番好きだった。穏やかで、優しくてとっても切ない物語だった。
やはり小川洋子の文学は婉曲表現が多くてとっても楽しい。感情を描写で表すのが上手い。私では到底思い付かない表現が沢山あって常に新たな発見だ。 -
ひとつの単語でおわらせない。細分化して、美しい文章にして、うっとりする。残酷なこと残忍な事を美しく表現するから妙にぞくぞくする。
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「トマトと満月」が一番好きだった
と言ってもほとんどが繋がっているので何とも言えませんが
個人的には小説家の女の人が興味深かったです
連れ子と2年過ごし、老婆のアパート?で暮らし
「キリンの首が長いのが理不尽」という話は、本当はどっちが言ったのか
不思議に絡み合う面白い本だった
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ある短編での登場人物やエピソードが、異なる短編で引用される形で複雑に絡まり合う連作集。とはいえ、ホントにそうなのかと言われればあいまいでもあって、例えばいくつかの短編に現れる作家の女性はあまり同一人物のようには思えない。如何にも倒叙トリックぽいよななどと思ってしまう迂生が病んでるのかも知れないが。ファンタジーぽいというか、どこか浮世離れのした描写とリアルでときにグロいプロットのギャップがミソ。
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短編集が一つ一つどこかのお話と繋がっているので、伏線が散りばめられていて読んでいてとても面白いけど、読み終わったあとはただひたすらに気持ち悪さが残る1冊です。
書いてある言葉の一言一言に重みがあると感じました。
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唐突に読みたい衝動に駆られて数年ぶりに手に取った私の大好きな本。
静かで、残酷で、それでいてどうしようもなく綺麗な物語。優しい温もりと隣合う冷たい死の気配。
全てが絶妙なバランスで溶け合って出来上がっている。
よく晴れた日曜の午後の微睡みのような暖かな文章の中に、晴れた冬の早朝のような鋭く冷たい死が違和感なく溶け込んでいる。
ただ静かな日常の中に、日常と同じだけの静けさをもって、でも確かな存在感をもって死がそこにある。
言葉の美しさに、紡がれる文章の美しさにどうしようもなく惹かれる。
全編を通して、紡がれるのは冷たい死の物語。でも、冷たいだけではなくて穏やかで暖かい日常の温もりが確かにそこにある、と思える。
1つ1つ完成された短編たちが少しずつ重なり合って、1つの本として完成するのも綺麗だと思う。この登場人物が、この建物が、この事件が、ああこのお話と繋がって重なるんだな、というところを見付けてはなんだか宝物を見付けたような感覚がする。
私が感じたことを、私の満足のいく形で言語化するにはまだまだ言葉が足りない。またしばらく間を置いて読んだ時に、もっとこの物語を表現するのに相応しい言葉が私の中にあればいいな、と思う。 -
じっとりしててソワソワして最高だった、何も言えない