あとは切手を、一枚貼るだけ (中公文庫 お 51-7)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122072152

作品紹介・あらすじ

きみはなぜ、まぶたを閉じて生きると決めたの――


かつて愛し合い、今は遠く隔てられた「私」と「ぼく」。

消えた産着、優しいじゃんけん、湖上の会話……

十四通の手紙に編み込まれた哀しい秘密に

どこであなたは気づくでしょうか。


小川洋子と堀江敏幸。二人の作家が互いの言葉に耳を澄ますと、思いもよらぬ謎が浮かび上がる。

こよなく美しく、胸を震わせる小説世界。


唯一無二の作品の執筆過程を振り返る、文庫版のための著者対談を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 大変だった。何回か涙が出た。すごい、おもしろい、美しい、哀しい。みずうみ。お手紙を送りあうということ。少し時間をおいて、もう一度読むとおもう。

    後書きを読んで、どうやって書き進められたのかを知って、興味深い。

  • 何を言っているのだろう?妄想?なぜ理解できているのだろう?と思っているうちは、とても読みにくかった。あきらめてしまう人もいると思う。

    繊細な言葉のやり取りをたどっているうちに、時間や空間を越えて、二人の想いが静謐な湖に溢れていると感じられた。最初の戸惑いなどどうでもよくなっていた。二人だけにわかる世界を息を詰めるようにして読んでいった。
    途中、何通か読み返した。

  • 難しいと感じるところもあったけど、とても面白かった。
    かなり穏やかな気持ちになった。

  • タイトルがすてきだと思います

  • 無限に読み終わらない。読み“進め”られない。
    なんだかタイトルと同じような状態。

    出てくる言葉は美しいが私の頭に浸透してくれない。

    大好きな小川洋子さん。

    永遠に、今読んでる かもしれない。

    後から知った本や、積読たちが
    今読んでる、で肩を並べてどんどん追い抜かしていく。まいっか。

  • 往復書簡形式の小説です。
    小川洋子×堀江敏幸。
    小川洋子は好きな作家でよく読んでますが、堀江敏幸は初。
    が、全く違和感なし。
    二人の関係、秘密、そして過去と未来、現在も。
    夢か現か不思議なふわふわした世界で芯のある二人。
    哀しく美しい物語。

  • 交わす言葉、愛し合った記憶、離ればなれの二人の哀しい秘密――互いの声に耳を澄まして編み上げたのは、純水のように豊かな小説世界。著者特別対談収録。

  • 堀江敏幸さんも小川洋子さんも世界の作り方が似てて全く違う世界に埋没する感じがする。ドア一枚隔てただけなのに外の音も気配も消してしまうような小説の世界。色々な雑音から離れたい時にはこういう小説に救われる。

  • ある男女が交わす14通の手紙。

    そこに隠された一つの悲しい秘密。取り留めのない手紙の内容には何一つ明白な叙述は無く、全ては読者の想像力に委ねられる。少し冗長気味に感じられる物語ではあるけど、その不明瞭さに好奇心を擽られて頁を捲る手が止まらないから狡い。

  • タイトルが素敵で、小川洋子さんと堀江敏幸さんという大好きな作家のコラボとあれば読まずにはいられない!と読み始めたものの、まあ読み進まない…。
    何だろう、観念的な風景の描写はすごく美しくて、読んでる時は楽しいんだけど、一旦離れると何の話だったか分からなくなって、サラサラとこぼれるようだった。届けたい言葉とか想いの共有は、表層ではなく、自分の深いところに潜って出会う、という、イメージだけが印象に残っている。
    終盤で、この二人が離れて手紙を送りあっている理由のようなエピソードが語られ、そこから急に物語が像を結んで読みやすくなるんだけど、一方でやや物語が濁ってしまったような不思議な感覚にもなった。天上のものが地上に降りて来てしまった、とかそういう感じ。
    大事な部分があった気がするけど思い出せないので、思い出したらまた書きましょう。

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著者プロフィール

1962年、岡山市生まれ。88年、「揚羽蝶が壊れる時」により海燕新人文学賞、91年、「妊娠カレンダー」により芥川賞を受賞。『博士の愛した数式』で読売文学賞及び本屋大賞、『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。その他の小説作品に『猫を抱いて象と泳ぐ』『琥珀のまたたき』『約束された移動』などがある。

「2023年 『川端康成の話をしようじゃないか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小川洋子の作品

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