言語を生みだす本能(上) (NHKブックス)

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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140017401

感想・レビュー・書評

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  • 20年前には「できそうにない」と思われていたことが、「できるかも」になってきている。もちろん、「やっぱり、だめだ」も多いのだけど。

  • この著書で一気に高名となりました。
    この当時ピンカー氏はまだジャーナリストとして見られてましたが。
    紹介するにしても専門筋じゃないよ的な感じで。
    肩書きなんて飾りですよ。
    自称「脳科学者(そもそもコレ自体わからんちん)」
    でも通る世の中です。実験一切やっとらんけど・・・
    よその研究成果を我が事の如く開陳するのはチョット・・
    そリャあね、一般ピープルは専門雑誌読みませんて。

  • 著者はハーバード大学心理学研究室教授。そもそも言語が思考全体を規定するのではなく、言語が認識や認知の枠組み、アーキテクチャーを規定すると考えていたので、著者の、思考を生むのは言語ではないという批判は的外れではないか、という気がしながら読み進めた。また、言語獲得能力生得説も今更の感があって、目新しくはなかったかも、と思ったら、1995年刊行と少し前に刊行された書でしたね。

  •  『言語を生みだす本能(上・下)』(NHKブックス 1995年)
    原題:Language Instinct
    著者:Steven Pinker
    翻訳:椋田直子

     言語学にもいろんな対象や方法があるわけですが、本書は、「人間の本性として言語」への生成文法にやや沿ったアプローチ(個人的には著者の理解も独特な気もする)。また、一般人にも楽しめるという意味で言語学の啓蒙書の面もある。
     扱う内容は、言語獲得以外にも社会言語学やら言語決定論と言語相対論の話やら認知言語学っぽいのまで。
     上下文冊で全13章。
     なお、ピンカーが日本について書いた箇所が、何故か日本語版では割愛されてるとか。

    【全体通した目次】
      『言語を生みだす本能(上)』
    1.技能を獲得する本能
    2.おしゃべり
    3.思考の言語
    4.言語の仕組み
    5.言葉、言葉、言葉
    6.サウンド・オブ・サイレンス
    7.トーキングヘッズ
      『言語を生みだす本能(下)』
    8.バベルの塔
    9.しゃべりながら生まれてきた赤ちゃん、天国を語る
    10.言語期間と文法遺伝子
    11.ビッグバン
    12.言語指南役たち
    13.心の構図

  • 言語を客観的に分析することは難しと思うが,本書では「読みづらい文」や「同じくらい複雑な割に,読みやすい文」が挙げてある。これらの文章は確かに読みづらかったり,複雑な割に案外読めちゃったりして,読者としても言語の背景に普遍的なルールの存在を体感し自然に受け入れやすいように工夫して書いてあって感心した。

  • 子供が言葉を身につけるのに親の協力は必要ないという事実が意外だった。言語を学習するのは意図的なプロセスではなく、人間に備わった本能らしい。

    それと、第二言語の習得は幼少時を過ぎるとネイティブのそれと同等になるのは至難であること。改めて指摘されるとやっぱり大変な努力が必要なんだなーと覚悟させられる。

  • 言語は後天的に身につけるものである、とは言い切れないというのが本書の主張するところ。いままで何の疑いもなく、言語は後天的なものだと思っていたのですが、本書を読んで、人間の本能レベルのところで言語を生み出す仕組みがあるという考え方にも一理あると感じました。心理学、言語学からコンピュータ科学にもちょっと触れていたりします。しかし、1990年代半ばの本のため、若干内容が古いかもしれません。言語学に絡んだ話としては、原著が英語であることから当然なのですが、英語文法を題材にしたものが多いです。ちょっとこれが読むのがつらかった。この本は読んでよかったと思える本です。この本を読んだ上で、「語りえぬものには沈黙しなければならない」という某哲学者のフレーズを、もう一度咀嚼したくなりました。※上下巻とも同じレビューです。

  • 人の思考は母国語によって枠付けられるという考え方を否定し、言語とは本能であると説いている。
    母国語が人の性格に影響するというのはこれまでに聞いたことがあって、英語を母国語とする人のほうがより論理的に思考しやすく、日本語を話す人は、周囲の環境などに目を向けやすいなどといった理論には納得させられていた(内容については、記憶があいまいなので、若干違うかも?)。だけど、この言語にはスーパールールがあり、どの言語に関わらず、人間は本能として言語を話す能力を持っているという説もとても説得力がある。
    言語というのは、体系であり、どの人間にも中身は備わっているものの、その整理法は言語によって様々であると整理できようか?
    ただ、話すという行為自体が本能的なものであったとしても、その整理方法によって思考の方向性が変わることもありうるのではないか?どちらで無ければならないの?という疑問がわいてくる。

    まだ、上巻しか読んでいないので、下巻を読んだら、もっと納得できるのかな?

    大枠はつかめたと思うのだけれど、真ん中あたりの、具体的な例については、さっぱり訳がわからなかった。というか、たぶん日本語で読むことに、無理があるのだろう。英語の文法の細かい内容に興味も持てず。ただ流してしまった感じだ。ほかの人のレビューを読むと、英語で読むほうがわかりやすいと。なるほどと思う。ただ、英語で読むほど言語学に興味があるわけでも無いので、とりあえず、下巻も読み流して、雑学の一部にできればと思う。

  • [ 内容 ]
    母語が思考を枠づける、とするサピア、ウォーフの言語決定論を実証的にしりぞけ、言語本能説の前提として、人は普遍的な心的言語で思考することをまず洞察する。
    さらに、文法のスーパールールが生得であること、その基本原理を幼児は母語に応用して言葉を獲得することを、最新の発達心理学等から確認する。
    チョムスキー理論をこえて、人がものを考え、言葉を習得し、話し、理解するとき、心の中で何が起きているかを解き明かす、アメリカで大きな反響をよんだベストセラー。

    [ 目次 ]
    1 技能を獲得する本能―言語本能
    2 おしゃべり―ヒトのあるところ、必ず複雑な文法あり
    3 思考の言葉―心的言語
    4 言語の仕組み―生得のスーパールール
    5 言葉、言葉、言葉
    6 サウンド・オブ・サイレンス
    7 トーキングヘッズ―文を理解する心的プログラム

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 【1995年(原書1994年)】
    「人の思考は母語によって枠づけられる」、というのがワシらの時代の常識であったが、近頃は、「脳内に普遍文法が生得的に存在する」という説が有力なんだとか。本書(上巻)を読んだ限りでは、まだ信じがたい。ただ本書の中で、人がクレオールを獲得していく話は興味深かった。

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著者プロフィール

スティーブン・ピンカー(Steven Pinker)
ハーバード大学心理学教授。スタンフォード大学とマサチューセッツ工科大学でも教鞭をとっている。認知科学者、実験心理学者として視覚認知、心理言語学、人間関係について研究している。進化心理学の第一人者。主著に『言語を生みだす本能』、『心の仕組み』、『人間の本性を考える』、『思考する言語』(以上NHKブックス)、『暴力の人類史』(青土社)、『人はどこまで合理的か』(草思社)などがある。その研究と教育の業績、ならびに著書により、数々の受賞歴がある。米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」、フォーリンポリシー誌の「知識人トップ100人」、ヒューマニスト・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた。米国科学アカデミー会員。

「2023年 『文庫 21世紀の啓蒙 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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