八百万の神に問う4 - 冬 (C・NovelsFantasia た 3-13)

著者 :
  • 中央公論新社
3.91
  • (12)
  • (19)
  • (14)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 137
感想 : 17
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784125012940

作品紹介・あらすじ

隣国・出散渡の統治者ラウフ・カダルが楽土に乗り込んだ。以前はムメイと名乗り、シン音導師の音討議を見ていた男が、己の意思を代弁する音導師-ザイオンを連れて。そして-かつての盟友を相手に楽土の存在意義を懸けた、シン音導師最後の音討議が始まった。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 今までより軽めで、ということで書き始めたというシリーズです。1,2巻は独特の世界観に慣れていないせいもあって、設定がわからないまま読んでました。3,4巻になると世界観も理解できて話に集中できた気がします。
    確かに雑談も多めだし、犠牲が少ないので軽めでしたが、物語の根幹である人と人が対話する、言葉を紡ぐ部分はきちんと重みがありました。
    ちなみに、多崎さんの過去作で感じたやるせなさはあまり感じられなかったので、物足りなかったです。読後感が一番いいので良いはずなんですが、多崎さんに求めるのは軽さではなく重さなんだなと感じた作品でした。

  • トウロウの変わりぶりに驚く。イーオンとヤコウの論争に息詰まる。人々との交流を通じて一気に成長したシンの旅立ちが清々しい(シンがイーオンに礼を言うシーンにはグッときた)。

  • 伝説のシン音導師(イーオン)と兄弟子ザイオン音導師(ヤコウ)の最初で最後の音討議、面白かったです。
    でも、一番印象的だったのは、イーオンが弟子のシン少年に、自分の過去を語り、シン少年が真の楽土を出てひとり立ちする決意を固めるあたりです。
    そして音討議3日目、シン音導師の語る言葉が私の中にも心地よく響きました。

  • 統治者が、乗り込んできた。

    半分まで読んで、もう疲れた、というのが本音です。
    いや、面白かったのですが、何だかこう…疲れた、が
    先に来た感じです。
    楽しかった、というより、やり遂げた感いっぱいな。

  • 和風異世界ファンタジーシリーズの完結巻。といっても、「不思議」やら「いろんな能力」やらバトルが売りのシリーズではなく、「相手を説得する」というやたら地味なんだけどなぜか面白いシリーズでした。 今回は、音導師シンの過去や気持ちが明かされていくお話でした。伝えるこことや説得することのむずかしさと大切さが伝わる話ですが、現実でどのくらい活かされるのか……なかなか難しいよなー。

  • 40:多崎さんらしい、大らかな生命賛歌と緻密な世界設定が合わさった、とても清々しい細やかな物語でした。その分、「可見」とのかけあいシーンとか、コミカルな部分がちょっと浮いてるかなぁと思うけど、後半の音討議のシーンはすごくよかった。吹っ切れたようなイーオンも、トウロウも、シンもすごく可愛い。
    表紙がすごく(哀しいほどに)綺麗だったので、そういう結末を予測していたけど……うん、いい裏切られ方をしました!

  • 全四巻、最終巻。成長したシンが頼もしかった。
    生きることはすばらしい。

  • 読めて良かった。
    本当に読めて良かった。
    このキャラたちとの別れは辛いけれど、読めて良かったです。
    爽やかな読後感。すごい。幸せになる読後感でした。
    イーオンも死ななかったし。さて彼女はヤコウとトウロウどちらを選ぶんでしょうか。わくわく。
    あとがきに心打たれました。私事で恐縮ですが今ちょうど絶望の淵に立たされていて、切ないし怖いし悲しいし、でも、読めて良かったな、何かを受け取った気がするなと思いました。
    これから多崎さん作品をぜーんぶ読み尽くしたいと思います。本当にCノベルスだけではもったいない方だと強く強く思います。
    多崎さんのような小説を書きたい。

  • 最終巻。
    イオンとヤコウの楽土の存在を賭けた音討議。
    シン少年の成長と旅立ち。
    少ししんみりとしつつも柔らかい終わりでした。
    トウロウが多少不憫に思えるのですが(笑)、まあしょうがないですよね。
    楽土を出たシンとトウロウの物語もちょっと読んでみたいなあ、と思いました。

  • 別れの冬。

    最終巻。しみじみとできるラストだった。和む。
    イーオンの音討議で締めくくるわけですが、イーオンは伝説だから表に出ないのだと思っていたのでちょっと驚く。
    それにしても、ごはんがとてもおいしそう。

    前編通しでですが、せっかく和風なのに時々現代語が混ざるのがとても違和感ある…。

全17件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

2006年、『煌夜祭』で第2回C・NOVELS大賞を受賞しデビュー。著書に「〈本の姫〉は謳う」、「血と霧」シリーズなど。

「2023年 『レーエンデ国物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

多崎礼の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×