- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140884546
作品紹介・あらすじ
座っておとなしく聴くクラシックやモダンジャズに対して、ダンサブルな流行音楽を大衆音楽と定義すれば、昭和の音楽史に「リズム」という新たな視点が浮かび上がってくる。戦前戦後のジャズに始まり、昭和三〇年代のマンボにドドンパ、ツイスト、はてはピンク・レディーからユーロビートまで。「踊る」大衆音楽の系譜を鮮やかに描いた意欲作。
感想・レビュー・書評
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昭和歌謡を学術的に解き明かしたマジメな本。
音楽を踊れない、踊れる、に分けて芸術音楽と大衆音楽に分ける考え方は面白い。
いささか強引かな、とも思うけど。
戦前の西洋音楽の輸入からサンバ、ボサノヴァ、果ては日本独自のドドンパ、世界を席巻したツイスト、そしてアイドル歌謡、現在はユーロビートまで、日本で流行した「歌謡」を考察する。
大変面白い読み物でした。
今はYouTubeが有るからホントに便利。気になった音楽は、その場で確認出来る。
「ブルースブラザーズ」は凄く面白そう。
アイジョージの、ドドンパは私が作った、との後追い説明も時代を感じて興味深い。今なら通用しない言い訳ばかり。
全編通じて飽きさせない語り口でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
昭和30年代にブレイクしたマンボ、ドドンパ、ニューリズムのムーブメントに関するラフな概説。1990年代にVictorのコンピレーション盤「黄金のニューリズム」を愛聴していた身としては即買の一冊であった。橋幸夫「あの娘と僕」の歌詞に登場する「ピチ娘」の意味が分かるなど、体系的な記述には到らない部分が多いまでも、魅力的なエピソード記述が豊富であり、当時の歌謡曲風景を垣間見ることができる。昭和30年代の歌謡映画を観る時にも役に立ちそうだ。
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/691708 -
上半期ベスト候補。
今後、この本を出発点に色々研究&議論が進みそう。 -
曲名が膨大に出てくるので音を聞きながら読みたいと思った。NHKの「ニッポン戦後サブカルチャー史Ⅱ」で筆者が講師出演したときに音とともに解説が聞けて満足。
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他とは違う視点からの日本の大衆音楽の分析で面白い。流行ったリズムとしてマンボやドドンパが出てきて、それらを美空ひばりが『お祭りマンボ』や『ひばりのドドンパ』でしっかり押さえてきているところがさすが。
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こういう研究を待ち望んでいた。
『お座敷小唄』のリズムは脳裏にしっかりと焼き付いている。そのドドンパの成立にアイ・ジョージが関わっていたのは知らなかった。 -
戦後〜80年代後半・90年代にかけての、「踊る」ことをテーマにした音楽の受容の歴史について。話題になってる音楽を聴きながら読みたい。
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新しい視点からの研究だから仕方ないとはいえ、ちょっと個別研究が物足りないか。前著の方が良かった。