宗教概念あるいは宗教学の死

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  • 東京大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130104098

作品紹介・あらすじ

西洋社会で生まれたキリスト教的・プロテスタント的な宗教という概念は、オウム事件や大震災を経験してきた日本社会においても、大きくゆらいでいる。従来の宗教概念・宗教学を徹底して問いなおしてゆく彼方に、新しい宗教研究の可能性がうかびあがる。荒涼とした現実に向きあう言葉だけが、希望を語りうる。

感想・レビュー・書評

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  • 最近の宗教学がどんなもので、これからどういう方向へ向かうべきなのか?を示した本。

    宗教学を勉強し始めると、なおさらうっかりしたことは言えないということがよくわかってくるのだが、それでも敢えて言うと、この本で示されていることは意義深いとは言え、そこまで著者が言うほど革新的か……?という疑念がどうしても拭えない。勿論細かいところではそうなのかもしれないが、全体的に述べていることは割と目にするというか、少なくとも講義やゼミで聞くレベルだと思うのだが……

    一般向けに書かれた本であればそういうことは特に思わず興味深く読めるのだが――というより、著者が「これは革新的」みたいな感じで書かなければ素直に読めるのだが――、どうも同業者をディスりながら書かれたものをみてしまうと、「うーん、そんなにひどいかなあ……」という気持ちに思わずならざるをえない。評価が難しい本。

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著者プロフィール

1961年、水戸市に生まれる。
「見えないものを語ろう」とする癖(へき)が高じて宗教学者に。

東京大学大学院人文科学研究科宗教学専攻博士課程中退。博士(文学)。
海外の大学の客員教授や客員研究員を歴任。
2024年現在、国際日本文化研究センター(京都)教授。
磯前プロジェクト室主宰。

著書に『近代日本の宗教言説とその系譜』〔岩波書店, 2003年〕、
『閾の思考』〔法政大学出版局, 2013年〕、
『ザ・タイガース: 世界はボクらを待っていた』〔集英社新書, 2013年〕、
『死者のざわめき』〔河出書房新社, 2015年〕、
『昭和・平成精神史』〔講談社, 2019年〕、
『公共宗教論から謎めいた他者論へ』〔春秋社, 2022年〕、
『石母田正』〔ミネルヴァ書房, 2023年〕、
『居場所のない旅をしよう』〔世界思想社, 2023年〕など。
外国語に翻訳された書物など多数。

「2024年 『生者のざわめく世界で 震災転移論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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