- Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122053311
感想・レビュー・書評
-
なんとも、面白い内容、ピアノという楽器の魅力、ピアニストという存在の奥行きを垣間見せてくれる名著、であります。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これまで読んだ中村紘子の本よりは柔らか目の内容で、ぐっと親近感が。天才少女と呼ばれて華々しくデビュウし、いくつものコンクールの審査員もつとめるピアニスト。そんでもってこの容姿だもの、近寄りがたいなんてものじゃない、まさに雲の上の人には違いないんだけど、ご夫君との出会いや、自分自身の若き日の挫折について自然に語るところが本当にステキ。私も少し楽器をいじるけど、天才というのは何もしなくても演奏できてしまう人ではなくて、何時間練習しても楽しくて仕方ない人だということを知りました。私はすぐにつらくなっちゃうもんなあ…
-
「中村紘子」のエッセイ『アルゼンチンまでもぐりたい』を読みました。
『ピアニストという蛮族がいる』に続き「中村紘子」作品… 引き続き、追悼読書です。
-----story-------------
国際ピアノコンクールの舞台裏、演奏旅行先でのエピソード、世界のピアニスト達の不思議な生態など、失敗談から辛口の文明批評まで。
ベルギー王妃のハンドバッグの秘密とは。
ピアニストとハイヒールの深い関係とは。
演奏家として、また国際ピアノコンクールの審査員として世界をかけまわる著者ならではの鋭い文明批評と、地球の裏側アルゼンチンまで穴があったら入りたい程の失敗談。
音楽の周囲に集まるとっておきのエピソード。
エスプリ溢れる三十九篇のエッセイ集。(解説 檀ふみ)
-----------------------
女性週刊誌『クレア』の1989年(平成元年)12月号から約2年半にわたり『ピアニストの領分』というタイトルで連載されたエッセイを中心にまとめたエッセイ集、、、
本文の挿絵も「中村紘子」本人が描いており、新たな才能に気付かされた作品です。
■王妃さまのハンドバッグ
■ロシア人の味覚
■ピアニストの靴
■天上の音楽
■ミス・ソ連邦のミス
■政治家たちの初体験
■サンタンデールの雨
■練習症候群
■『イスラメイ』が聴こえる
■台北国家音楽廳 ほか全39話
■あとがき
■二十年後のあとがき
■解説 檀ふみ
『ピアニストという蛮族がいる』は、名だたるピアニストの逸話やゴシップ、奇行、珍談が題材となっていましたが、、、
本作品は、「中村紘子」がピアニストとしての演奏旅行や、世界的な音楽コンクールの審査員として、世界を巡って経験したエピソードが満載… 愉しく読めました。
各国のセレブや大統領夫妻や各界の著名人たちが、敬意と親しみを込めてネタとして登場しており、著者の交友関係がとても広かったことがわかりますね、、、
「昭和天皇」から、皇后「美智子妃」から後の皇太子妃「小和田雅子」等、皇室関係者とのお付き合いもあったんですねぇ… なかなかのものです。
幽霊を信じないと断言しながらロンドンのホテルで体験したことや、まるで魔女が煮る鍋のように調理されるカレー等が印象に残りました、、、
ちなみに、タイトルの『アルゼンチンまでもぐりたい』は、若かりし頃の失態を思うと「穴があったら入りたい。できれば地球の裏側のアルゼンチンまでもぐりたい」という気持ちから命名されたようです。 -
文章がうまく面白いエッセイ集。<br />ただ期間の本よりクラシックそのものへの言及が少ない。
-
2010年10月31日購入