- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140883242
感想・レビュー・書評
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それぞれの子どもを例にあげて対談されているので大変読みやすい。
ニュータウンなど新住民の多い同質性の高い空間での問題、学力低下問題の考証など、すでに書かれていることでもあるが、更に分かりやすく、面白く読めた。
子育て政策に対する非子育て独身世帯のある種の不満に対する答えに納得。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
子どもができるとホントにいろいろ見えるものが変わるんですねぇ。
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この二人が「父親」として語るとは。
関係ないけど、子一人親と子二人親の違いが、実感として読み取れておもしろい。 -
東浩紀と宮台真司の対談本。
父親の視点から家族・教育・社会等、
様々な意見を交わし合っている。
特に最近よく思う、
フラット化した社会における、
ダイバーシティ(多様性)の問題が指摘されていたのが興味深かった。
やっぱり、
「豊かさ」って「多様さ」だよな。
業田良家の
「人類の代表」という短編漫画に、
「渾沌とは豊饒のことである」
というようなことが描いてあるのだけれど、
コミュニティの中に金持ちもいれば貧乏人もい、
ヤクザもいれば坊主もいる、
みたいな「無秩序」で「渾沌」とした環境が、
豊かさの証左なのだと思う。
こういった豊かな環境が作れる器は、
日本では「学校」である。
そして、
学校にいるのは子供だ。
つまり、
子供を中心としたネットワークの形成が、
豊饒な地域社会を作っていくためには大切なのだろう。
あとは、
子育てや教育のベクトルが、
子供自身や親に向き過ぎているのも気になる点。
というのも、
俯瞰して考えれば、
「社会の成員を作る」というのが、
子育てや教育の本意だと思うのだけれど、
それが今は近視眼的な自己利益の達成に、
多くのリソースが使われているように見える。
こういった個人主義が行き過ぎると、
いずれ社会が持たなくなるのは目に見えている。
だからこそ、
この本にも書かれている、
「社会のための子育て」という視点は、
よりよい社会環境を作る上でも欠かせない要素だと思う。
などなど、
最後らへんの、
宮台真司の選民思想的な発言は少々鼻につくが、
全体としてはとても面白く読んだ。 -
宮台が父親然としていて、よいリア充。
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最初はいいが、途中からよくわからなくなってくる。
頭が良い人が頭が良い人と、どうでもいいことを話しているだけにしか聞こえない。
この対談の中で紹介されている、実際に行動を起こしている人をよく調べたほうが役に立ちそうです。
以上 -
東浩紀と宮台真司の対談本。
小さな子どもを持つ父親、という視点から、子どもを通じて現代社会を考察する。
育児本ではない。
二人の言ってることはどれももっともなことだと思う。
でも対談本だから「言論人の本音」に近いところがあからさまに出ていて、
それは少しいやだ。
言論人は基本的に選民思想というか、自分たちが「デキル人間」だと強く思っている。(実際彼らはデキル人間だし、それを否定するつもりはない)
そして、意識的なのか無意識的なのかは知らないけれど、そういう「デキル人間」ではない人たちのことをあからさまに見下した発言をすることがある。
宮台の「幸せになれない人間」とか。
「基本的なソーシャルスキルがない子どもたちをどうすればよいのか?
→宮台「「分断」です。いま申し上げたことがわかっている人間同士で相互扶助のネットワークを
つくってリソースをシェアしていくしかないということです。」p215-216一部
言いたいことはわかるし、その上流階級でまず実績を積み上げたあと、外部へ~という
彼の論も分からなくはないけれど、なんだか嫌悪感。
できない側の人間のただのコンプレックスかもしれない。
それはおいといて。
・子どもができて驚いたのは、新住民が本当に子どもがきっかけで旧住民ネットワークに入れることです p40
・子どもにとっては根無し草という概念はありえません p42
・託児室をめぐる悪循環 p91
・ノイズ耐性のない親子 p118
・学区的共同体の再構築 p168
あたりが目についた。
さらっと読む本。