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図書館の展示会のため、江戸の切絵図に関する本を探していたところ、大学の地理の先生に紹介していただき、厚かましくも先生の私物の本なのに貸していただいて読みました。地図を紐解くと、こんなに色んな情報が得られるのか、と大変面白く読んだ。江戸時代って、歴史で習う遠い世界のことかと思っていたけど、知れば知るほど現代と地続きなんだよね。地図の製作者が著作権を侵害されて訴訟を起こす話や、出版事項をちゃんと記述するようにとのお触書の話など、ちょっとした挿話が、知的財産への意識の芽生えを感じて興味深かった。それにしても昔の人の字の美しさや作図能力は見事です。今の私たちも、鍛えればここまでできるようになるんだろうなあ。同じ人間だもんね(能力の差は当然あるけど)。
2012年06月01日 | コメント(0) | 読書記録 | 読み終わった (2012年06月01日)
人間は何を思って「かたち」をつくるか、人間は「かたち」から何を感じ取るのか。そんなことを考えていたときに出会った本。最近気になっていた、大極図、唐草模様、木、曼荼羅など、よくもここまで私の知りたいことが集まったなあ、と驚愕した。著者は杉浦康平さん。何かこの感じはとても好きだと思ったら、私が大好きだった雑誌「季刊銀花」の装丁を手がけた人だったんだな。好きなものは知らないうちにアンテナに引っかかる、集まってくる。この本は、私の好きなものの集大成だった。
2012年04月03日 | コメント(0) | 読書記録 | 読み終わった (2012年03月25日)
生物のかたちは、なぜ今の”かたち”なんだろう?という素朴な疑問があって、読んでみた。とっても小さい本であっという間に読めてしまうけど、大事なエッセンスがギュっとつまってる、入門書にぴったりな本。いや、けっこう専門的なのでちょっと難しいかな。生物のかたちは遺伝子がデジタルな情報の形式で体をつくる指令を伝えている、という考えと物理・化学的な作用に基づいて自己組織化してつくられる、という対立的な考えがあるが、それをうまいこと融合させるとよいらしい。これらは遺伝学と発生学の研究成果をお互いに取り入れることで飛躍的に解明されてきたということだ。生物の形成が物理で説明されうる、というのが大変面白い。最近読んだ本には、複雑系、カオス、フラクタルという言葉がよくでてくる。これまでは人力では計算できなかった世界がコンピュータによって計算可能になったことで、偶然と思われてきたことも物理的な作用の範囲内だったとわかるとかそういうこと・・・かな。ちょっとわくわくする。
2012年03月16日 | コメント(0) | 読書記録 | 読み終わった (2012年03月16日)
私が心理学を学んでいた学生時代、「どんなことをするの?」とよく聞かれた。今なら絶対に聞かれない。それほど周知の事実になってしまった感のある心理学に、違和感を感じていたのだが、この本を読んでなるほど、と思った。私が何かヘン、と思い始めたは、「自分探し」がはやった頃から。そして癒しブーム。そのあたりがきっちり説明されています。何でそんなに癒されたいの?という疑問。苦しいことは即解決しないと気がすまない、人を傷つけてはならないという、一種脅迫的な観念。生きてりゃ苦しいし、それを抱えながら生きていくもんだし、人を傷つけたり傷ついたりしながら自分というものが固まってしっかり根を張って生きていくことができるんじゃないの?というのはもう通用しないんだね・・・。と考えると、何だかどこを向いて生きたらいいのか、途方にくれるなあ。古き良き時代(?)に帰ることはできなくて、どんなことも時代をさかのぼることはできなくて、今ある現実をどう受け止めて、これからどうするか。この本はその答えらしきものに向かって進むんだけど、どんどん理念的になっていくので、現実にどのようにおろすのかが難しい。著者にはビジョンが見えてるんだろうけど(見えてるからこそ理念として提示できるんだろうけど)、具体化されないとよくわからない。それにしても、私の最初の疑問ってほんとにこれだったっけ?この本を読む前に、私が何に違和感を持っていたのか、はっきり言語化してたらもっとよく理解できたかもな。
2012年03月06日 | コメント(0) | 読書記録 | 読み終わった (2012年03月06日)
最近、仕事で考えに考えているテーマにどんぴしゃのタイトルだったので思わず手に取ってみた。この本で「なるほど」と思ったのは、理系は「かくある」、文系は「かくあるべし」の学問である、とあったこと。私はそれを「真・善・美」のうち理系=真、文系=善 だと思っていたので、あ、なんか近いなと思いました。今、たとえば原発の問題など、科学技術の発展に人間のコントロールがついていっていないのは、科学技術を考える人たちの間に「かくあるべし」の発想がないからだとすれば、文理の融合は急務だと思う。文理シナジー学会はおもしろそう。ただ、ここでは現実世界の課題をどうやって解決するかという具体的な対応について考えられていて、それはとても重要なことだけど、今仕事で考えているのはどちらかというと思考法など基礎的な部分なので、若干目的が異なる。この本で紹介されている古典が、とても役に立ちそうだ。パスカルの「パンセ」は必読かも。
2012年02月22日 | コメント(0) | 読書記録 | 読み終わった (2012年02月22日)
ついこの間読んだ、「よろずのことに気をつけよ」の学術的裏づけのような本。そして、最近徳島大学附属図書館でやっていた平治物語の崇徳天皇の話も出てきます。呪いというと怖いけど、人々が”呪い”を信じ、恐れることで現実社会での暴走を防ぎ、”呪い”を鎮める”祓い”というシステムが有効だと皆が信じるとき、精神的な浄化がなされる、という、重要なアイテムだったのだと思う。ま、この本の中には壮絶な呪い合戦も出てきますが・・・。日本の裏の文化史、とも言えます。
2011年12月22日 | コメント(0) | 読書記録 | 読み終わった (2011年12月16日)






黄砂は春の風物詩。でも何で春?秋に来たり、来る時期が早くなるのって、地球の温暖化と関係があるの?と疑問に思ったので読んでみた。ご存知のとおり、黄砂は偏西風にのってやってくるので春と秋に来るんだけど、春の砂は乾いているのでより飛びやすいんだって。夏の雪解け水で湿った秋の砂は遠くまで飛ばない、ということらしい。という話はこの本の一部で、他にもたくさん、黄砂についての研究が載っていて面白い。研究テーマの立て方や、具体的な実験方法など、一般の人が読んでもわかりやすいと思います。何より研究が楽しそうなのが伝わってきて、いいです。本来、研究ってこういう「わくわくするもの」だよなあ、と思いました。
