冷たい檻 (中公文庫 い 133-1)

著者 :
  • 中央公論新社
3.55
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  • (4)
本棚登録 : 1171
感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (595ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122068681

作品紹介・あらすじ

日本海沿いにある小さな村の駐在所から警官が失踪した。後任として駐在所に着任した島崎巡査部長の下に、県警本部から送り込まれた調査官・樋口が現れる。警察内で密かに失踪事件を調査することのようなのだが……。過疎の村にふきだまる欲望! 巨大福祉施設に隠された恐ろしい秘密を二人は暴けるのか。そして、樋口の正体とは!? 一気読みの警察小説巨篇!

感想・レビュー・書評

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  • 子供が攫われる事から始まる。次々と展開する事件や政治的な流れと登場人物の多さに、読む方が混乱して行く。
    ショッピングセンターでの殺人辺りから急速に一つの方向に収束して行く。後半は読むスピードが増して来る。並行して、攫われた子供のエピソードも復活し、期待が高まる。事件の原因はそうだろうなと分かって来るが、主人公と子供の邂逅は・・!

  • ★4.5

    日本海沿いにある小さな村の駐在所から警官が失踪した。後任として駐在所に着任した島崎巡査部長の下に、県警本部から送り込まれた調査官・樋口が現れる。警察内で密かに失踪事件を調査することのようなのだが……。過疎の村にふきだまる欲望! 巨大福祉施設に隠された恐ろしい秘密を二人は暴けるのか。そして、樋口の正体とは!? 一気読みの警察小説巨篇!


    これは結構ハードボイルド??
    何が起こってるんだろう?
    誰が何をしてるんだろう?
    不穏な空気感からページを捲るてが止まらなくなっていました。

    こんな施設あったら怖すぎる
    何処かに実際になるんじゃないかと
    考えてしまいました


    最後に親子が会えて本当に良かったです

  • 2日間の出来事やのに、600ページ弱…
    ハァ〜ようやく読み終わった(^-^)v
    仕事場所変わって、まだ、通勤時とか読めずに苦労した!
    ハードボイルドや!
    片田舎の警官失踪に、元刑事とか、元自衛隊ら出身者ばかりの怪しげな組織から、自身も辛い過去を持つ元捜査一課の調査官ひとり派遣。
    でも、この事件から、紐付いて、何かゾロゾロ出て来るで〜!
    片田舎やからって、施設でやってるヤバい事分からんのかな?って気はする。
    でも、これで儲けてる人が、この片田舎にも、中央にもってなると分からんのかな。
    それの犠牲になる弱い人ら(行き場のない老若男女)が可哀想過ぎる〜こんな事が原因で人殺しても罪にはならんのやろうけど、後々、心には残るし、辛いと思う( ; ; )
    伊岡さんらしく、最後は、ええ感じで終わり!まぁ、何となく、そんな気はしたけど、ええか!

    来週半ばからは、また、テレワークメインなんで、ゆっくり読める(^-^)v

  • 久しぶりの伊岡さん、なんと600頁弱。
    何かが起きてる…奇妙の雰囲気にゾクゾクしながら、読ませるスピードが早いっ!

    主人公の人柄も、かっこいい!
    臨床実験、政治、企業、警察、施設、いろんな角度とテーマから物語が語られる。
    伊岡さんの中では登場人物多めだが、表紙の後ろに登場人物お知らせページあります笑 それに一人一人のキャラが目の前にいるかのように描かれるので、飽きない!内容から目を離せなくさせられちゃいますねー

    文庫本で未読はあと一冊くらいかな、、
    やはり、楽しい!!!

    深見さんと主人公どちらがかっこいいのか?見てみたくなります笑笑

  • 600ページ弱の長編。
    ちょっと登場人物が多すぎたのと、視点があっちこっちいって、最初は頭の中がごちゃごちゃしましたが、後半からやっと名前も覚えて、人物像がはっきりしてくるので読みやすくなりました。
    村に存在する大型複合医療施設をめぐる事故や事件の真相が明らかになっていく最後は時間を忘れて読んでいました。
    調査官樋口シリーズがあってもよさそう。(あるのかな?)

