任侠書房 (中公文庫 こ 40-23)

著者 :
  • 中央公論新社
3.96
  • (169)
  • (350)
  • (163)
  • (13)
  • (3)
本棚登録 : 2167
感想 : 253
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122061743

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 皆さんの「任侠シネマ」のレビューを読んで、シリーズ最初の巻から読んでみようと思った次第。

    地域とともに生きる昔気質の真っ当なヤクザ・阿岐本組。その組長の気紛れに右往左往させられる代貸・日村と組の若い衆。
    闇金の取り立てに頭をひねる一方、組長が手を出した出版社の仕事では、癖のある編集者たちとの絡み合いに、地元の組との切羽詰まったやり取り、周りでうろつくマル暴の刑事たちの挑発と、色んなトラブルがテンポよく重ねられて行く。
    まあまあ面白くは読めたが、型通りと言えば型通り。

    仕事柄『反社会的勢力との関係を遮断し…』とか唱えているので、物語の中のちゃんとした組員たちには申し訳ないが、なんとなくこの主人公の世界に共感してはいけないような気持ちがあって、素直に楽しめなかった。続編にはいきません。

  • 任侠シリーズ第一弾!
    面白かった。
    ヤクザが出版社経営を行う物語。
    エンターテイメントとして楽しめます。ドラマ化して欲しい(笑)

    ストーリとしては、任侠道をわきまえたヤクザ、阿岐本組の組長が、気まぐれ?で兄弟分の組から倒産間近の出版社の経営を引き受けることになります。
    阿岐本組のNo2である日村は、そんな組長の思いに呆れながらも、親の言ったことは絶対と、その経営に絡んでいきます。ひと癖ある編集者達をどうコントロールするのか、そして、マル暴の刑事、他の組が絡んできて、トラブル多発!
    どう乗り切っていくか?というとても楽しい物語です。

    ヤクザの物語なわけですが、主人公の日村の行動、言動はビジネスマンやミドルマネジメントにとって、すごく為になります。
    無理難題を解決していくところがとてもすごい。

    しかしながら、マル暴の刑事とのいざこざでは、どうなる事やらと思いましたが、最後には、勧善懲悪になって、とてもスッキリ!
    ご都合主義ですっぽり嵌っていきますが、それはエンターテイメントとして楽しめばOK!

    ということで、第二弾、第三弾も楽しみです。

    お勧め

  • 『学園』を前に読んでいたが、任侠シリーズとしては、こちらが第一弾らしい。カバーがど派手になり、つい手に取ってしまった。
    この主人公たちは、暴力でことを済ませる暴力団ではなく、弱きを助け強きをくじく昔からの任侠を貫く”心優しき”やくざたち。彼らは金が万能の社会に異を唱え、面子―あるいは誇りと言い換えてもいいか―を何よりも重んじることを信条とする。現代の日本人が忘れかけているものを、持っているといえるかも。
    だから読んでいてもカタルシスを感じ、その世界に郷愁すら覚えてしまう。

  • 任侠シリーズ1作目。ヤクザがひょんなことから、出版社経営をすることになる。そのドタバタを軽妙に描いている。ヤクザが守るべきプライドは、一般社会にも通じるものであり、不器用にもそれを貫き通すところにほろりとさせられる。
    隠蔽捜査シリーズが面白くて、この作家の本を読んでみようと思った。軽いタッチだが、なかなか深いところをついており、このシリーズも制覇してみようと思う。

  • 幼稚な内容かと思ったが展開が面白くサクサク読めた。
    任侠学園も読んでみようと思う。

  • この手の本は浅田次郎のきんぴかが面白かったが、これはこれで、結構シビアにヤクザやってるなって感じ
    結果上手くいってるけど
    シリーズになっているらしく、次もとりあえず読んでみるか!

  • 主役が主役だけに、不謹慎かもしれないけれど、無条件に面白かった。またまた、今野さんの新たな一面を知った。(^_^)v

  • 映画化されたシリーズの初巻と知って読んでみた。文章は読みやすくて痛快。細かいっこみはせずに、気楽に読める。

  • 主人公は阿岐本組の代貸を務める日村。
    タイトルに「任侠」の文字はあるけれど、けっして物語自体はヤクザ小説ではない。
    倒産の危機に面した出版社を、素人である日村たちが知恵を絞りながら立て直していく前向きなストーリーになっている。
    素人だからこそ思うグラビアへの思い入れ。
    ヤクザだからこそわかるヤクザ社会の生きた情報。
    視点を変えた女性誌へのアプローチ。
    それらを可能にするヤクザならではの人脈。

    軽快に進むストーリーと、明るく読みやすい文調。
    ヤクザにも負けない個性豊かな編集部の人たちや、ヤクザ顔負けの強欲さや理不尽さを振り撒く素人たち。
    人間、何をやろうとも誇りを失ったらダメなんだなと思えた物語だった。
    阿岐本組長の男前さには、さすがヤクザ社会でも一目置かれる人だと納得してしまう。
    好き勝手に振る舞っているようで、抑えるべきところはきちんと抑えている。
    決断力もあり、人の動かし方も上手い。
    そんな組長を支える日村の奮闘ぶりに同情しつつ、つい笑ってしまうところが何ヶ所もあった。
    ヒヤリとする場面もある。
    ヤクザらしい顔を見せる場面もある。
    それでも、やっぱりあたたかな余韻を残す終わり方にホッとした。
    ドラマや映画でも今では滅多に見られなくなった旧態然とした古いタイプの任侠道。
    最後まで楽しく読むことができた物語だった。

  • ちょっと変わったお仕事小説。登場人物も個性的で魅力的。読みやすくて、一気に完読。なかなか面白かった。シリーズなので他の話も是非読んでみたい。

著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

今野敏の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
朝井 リョウ
池井戸 潤
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×