日本とフランス 「官僚国家」の戦後史 (NHKブックス No.1245)
- NHK出版 (2017年3月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140912454
感想・レビュー・書評
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戦後フランスと日本の政治史をパラレルに紐解いていく。ネオリベによる一定の経済成長からポピュリズムの台頭までを描く。「官僚制」をテーマに新鮮な考察があるわけでもなく、さっくり俯瞰した戦後史といった感が拭えない。安定的な政治基盤のために何が必要なのか、もう少しヒントが欲しかった。
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ヴィシー政権はユダヤ人の収容所送りに積極的に協力した。そもそもドイツ占領前からフランスには反ユダヤっ主義の伝統があった。そのため、ドイツに命令されるまでもなくユダヤの迫害は始まった。1970年代になるとフランス人は占領期についてむさぼるように調査を始めた。特にユダヤ問題について。いわゆる68年世代による過去と向き合う姿勢による歴史の見直しの結果。1993年になってようやく、フランス政府は国家によるユダヤ人迫害を認め、ユダヤ人迫害の日を制定した。
フランスでも高級官僚から大企業への天下りも多く、天下りというよりも人事交流う。元来は社会主義的な体制の実現の第一歩と関g萎えられていた国有化政策が、実は近代的な資本主義の発達に貢献。 -
日本とフランスという、一見すると共通項を見いだせない両国であるが、強固な官僚制と、激しいイデオロギー対立、先進国随一の高度成長を実現したという点で両国は共通項がある。
本書では、両国の共通項及び差異を、政治情勢・政策・社会経済状況を踏まえて大まかな分析をおこなっている。