  • 伊岡瞬『冷たい檻』中公文庫。

    ハッキリ言って外れの警察小説。伊岡瞬の作品は当り外れが非常にハッキリしているように思う。

    プロローグに描かれた2つのエピソードは本編とどうつながるのかという興味はあったが、余りにも断片的に異なるシーンが描かれるので物語に入り込めなかった。また、蛇足のようなラストは不要だったように思う。あのラストがあることで、さらに作品全体をダメにしている。

    日本海沿いにある小さな村の駐在所から警官が失踪し、県警本部から調査官の樋口が送り込まれる。過疎の村に渦巻く利権と欲望が……

    本体価格880円
    ★★

  • 北陸地方での駐在所の警官の失踪について、調査官が調べにやってくる。
    この調査官の樋口と、後任の駐在所警官の島崎コンビは良かったが、視点が切り替わるタイミングが早い&多すぎて、入り込みにくかった。「アル=ゴル神」は不要だったように感じます。

    地方のショッピングモールや複合医療施設に関わる官民の暗躍など盛り沢山で、ハードボイルド系の感じは良かったので、子供と青年をもう少しすっきり読ませてもらえたら、更に満足できたかも。

  • 大人の計画に無害な子どもが犯罪に手を染めてしまった、なんとも気味の悪い話しでした。

    個人的にレイイチくんとカイトくん好きかな、最後は期待した終わり方で良かった! 

  • 色々なことが絡み合い事件が起きる濃密すぎる2日間が描かれているが、加害者でもあり被害者でもある人物たちとその周りの人物たちの未来に希望があって欲しいと思う。2日間といっても、それまでの不審な事故や過去の事件などもその全てが繋がってくるので、ボリューム満点だが消化不良なく読み終えた。

    主人公は北陸の過疎村に調査に来た樋口透吾。目的は駐在所から失踪した警官の行方を調査すること。その村に観光名所は無く大型ショッピングモールもほぼ閉鎖されているが、老人介護や青少年更生、児童養護、病院などが併設された複合型施設がある。警官の失踪以外にも老人の転落死などもあり、村では何かが起きていると思った矢先に殺人事件が起きる。

    もしかしたら救いのない最悪の結末も有り得たかもしれないと思うと、無事(?)に結末を向かえたことで穏やかに読み終えた。なんとなく翻弄されるような読み心地や感情を揺さぶられるような進展を期待して求めてしまう自分がいたが、それはそれでゾワゾワと落ち着かなかったかと思うと満足している。

  • 駐在所の警察官が活躍する小説が続いた(笑)。本書は準主役ではあるが。
    主人公は、駐在所の警官が失踪した事案を調べるため来村した、調査官。彼に疑念を抱く後任の駐在所の警官も、やがて彼とともに謎を追う。
    多彩な人物や次々に起こる事件、さらに背後に潜む闇への推理とで、最後まで読者を惹きつける。文庫本で587頁を費やすが、けっして長さを感じさせない。
    ただ、視点がAの人物で語られていたはずが、いつの間にかBの視点になっているという箇所には戸惑いを覚えてしまったが・・・

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。2005年『いつか、虹の向こうへ』(『約束』を改題)で、第25回「横溝正史ミステリ大賞」と「テレビ東京賞」をW受賞し、作家デビュー。16年『代償』で「啓文堂書店文庫大賞」を受賞し、50万部超えのベストセラーとなった。19年『悪寒』で、またも「啓文堂書店文庫大賞」を受賞し、30万部超えのベストセラーとなる。その他著書に、『奔流の海』『仮面』『朽ちゆく庭』『白い闇の獣』『残像』等がある。

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