釣られない魚が大物になる: 手術職人の生き方論 (生活人新書 181)

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  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140881811

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  • 社会とはプロの集団である。
    釣られない人は、肩書にこだわらない。生涯一平卒であることに生きがいを感じている。
    仕事とは執着するもの。

  • チェック項目10箇所。私が「倫理が大切だ」と言うは、なにも医者に限ったことではないのです、どんな職業にも、職業上守るべき倫理がある、医者にもある医者である私は、その医者の守るべき倫理を守ろうと考えているだけです。どうして嘘をつくのか、これは簡単です、自分が悪いことをしたと思っているからです自分のしたことが悪いことだと自覚しているから、それを隠す、嘘をつく、逆に言うと、嘘をつくことで自分の失態を激しくクローズアップさせ、露呈させてしまうのです。「嘘をつかない」こともひとつの倫理だと言えますが、それ以上に大切なことは、もし嘘をついたらその後どうなるかを考えることです、自分もおしまいになるけれども、自分が属する業界全体がダメージを受ける。医者に限らず、職業を持っている人は、皆それぞれの分野での専門家です、その専門家が集まって、この社会は成立している、それが分からずに、自分だけ「特別だ」と考えている人間は、クズです。考えてみると人を助けるというのは、自分が優位な立場にあるから言えることです、自分が安全で、健康で、裕福な立場にあるから、そうでない人に対して施すことができるのです。退くことのできない人は、弱いのです、回りくどい言い方になりますが、自分の弱さを認識するだけの強さを持てない人、自分を映す鏡を持たない  人だと思います。病気に罹ってしまった人は、何とかその理由を見つけようとします、自分は不摂生をしていたのだろうかと考えている、病気にならなかった人と自分の違いは何だろう、とその隔たりを見つけようとします、しかし、私は多くの患者さんを見ていて思うのですが、病気になるかならないかは、運命でしかありません、まったく説明のつかない理不尽な、不条理なものです。異性の協力を得られない、それどころか嫌われてしまったら、どんなことでも仕事にならないだろうと思います。たいていの映画が二時間ちょっとになっています、この二時間という時間に、意味があります、二時間集中できるのはとても大事なことで、世の中、なにか仕事をしようと思ったら二時間は集中できないといけない。政治家も役人も、ある意味職場で額に汗して働く人ではありません、まったくこの世から絶滅しても、 別段誰も困らない、そんな人はみな虚像家と言えるのではないでしょうか。

  • [ 内容 ]
    人や組織、時代の風潮に釣られることなく、自分の信念を貫く者こそ人として大きくなることができる。
    あなたのその判断・決断は、「組織の論理」や「価値観」に染まってはいないか。
    真実を見失い、「偽造」「捏造」「疑惑」に揺れる社会の中で、プロの仕事人として、誇りを持って生きているか。
    「手術職人」としてギリギリの決断と選択を繰り返す一人の心臓外科医が問う。

    [ 目次 ]
    第1章 釣られない人の条件
    第2章 社会と個人
    第3章 戦略と判断
    第4章 プロモーションと価値
    第5章 プロ職人の点描
    第6章 評価と感受性

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 会社で学んだ知識をもとに、資格をとるというように他人が経歴からでは分からない事も、成果を出すほどに学んだんだという他人が見たときに否定できない形で残すことが大事になる。


    プロフェッショナルとは、仕事の怖さを知っている、過去の失敗を忘れない、プロは現場で働く職人である、特権意識を持たない、師匠とライバルを持つ。

    失敗を恐れる気持ちがあるからこそ、成長を続けられる。

  • 著者は、心臓外科医。日常的に、「手術職人」としてギリギリの決断と選択を繰り返す。他人、組織、時代の風潮に釣られることなく、自分の信念を貫く者こそ人として大きくなることができると主張。実践していることを生々しく記している。

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著者プロフィール

1958年、奈良県生まれ。83年、奈良県立医科大学医学部卒業。
国立循環器病センター、セント・ビンセント病院(オーストラリア)、
シンガポール国立大学病院、新東京病院、大和成和病院などをへて、
2015年から昭和大学横浜北部病院循環器センター心臓血管外科教授。

「2019年 『病院で起こった不思議な出来事』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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