- Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122051966
感想・レビュー・書評
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今まで自分が何故?と思っていた心理的モヤモヤが簡単に晴れる本
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毎日新聞の夕刊に毎月1回掲載されていたコラム、『毎月新聞』の書籍化。著者の佐藤氏は色々な経歴や肩書きを持っているようだが、あのヒット曲「だんご三兄弟」の作詞者なのだ。
コラムのテーマは非常に多岐に渡っているが、中でも「文化の芋粥状態」というテーマは興味深いものがあった。芋粥とは芥川龍之介の短編小説で、芋粥をたくさん食べる事を夢見ていた侍が、実際に大量の芋粥を前にして食欲を失ってしまうというお話。
わが国では教育を不自由なく受けられ、職業選択の自由があり、参政権も与えられているのに、これらの義務や権利を行使しない人々が多すぎるのではと思う。一部の仕方がないケースは別として、まさに今の日本は芋粥状態と言えるのではないでしょうか?
本書に掲載されているコラムは、1998年から2002年までの4年間に執筆されたものだが、10年以上経っているのに不思議と古さは感じられず、今読んでも大変勉強になり面白かった。 -
日常の見方を変えてくれるエッセイ。よくあるふわっとしたことだけが続くもの(最近その手の本飽きた)ではなく、理系的な目線から生まれる見方は本当におもしろかった。
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佐藤さんらしいたのしい本。
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目から鱗ぼろぼろ。
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新しいことを始めるのはかなり意志の力が要ることですが、一旦走り出してしまったものを停めるにもやはりそれ以上の意思の力が必要なのではないかと思うのです。
いい質問は、新しい枠組みを開拓する。
「ちょうどいい制約」というものがあり、その制約があるからこそ、人間の持っている知性という翼を自由にはばたかせる喜びもある。
市民権を持ってはならないものまでが、巧妙に新しくネーミングされたことで市民権を持ってしまうことがあるからだ。
それはネーミングによって本来の姿を曇らせ、市民権を与えてしまう危険性がある。
茶道や俳句も「これを美とする」「これを面白みとする」というところからなっている。 -
1.「なんでも使える」は「なんにも使えない」に通ずるのだ。
2.昨今のコンビニの成長の要因のひとつに、外から一番目立つ所に雑誌コーナーを置き、立ち読みを自由にさせているという事が挙げられる。
3. 僕達は、いろんな立場や状態、つまり「モード」を持っている。
4.新しいことを始めるのはかなり意志の力が要ることですが、一旦走りだしてしまったものを停めるにもやはりそれ以上の意志の力が必要なのではないかと思うのです。(靴を履いたあとに忘れ物に気付いたらどうする?)
5.目から飛び込んでくる雑多な文字情報だって脳にとっては充分noisy(騒々しい)なのである。
6.不思議なもので、どんな好きな事でも「義務」と名が付くと人間逃げ出したくなるものらしい。 -
ピタゴラスイッチ、だんご3兄弟、ポリンキーのCM、ゲームのI.Qなどで有名な佐藤雅彦さんが、1998年から2002年にかけて毎日新聞に"毎月"連載したエッセイ集。
新聞の中の壁新聞という体裁で、3コマ漫画もついている。
1回1回の物事の着想が本当にすばらしく、こういう風に世界を見ることができるならば、今見ている世界とはまた違うものが見られるんだろうなと思わせる。
1回目の"じゃないですか禁止令"で、一気に心が掴まれ、一気に4年分を読み干してしまいました。
あーーー、楽しかった。 -
数年前にかって再度読んでみた。やはりこのこの作者、佐藤雅彦氏の視点は素晴らしいと改めて感じた。日頃何気ないことにも独自の視点で考察する。他の著書についても非常に考えさせられ、自分もこのような視点で日頃見なければならないと思う。何事も当たり前に考え、ただ通り過ぎることはもったいない。考えることで新たな発想が思い浮かぶ。改めて読んで、またそう思った。