日本とフランス 「官僚国家」の戦後史 (NHKブックス No.1245)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140912454

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  • 戦後フランスと日本の政治史をパラレルに紐解いていく。ネオリベによる一定の経済成長からポピュリズムの台頭までを描く。「官僚制」をテーマに新鮮な考察があるわけでもなく、さっくり俯瞰した戦後史といった感が拭えない。安定的な政治基盤のために何が必要なのか、もう少しヒントが欲しかった。

  • ヴィシー政権はユダヤ人の収容所送りに積極的に協力した。そもそもドイツ占領前からフランスには反ユダヤっ主義の伝統があった。そのため、ドイツに命令されるまでもなくユダヤの迫害は始まった。1970年代になるとフランス人は占領期についてむさぼるように調査を始めた。特にユダヤ問題について。いわゆる68年世代による過去と向き合う姿勢による歴史の見直しの結果。1993年になってようやく、フランス政府は国家によるユダヤ人迫害を認め、ユダヤ人迫害の日を制定した。

    フランスでも高級官僚から大企業への天下りも多く、天下りというよりも人事交流う。元来は社会主義的な体制の実現の第一歩と関g萎えられていた国有化政策が、実は近代的な資本主義の発達に貢献。

  • 日本とフランスという、一見すると共通項を見いだせない両国であるが、強固な官僚制と、激しいイデオロギー対立、先進国随一の高度成長を実現したという点で両国は共通項がある。

    本書では、両国の共通項及び差異を、政治情勢・政策・社会経済状況を踏まえて大まかな分析をおこなっている。

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著者プロフィール

東北大学名誉教授、京都大学名誉教授。『現代日本の政治権力経済権力』(三一書房、1979年。増補新版1996年)、『アデナウアーと吉田茂』(中央公論社、1986年)、『自由主義的改革の時代──1980年代前期の日本政治』(中央公論社、1994年)、『戦後政治と政治学』(東京大学出版会、1994年)、『日本型ポピュリズム──政治への期待と幻滅』(中公新書、2003年)、『新左翼の遺産──ニューレフトからポストモダンへ』(東京大学出版会、2007年)など著書多数。

「2021年 『日本政治研究事始め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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