- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140883235
感想・レビュー・書評
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なかなか力作。
かりに私が講師時代にこの本を読んでいたとしても授業に活かせたかは分からない。
【書誌情報】
著者:中島克治(国語教師)
発売日 2010年07月10日
定価:814円(本体740円)
判型 新書判
ページ数 248
商品コード 0088323
Cコード C0281(日本語)
ISBN 978-4-14-088323-5
レーベル:生活人新書 323
〈https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000883232010.html〉
【目次】
はじめに [003-006]
目次 [007-014]
序 章 今だからこそ、"現代文" 015
第1章 中島流「読解ノート」のつけ方
第2章 近代小説を読解する--『こころ』(夏目漱石)
第3章 現代小説を読解する--『ノルウェイの森』(村上春樹)
第4章 読解のコツと楽しみ
第5章 評論文を読解する--『ことばと国家』(田中克彦)
第6章 読解練習問題を解いてみる
終 章 より深い「読み」へ--豊かな「交わり」に向けて詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高校現代文までしか修学していないから、何をか言うものぞって怒られるかもしらんけど、少なくともその段階まででは、現代文で困ったことがなかったから、本書をそんなに有難く読めるわけもなく。何となく流して終わり、みたいな。吉田修一はもういいかなと思ってたんだけど、”悪人”は読んでみても良いかな、って思えたくらい。
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何のために本を読むのか。本書では自己研鑽が目的のように思える。
個人的な印象(思い込み)ではあるが、例えば、荒俣宏の場合は、あくまでも知的欲求を追及するため(「喰らう読書術 一番おもしろい本の読み方」)。立花隆なら、仕事=他者啓発のため(「僕はこんな本を読んできた」等)。佐藤優では、勉強=自己啓発のためか。その方法は、本書で述べられた抜粋・要約・論述という読書ノートの作り方に類似していたように記憶している(「読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門」等)。
では、自分にとって読書とは・・・。根本にあるのは(荒俣先生とは比べものにならないけれど)知的欲求だろう。しかし、それは趣味・娯楽のレベルであり、あくまでも個人的な楽しみ、結果的には暇つぶしにしかならないのかも。
本を読んでいると、あれ、これはどこかで読んだ気がするなと思うことがある。本書のような読書をしていれば、それは身についている知識として認識できるのだろう。
だが、自分の場合、そういった記憶・引っかかりは、それをインデックス(手がかり)として、読書録からそれがどこの本に書いてあったかを探し出し(思い出し)ている。
成毛真は”「本棚を自分の記憶の外部装置」として機能させ”ているという(「本棚にもルールがある ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか」)。それにならえば、自分は読書録をインデックスとして、”「自分の記憶の外部装置」”の図書館の本棚につながることができる。
先に挙げた知の巨人たちと違って、自分には読んだことすべてを覚えることは難しい。しかし、その手がかりだけでも記憶できていれば、読書録を通じてそれにアクセスできる。それでいいと思っている。 -
もう少しノートのつけ方を詳しく説明してほしかった。たとえば添削例を載せるなどして。現代文となっていいるが、小説中心。評論に関しては、本書の方法を自分なりに工夫する必要がある。
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自分では本好きだと思っていたのだが、最近は「読んだ!」よりも「見終わった。」という感覚が強かった。勿論、人によって本の読み方も違うが、ある意味「模範的な読解」を知る上で、本書は一読の価値あり。個人的には、節々に出てくる中島先生の情熱に感動した。情報革命と言われる現代だからこそ、情報をどう読み解くのかが重要だと思う。21世紀はITを始めとするテクノロジーと人間の戦いだと思う。
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手っ取り早くいえば本を読みながらノートをつけなさいという内容。
そうすれば読解力がつくとのこと。
読書自体について考えさせられるし、読書したくなってくる。
文章も丁寧で分かりやすくさすがは国語教師といったところ。
本を読むという行為の先にあるものを得るために読んでおくといいかも。普段、まったく本を読まない人には特におススメ。 -
【書店ぶらぶら】
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麻布の先生が教える読解ノートの付け方。抜粋・コメント→要約→論述という流れは、なるほどという感じで、ノートつけて読んでみようかなと思った。文学作品を教える際の背景知識とか、生徒を導いていくやり方についても考えさせられた。最近、教員としてどういう方向で専門性を高めていったらいいのかなぁなんて思ったりするもんで。