- Amazon.co.jp ・本 (533ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122045897
感想・レビュー・書評
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日本島の発見、長崎開港、伴天連追放令、強硬外交の裏表、家康の経済外交、生糸を取引きする将軍、キリシタン禁令、朱印船の貿易、日本町の人々、鹿皮と生糸、大殉教、鎖国への道、ジャガタラ追放、出島の蘭館、国性爺の使者、オランダのアジア貿易制覇、世界とのつながり、鎖国をめぐって
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鎖国が本巻のテーマだが、信長の頃から俯瞰されている。
本書を読むと、鎖国にはキリスト教が深く関わっていることが改めてよく理解できる。 -
中央公論の歴史本第14巻。時代は江戸時代、鎖国がテーマの巻。昨今では「鎖国」という言葉を中高の教科書などでもあまり使わなくなった、と聞いたことがある。なぜなら理由は国を鎖す(とざす)という言葉があまり正確ではなく、一時期のポルトガルや蘭・中とも頻繁に交易を行っていたからで、実は国外に向けてオープンだったというところにあるそうである。この本が出た当時1974年はまだそんな新しい学説はなく、僕が学生時代習ったように日本は鎖国をしていた、という前提に立っている。鎖国とは一般的には寛永16年(1639年)~嘉永6年(1853年)の米艦渡来まで、前後二百十五年にわたり、幕府権力の確立、整備と共に鎖国政策もいよいよ補強されて、その体制も安固となり、東アジアにおいては、この日本の鎖国を軸として一種の国際安定状態がつくりだされていく。本書はその変遷と一世紀半に及ぶ海外交渉史を扱っている。詳細→
https://takeshi3017.chu.jp/file9/naiyou32701.html -
1960年代に書かれた本なので、鎖国に関する定義などがその後変わっているようなので、古い概念も含まれているんでしょうが、日本の貿易が「鎖国」前に東・東南アジアにどれだけ広がっていたか、日本からどんなものが輸出されていたかがよくわかります。意外なのが日本製のヤカンの需要が結構あったのが面白い。Made in Japanのブランドはこの頃からあったんでしょうか。跡は金銀もそうですが、以外と銅の輸出が多かったのも面白いですね。かつては銅銭は中国のものに頼っていたと思っていましたが、以外と中国は日本の銅に頼っていたということもあったんですね。
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日本のことをよく知らない欧米人に明治維新前の日本は200以上の州からなる合州国で200年以上内戦も対外戦争もなかったんですよという話をすると驚かれることがある。
日本史の概略を知っている欧米人の中には明治維新前の日本でキリスト教が禁じられていた理由を詳しく知りたがる人がいる。 -
南蛮人による貿易とキリスト教の布教を、近世初頭の日本人はどう受け止めたのか。徳川政権の確立とともに、日本人の海外発展はなぜ禁止され、貿易も唐・紅毛人に限定されたのか。海外交渉史の権威が内外の資料を駆使して、鎖国の実体を復元する。