マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する (NHK出版新書 569)

  • NHK出版
3.50
  • (12)
  • (42)
  • (42)
  • (10)
  • (1)
本棚登録 : 652
感想 : 49
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140885697

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み

  • 難しい言葉は使われていないが、
    つぶやきの羅列に近く、分りづらかった。

  • 先に読んだ”世界の針が巻き戻るとき”も全部理解できたわけではないがより難解に感じるところが多く、すんなり理解できないところは根気が持たず結構読み飛ばしてしまった。
    そのような中で、石黒先生との対談部分がこの本のハイライトであったと思う。終盤の核心部分こそ理解出来なかったが、日本人の独自性やドイツ人の哲学や物事の捉え方などはとても勉強になった。
    今この時代が他の時代よりもさらに倫理の役割が重要だと感じる。

  • 二章の哲学の歴史がいいですね。わかりやすい。ポスト構造主義になり、現在を捉えられなくなり、自由になる代わりに新自由主義により社会システムや欲望を支配される現代。トランプはポストモダンの天才であり、ポストモダンの次の段階にある。それはコンピューターのシミュレーションとしてあるもの。何を言ってもいい、非現実感のデジタルの波に乗るもの。おかしな世界になったと思っていたが、こう言われると現在がわかる。
    本書にはマルクスガブリエル自身の哲学の要項はあまりない。だが、現代に至る歴史と、現代の致命的問題まで独自視点で伝えてくれる。
    この闘争をニヒリズムで潰してしまったポストモダンの限界に、代替案として新実在論が世の中心となれるのか。
    新実在主義を次は読んでみましょう。

  • 2020.2.26NHKEテレ

  • f.2019/2/23

  • 戦後の実存主義から構造主義、ポスト構造主義と進み大量消費社会に生きる我々に対して新たな考え方を提唱するマックスガブリエルの新実在論。

    東京の喧騒を見て高度に完成したシステムだと言いつつも、一方で、1分の遅れすら許されない時間的経済システムに従属している人々の抑圧された現状を指摘していた。

    新実在論は存在が先にあるのではなく、意味が与えられて初めて存在すると言う考え方だそう。
    まだ府に落ちるほど理解はできていないので、この視座でしばらく現実を観察してみたい。

  • 哲学は難しい。平易な言葉で語られたら理解が進むのかと思いきや、特に第1章の「つぶやき」はよくわからなかった。他方、第3章の石黒教授との対談は、自分なりに咀嚼しながら読むことが出来た。石黒教授が常に会話を整理し、ご自身との考えとの比較を提示しながら進めてくれたからではと思った。
    実は、これがNHKの番組内容を新書化したものだとは読んだ後に知り、それでこんな口語体で載せちゃったわけね…と理解はした。番組を見た人には改めてこの本を読むことで、TVを見た時に抱いた感想や疑問点を整理するのに役立つのかもしれないが、そうでない人にはさっぱりな本になってしまってると思う。
    TVで反響があって本にするときは、TVを見てなかった人にもきちんと伝わるようにという、最低限の仕事をしてほしい。そのまま活字にしちゃいました感が否めなかった。

  • 個人的には、ネットとSNSの発信の仕方に関して、非常に参考になりました。
    数十年以上前に、手紙で行ったこと以上のことを、ネットやSNSでやる必要はないといった感じです。
    業務連絡や告知にとどめることが大切なのかなと思います。

    著者には、これに行き付くまでに、深い深い内省があると思うのですが、
    そのような深い思考も、できない自身にとってみれば、著者に思考にただただ、
    「やっぱりそうか!」と思って、参考にしています。1

  • NHKの番組が面白かったので、この本もすんなり読めた。国民性の違いの話は面白い。

  • 若き天才としてその名を知られる哲学者による(きわめて雑にいうと)日本探訪記。

    特に日本で注目されている哲学者だそうですが、購入の動機は、ひとえにロボット工学者の石黒浩との対談が載っているからです。新実存主義という哲学を掲げる前者にとって人間とは、動物であろうとしない動物。人間とロボットの境界線を限りなくなくしていこうとする後者にとっては、ロボットになることで生存ゲームに勝とうとしているのが人間の使命。お互いの議論は平行線をたどりますが、哲学者と工学者という異色(?)の顔合わせは、とても興味深いです。

    しかし、上記の対談が載っている第三章と、丸山俊一による序章「哲学が生きるためのツールになる時」を除く個所については、よく理解していないこともあり、過大評価を避けておきます。

全49件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

丸山 俊一(マルヤマ シュンイチ)
NHKエンタープライズ エグゼクティブ・プロデューサー
1962年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、NHK入局。「欲望の資本主義」「欲望の時代の哲学」などの「欲望」シリーズをはじめ「世界サブカルチャー史 欲望の系譜」「人間ってナンだ?超AI入門」「ネコメンタリー 猫も、杓子も。」「地球タクシー」他、異色の教養番組を企画・制作。
著書『14歳からの資本主義』『14歳からの個人主義』『結論は出さなくていい』他。制作班などとの共著に『欲望の資本主義』『欲望の資本主義2~5』『岩井克人「欲望の貨幣論」を語る』『欲望の民主主義』『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する』『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学するⅡ』『マルクス・ガブリエル 危機の時代を語る』『マルクス・ガブリエル 新時代に生きる「道徳哲学」』『AI以後』『世界サブカルチャー史 欲望の系譜 アメリカ70~90s「超大国」の憂鬱』他。東京藝術大学客員教授を兼務。

「2022年 『脱成長と欲望の資本主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

丸山俊一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×