書きあぐねている人のための小説入門 (中公文庫 ほ 12-10)
- 中央公論新社 (2008年11月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122049918
感想・レビュー・書評
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作者が「小説を執筆するにあたって」を第三者に説明する、というよりは作者の覚書のようなリズムだったせいか?言葉の言い回しがしっくり来なかったせいか?所々なるほどねとは思えたけれど、全体的に難しかった。作者の作品を読んだ上でこの本を読んだ方が理解が追いついたかもしれない。
文章書いてご飯食べたい人が読むには参考になるかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ためにはなったし、興味深かったけど、難しかったなあ。
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ありきたりのテクニックやストーリ展開しか書かれていないハウツー本にはない、本当に自分が書きたい小説を書くために必要なことをたくさん教えてくれる本だと思った。「小説をめぐって」三部作の助走としてもよし。
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小説を書いていて行き詰まった事がある人が読むと「分かる」と思う。そして無駄に考えなくて良いのだと、安心させられる。空回りしてる人には良い本だと思う。小説を書かない人や書いても行き詰まらない人から見れば大したものではないのかもしれない。
個人的にはとても参考になった本。 -
2015 9 9
22冊 -
20150628
うーん、この人はワザと物事を難しく書いているというか、何度も同じ事を書いていて、非常に読んでいて楽しくない。
小説の中にあるエンターテイメント性を1mmも感じる事が出来ない。
正直、この作家の著書は読んだ事はないし、読んでみようとも思えなくなった。
いくら屁理屈言ってみても、作家としてベストセラーとか出していないと、読んでるコッチが当然出来ない。
あくまで価値観の違いだと思うが、サラリーマン時代に仕事一生懸命にやってないなんて、自分とは真逆の性分なのだろう。
村上春樹とかに陶酔してそうな作家だという印象。 -
小説家志望者だけじゃなくて、漫画家志望者も、あるいは編集者もみんな読むといいと思った。
P21 …「まったくわからない」芸術に出くわすと、人はその制作者に向かって、よく「その意図を説明せよ」と言うけれど、それはとても無意味なことだ。日常の言葉で説明できてしまえるような芸術(小説)は、もはや芸術(小説)ではない。日常の言葉で説明できないからこそ、芸術(小説)はその形をとっているのだ。日常と芸術の関係を端的に言えば、日常が芸術(小説)を説明するのではなく、芸術(小説)が日常を照らす。
P23 …「面白い小説」のほめ言葉として、よく「一気に読んだ」というのがあるけれど、だからそれはほめ言葉ではない。そういう小説は、すでにある面白さ、すでに読者が知っている面白さに則って書かれているわけで、これは私の考える小説の面白さではない。
それに、そもそもの話、「一気に読める」ということは、早くその小説の世界から出てしまうということで、本当に面白い小説なら、そんなに早くその世界から出たいとは思わないはずではないか。
P25 …そもそもの話、べつに私が書かなくても、すでに小説はあるわけで、その上で、いったい私は何を書けばいいのかという疑問もわいてくる(こういう疑問というか〝ためらい〟はとても大事で、そこをその人なりにクリアしないと、小説を書き続けていくことはできないと思う)。
P36 よく「次の作品のためにネタを残しておく」という変なことを言う人がいるけれど、いま書いているものが〝第一作〟にならなかったら、二作目はない。残しておけるようなネタは、たいしたネタではない。つまり、書くに値しない。それが正しく書くに値するネタだったら、いま書いている作品にそれも入れてほしい。
P154 …人がストーリーの展開を面白いと感じられる理由は、展開が予想の範囲だからだ。その枠をこえた本当の予測不可能な展開だと、感想以前の「???」しか出てこず、面白いどころか「意外だ」と感心することすらできなくなる。
P184 自分の書いたものをせっかく書いたんだからという気持ちでかわいがっていてはダメなのです。小説家となって小説を書き続けるのだとしたら、100枚や200枚の原稿ぐらいいくらでも書けると思えなければダメなのです。
P226 本は売れるに越したことはないけれど、売れるために書くわけではない。 -
2014.7.17読了
本編を読み終えてから延々と続くあとがきに時間がかかった挙句、途中で投げ出した。普遍性を求めて読んでいるのに、ひどく個人的な執筆のプロセスを書かれても、ファンでなければ興味を持てない。
本編は二度読み返したが、示唆に富んでいると思った。少なくとも表現者であろうとすることに全てをかけている著者の潔さを認めることができた。
凡百の小説の書き方についてのハウツー本が逆立ちしたって敵わない迫力がある。
だからといって、著者の作品自体に、共感出来るかといわれたら、全くできないのではあるけれども。 -
書きあぐねているわけでもなく、そもそも小説を書く予定もないが、面白く読めた。小説入門、というより、小説論。