わたしは「セロ弾きのゴーシュ」 中村哲が本当に伝えたかったこと

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  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140818794

感想・レビュー・書評

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  • アフガニスタンで殺されたペシャワール会の中村医師の
    講演録からの書籍化。

    病院設立以降の井戸掘り、灌漑の話がメイン。

    数多くのインタビューを活字化していているので本の中での内容の重複が多い。

    地に足がついた支援とは何かを教えてくれる。
    先日映画も見たがほとんど内容が一緒だった。

    本当に一本の太い背骨が通っていていたそれが
    多少撓んだりしても、つよい背骨だったんだなぁということが感じられた。

     人間として生き方のお手本だ。

  • もう 20年も前に なるでしょうか
    ケニアのストリート・チルドレンへの支援活動を
    長年しておられる方に誘われて
    ナイロビ近くの 孤児院に行ったことがある

    その時に 日本人のスタッフの方もおられて
    その方とお話をしていて
    ー本当は 私たちのような 
     (ケニア人ではない)外国人が この現場に
     必要とされなくなるのが
     私たちの 一番の希望なのです

    と おっしゃっておられたことが
    強く印象に残っています

    それから しばらくして
    中村哲さんへの賛同をしておられる
    日本人の方と出会った時に

    その方も また
    (中村哲さんが)同じようなことを
    おっしゃっておられた
    と お聞きしました

    中村哲さんには むろんのこと
    異国の各地で
    そんなふうな 心の持ち様で
    活躍しておられる方には
    ほんとうに 頭が下がります

  • 善意があれば何でも良いわけではなく、「現地の人の需要に応え続ける」、「誰もやらないところを、自分たちがやる」ー この姿勢にはとても共感するし、その姿勢を貫き活動を続けられた中村さんを本当に尊敬する。

    メディア報道は切り取られた現実であり、もし自分も問題解決がしたいなら、その現場に赴き、自分で情報を取ることが大事だと感じた。募金も、使用用途まで考慮しないと、必ずしも問題が解決に向かうわけではないということも勉強になった。

  • 新聞程度でしか中村先生のことを知らなかったが、この本を読んで、その偉大さが心に染みた。

    決して気負っていろのではなく、自然体で、本当に現地の人に寄り添っているからこそ、井戸を掘るし、用水路を作る医者であったんだな。

    あらゆる人にこの生き方を知ってほしい。

  •  わたしはセロ弾きのゴーシュって、どういう意味だろう。そもそもセロ弾きのゴーシュって昔、教科書かなにかで読んだ気はするけど、どんな話だっけ?と思いながら読んだ。

     まぁぜんぶが、セロ弾きのゴーシュがらみじゃないんだけどさ。具体的な活動を、会話の中で、わかりやすく読ませてくれた。

     紛争地帯での活動は、よほどの使命感がなければできないと思う。どれほど立派な人か、と思うところだ。もちろん、立派な人だと思う。そのうえで、そこに至る道には外からの働きかけがあったということを、セロ弾きのゴーシュというのは、なかなか秀逸なたとえに思えた。とはいえ、呼ばれたからって、なかなか応えられないよね、そこはやっぱり中村哲氏のすごさだと思う。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • なぜセロ弾きのゴーシュか

    Audibleでイエローバードという童話集にあるセロ弾きのゴーシュを子ども達とよく聞いていたけど、中村哲さんのようには感じてませんでした。ただ、困った人に応えていく。そこに崇高な理想とかはないけど、目の前の困っている人に応える、という行為が結果として大きな事業になる。

    言葉では簡単だけど、めちゃくちゃ悩みながら進めいたのが、本書から伝わってきました。この話し言葉を読むと、こんな言い方が適切かわからないけど、めちゃくちゃ親近感が湧きました。

    自分のミッションはある。でも、これだけやってたらダメ。そんな時に自分のミッションを超えたことがやれるか

    木を切るのに斧を研ぐ勇気

    このスケールが本当にデカくて、ものすごい人を巻き込みながら、医療を超えて、スリッパ作ったり、井戸掘ったり、水路を作ったり。すごい勇気だと思う。一人ならまだしも、こんなに多くの巻き込める勇気はやっぱりすごい。それでも謙虚に、俺がやっているというより、誰かにやらされている、という感覚を感じる。

    本の中にあった、たくさんの人が水路工事してる写真を見て、鳥肌が立ちました。

    医療ではなく、その本質を考えて、医療以外をやる
    本質的な課題を見極めろ
    それは人間との対話なのかもしれない

  • 中村哲さんの力強くも優しい言葉。それにセロ弾きのゴーシュの物語が途中に挿入される。編集してくれた方に感謝。

  • 中村医師の「ラジオ深夜便」1996〜2009年6回分の文章化

    部分的な言葉だと誤解が生まれやすいけど、その深い考え方などが上手くインタビューされている。

    是非とも音声で聴きたいけど、文字だと何回も噛み締めながら読み返せる良さがある。

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著者プロフィール

1946年(昭和21年)福岡県生まれ。医師。PMS(平和医療団・日本)総院長/ペシャワール会現地代表。
九州大学医学部卒業。日本国内の病院勤務を経て、84年にパキスタンのペシャワールに赴任。以来、ハンセン病を中心とした貧困層の診療に携わる。87年よりアフガニスタン難民のための医療チームを結成し、山岳無医地区での診療を開始。91年よりアフガニスタン東部山岳地帯に三つの診療所を開設し、98年にはペシャワールにPMS基地病院を設立。2000年からは診療活動と同時に、大干ばつに見舞われたアフガニスタン国内の水源確保のために井戸掘削とカレーズ(地下水路)の復旧を行う。03年、「緑の大地計画」に着手、ナンガラハル州に全長27キロメートルに及ぶ灌漑用水路を建設。その後も砂嵐や洪水と闘いながら沙漠化した農地を復旧した。マグサイサイ賞「平和と国際理解部門」、福岡アジア文化賞大賞など受賞多数。19年10月にはアフガニスタン政府から名誉市民証を授与される。
2019年12月4日、アフガニスタンのジャララバードで凶弾に倒れる。
著書:『ペシャワールにて』『ダラエ・ヌールへの道』『医者 井戸を掘る』『医は国境を越えて』『医者、用水路を拓く』(以上、石風社)、『天、共に在り』『わたしは「セロ弾きのゴーシュ」』(以上、NHK出版)、『アフガン・緑の大地計画』(PMS&ペシャワール会)、『希望の一滴』(西日本新聞社)など。

「2023年 『中村哲 思索と行動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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