わたしは「セロ弾きのゴーシュ」 中村哲が本当に伝えたかったこと
- NHK出版 (2021年10月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140818794
感想・レビュー・書評
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もう 20年も前に なるでしょうか
ケニアのストリート・チルドレンへの支援活動を
長年しておられる方に誘われて
ナイロビ近くの 孤児院に行ったことがある
その時に 日本人のスタッフの方もおられて
その方とお話をしていて
ー本当は 私たちのような
(ケニア人ではない)外国人が この現場に
必要とされなくなるのが
私たちの 一番の希望なのです
と おっしゃっておられたことが
強く印象に残っています
それから しばらくして
中村哲さんへの賛同をしておられる
日本人の方と出会った時に
その方も また
(中村哲さんが)同じようなことを
おっしゃっておられた
と お聞きしました
中村哲さんには むろんのこと
異国の各地で
そんなふうな 心の持ち様で
活躍しておられる方には
ほんとうに 頭が下がります -
善意があれば何でも良いわけではなく、「現地の人の需要に応え続ける」、「誰もやらないところを、自分たちがやる」ー この姿勢にはとても共感するし、その姿勢を貫き活動を続けられた中村さんを本当に尊敬する。
メディア報道は切り取られた現実であり、もし自分も問題解決がしたいなら、その現場に赴き、自分で情報を取ることが大事だと感じた。募金も、使用用途まで考慮しないと、必ずしも問題が解決に向かうわけではないということも勉強になった。 -
わたしはセロ弾きのゴーシュって、どういう意味だろう。そもそもセロ弾きのゴーシュって昔、教科書かなにかで読んだ気はするけど、どんな話だっけ?と思いながら読んだ。
まぁぜんぶが、セロ弾きのゴーシュがらみじゃないんだけどさ。具体的な活動を、会話の中で、わかりやすく読ませてくれた。
紛争地帯での活動は、よほどの使命感がなければできないと思う。どれほど立派な人か、と思うところだ。もちろん、立派な人だと思う。そのうえで、そこに至る道には外からの働きかけがあったということを、セロ弾きのゴーシュというのは、なかなか秀逸なたとえに思えた。とはいえ、呼ばれたからって、なかなか応えられないよね、そこはやっぱり中村哲氏のすごさだと思う。 -
2階集密 : 333.8/NAK : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410167448
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【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/ -
なぜセロ弾きのゴーシュか
Audibleでイエローバードという童話集にあるセロ弾きのゴーシュを子ども達とよく聞いていたけど、中村哲さんのようには感じてませんでした。ただ、困った人に応えていく。そこに崇高な理想とかはないけど、目の前の困っている人に応える、という行為が結果として大きな事業になる。
言葉では簡単だけど、めちゃくちゃ悩みながら進めいたのが、本書から伝わってきました。この話し言葉を読むと、こんな言い方が適切かわからないけど、めちゃくちゃ親近感が湧きました。
自分のミッションはある。でも、これだけやってたらダメ。そんな時に自分のミッションを超えたことがやれるか
木を切るのに斧を研ぐ勇気
このスケールが本当にデカくて、ものすごい人を巻き込みながら、医療を超えて、スリッパ作ったり、井戸掘ったり、水路を作ったり。すごい勇気だと思う。一人ならまだしも、こんなに多くの巻き込める勇気はやっぱりすごい。それでも謙虚に、俺がやっているというより、誰かにやらされている、という感覚を感じる。
本の中にあった、たくさんの人が水路工事してる写真を見て、鳥肌が立ちました。
医療ではなく、その本質を考えて、医療以外をやる
本質的な課題を見極めろ
それは人間との対話なのかもしれない -
中村哲さんの力強くも優しい言葉。それにセロ弾きのゴーシュの物語が途中に挿入される。編集してくれた方に感謝。
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中村医師の「ラジオ深夜便」1996〜2009年6回分の文章化
部分的な言葉だと誤解が生まれやすいけど、その深い考え方などが上手くインタビューされている。
是非とも音声で聴きたいけど、文字だと何回も噛み締めながら読み返せる良さがある。