トスカ: マノンレスコー/ローエングリン (中公文庫 S 21-8 マンガ名作オペラ 8)

著者 :
  • 中央公論新社
3.00
  • (0)
  • (1)
  • (9)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 52
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122048461

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 漫画家、里中満智子先生の描く傑作オペラの数々。ここではマリア・カラスのアリアでも有名な『トスカ』と『マノン・レスコー』さらには中世ゲルマンに伝わる伝説を描いた『ローエングリン』が収録されております。

    傑作オペラの数々を漫画家、里中満智子氏が漫画化したその第8集です。恐らくこれで最終巻なのでしょう。ここにはプッチーニ作のオペラ『トスカ』と『マノン・レスコー』確かこの2つを知るきっかけとなったのはマリア・カラスであったかと思います。最後には中世ゲルマンに伝わる伝説を描いたワーグナー作のオペラ『ローエングリーン』です。

    どれも主人公は女性で、『哀しい恋』というものがテーマとなっており、今で言うとこれがメロドラマとして昼の時間帯や夜の時間帯に見られるようなテレビドラマのテーマに大なり小なりの影響を与えているのではないかとこれを書きながら推察しております。

    『トスカ』では美貌ゆえに貧しい男との生活を捨て、自分を見初めたお金持ちのところへ愛人としていくのですが。そこでの豪奢な生活にも退屈を覚え、迎えに着た貧しい男と共にアメリカに旅立つも、長い放浪の果てに彼女は死んでいくという話で、共感はあまり出来なかったのですが、ある種の『普遍性』を感じました。

    『マノン・レスコー』もまた、悲劇的な恋愛をベースに恋人の処刑後に自らも身を投げてしまうという悲劇性が涙を誘うのだろう。そんなことを考えておりました。

    『ローエングリン』もまた、ヒロインであるエルザ姫が愛した男の名前をどうしても知りたいがゆえに起こった永遠別れという悲劇的な結末を見て、なんとも言いようの無いものを感じました。

    ここで見たものを発着点として今度は映像を見たり、もっと機会があれば実際に劇場に足を運んで生でオペラを見たいなと。よりそんな思いが強くなりました。

著者プロフィール

マンガ家。第1回東アジアMANGAサミット事務局長。1948年大阪府生まれ。16歳のとき「ピアの肖像」で第1回講談社新人漫画賞受賞をし、プロのマンガ家生活に入る。その後数々のヒット作を生み出し現在に至る。主な作品に「アリエスの乙女たち」「あすなろ坂」「鶴亀ワルツ」他多数。「あした輝く」「姫が行く!」で1974年講談社出版文化賞受賞。「狩人の星座」で1982年講談社漫画賞を受賞。マンガジャパン事務局長。(社)日本漫画家協会常務理事。大阪芸術大学芸術学部文芸科教授。文化庁文化審議会著作権分科会委員などを歴任。

「2005年 『アジアMANGAサミット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

里中満智子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×