- Amazon.co.jp ・本 (148ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140815939
作品紹介・あらすじ
「空」とは何か?「色即是空」のほんとうの意味とは-。日本人にとって最もなじみの深いお経といえる『般若心経』。その実体は、「釈迦の仏教」とは異なり、自らが仏へと至る"神秘力"を得るための重要なファクターだった。最小限の言葉だからこそ、逆に無限大の宇宙がそこには存在する。わずか二百六十二文字に、般若経の神髄を表現したとされる"呪文経典"の全貌を知る。
感想・レビュー・書評
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わずか265文字で記された大乗仏教のお経。般若心経。
信心深くなくとも、聞いたことはあるほど日本人には馴染み深いお経です。
全文漢字なので、なかなかわかりにくいのですが
本書では各文節の意味を訳して、理解を促しながら
それ以上に各言葉の背景や歴史的意味に踏み込んでいるので
理解が深まります。
特に有意義だったのは、般若心経は大乗仏教の聖典であり、
釈迦の宗教である小乗仏教とは違うもので、厳しい修行よりも
衆世を救う事を一番に考えられたお経だという話。
本書を読むと正直、空の概念なんかも眉唾ものに思えてきますが、癒しのお経という視点から見ると。
今、死にたいくらい苦しい人に、すべてを捨てて修行に身をささげろというのは余りにも酷であり、そんな人たちでも一縷の望みや救いを見出せる神秘と考えると、そういう余白も必要だろうと思えてきました。
著者のバックボーンが自然科学者なので、そういった解説にも納得しやすいです。
良い本でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「般若心経というお経は、ブッダの教えではない」という事すら知らない状態で読みはじめた。
本書は、般若心経に書かれていることを順に説明しながら、その意味するところ、重要な「空」の概念、「仏陀の教え」に対する「大乗仏教」の成り立ちなど網羅的に書かれており非常に読み応えがあった。
「神秘」であったり、漠然としているからこそ多くの人に受け入れられ「救い」になるというのは、なるほどなと思った。 -
般若心経というものが釈迦の教えを否定したものから始まった。釈迦の説いた教えは大衆には厳しすぎるから、大衆に受け入れられやすいものにされたのが般若心経。大乗仏教を学んで理解を深めたい。
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般若心経は、ブッタの教えとは異なる解を説いてるお経ということが、歴史の背景などを踏まえて分かりやすく説明されてます。不安な気持ち、何から大事を成す時など、モノの原理では説明できないような「神秘的」なモノに頼りたいと思う我々の弱さをサポートしてくれる働きを、この経に触れることで感じる事ができる。「生きるための杖」と言う言葉がよかったです。 あまり気にする事も無かった仏教の事、そこで解かれてる考え方について色々勉強できました。
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No.27/2022
『般若心経』
✂︎✂︎✂︎
大乗仏教の代表として挙げられ
日本人に人気のある「般若心経」
とても興味深いことが多くありました
例えば
釈迦の教えを否定しているのが般若心経であり
大乗仏教全体がその流れであるのだそう
大雑把に言えば
釈迦の教え→すべてを説明できる
大乗仏教→説明などできない→神秘的に
キリスト教、イスラム教、ユダヤ教などは
「わからない曖昧さ」が前提にできた宗教だと
養老孟司さんは述べていました。(バカの壁)
これは私の考えでしかないのですが
前提に「わからない」があるため
大乗仏教も同じ成り立ちでできたもの
ではないかと思いました
正解はわからないですが
宗教に興味を持つきっかけになりました
✂︎✂︎✂︎
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3.4
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般若心経のことが、よくわかりました。ありがたい教えです!合掌
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「空」とは何か?「色即是空」のほんとうの意味とは―。日本人にとって最もなじみの深いお経といえる『般若心経』。その実体は、「釈迦の仏教」とは異なり、自らが仏へと至る“神秘力”を得るための重要なファクターだった。(e-honより)
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色即是空は聞いたことがあったが、仏教がこれほどまでに構造的に世界を整理していること、それを超えて空であることを般若心経は言っていること。因果律だけが考え方ではない、という意味で、思考の幅を広げてくれた。