『論語』 2011年5月 孔子は「白熱教室」の先生だ! (100分 de 名著)

制作 : 佐久 協 
  • NHK出版
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  • / ISBN・EAN: 9784142230020

感想・レビュー・書評

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  • (2013.06.02読了)(2013.05.18購入)
    孔子の「論語」は、読んだことがあるようで、実は、高校の教科書で読んだぐらいなのでしょうか?読んだ本のリストで、検索してみたけど、積読の方にはあっても、既読の方にはありませんでした。
    儒教は、江戸時代には、徳川幕府にとっては、都合のいい教えだったようで、もてはやされたようですが、福沢諭吉は、新しい世の中をつくるには、不都合ということで、批判の対象にしています。
    この本の著者である、佐久さんは、孔子の『論語』と儒教は別のものだといっています。『論語』オリジナルに、いろんな余計なものが、ついてしまったのが、儒教なので、『論語』オリジナルに触れて欲しいといっています。
    文中に紹介している書き下し文と、訳文は、実にわかりやすいのですが、佐久さんの現代流解釈が、随分入っているようです。現代流解釈が、気に入った場合は、佐久さんの他の本を読むのがよさそうです。たぶん、ほかの人の『論語』を読むと、別の印象を受けてしまいそうな感じです。積読の『論語』は、佐久さんのものではないので、とりあえず、そちらを読んでみるしかないでしょうが。

    【目次】
    【はじめに】総合的〝人間学〟の書
    第1回 人生で一番大切なこと
    第2回 自分のあたまで考えよう
    第3回 人の心をつかむリーダー論
    第4回 信念を持ち、逆境を乗り切ろう

    ●恕(23頁)
    孔子が推奨する一語は「恕」でした。
    一語で訳すと〝思いやり〟です。
    ●学習で差が(34頁)
    「性、相い近し。習えば、相い遠し」
    (人間は生まれつきでは大差ないが、その後の学習によって差がつくんだ。だから、教育は大切なんだよ)
    ●『学問のすゝめ』(37頁)
    福沢諭吉が学問をすすめたのは、明治新国家の中で〝独立自尊〟の人間を作るのが目的でした。
    国家というのは、結局〝個人〟が基本であり、個人の一人ひとりがしっかりすれば、家庭がよくなり、世の中がよくなり、国全体がよくなる、という考え方。彼はそれを「一身独立して一国独立す」と表現しています
    ●学んで思わざれば(39頁)
    「学んで思わざれば則ち罔し。思うて学ばざれば則ち殆うし」
    (知識をいくら詰め込んでも、自分で考える力がないとだめだな。逆に、自分の頭だけで考えていればいいかというと、そうでもない。外からの知識も取り入れないと、独断に陥ってしまうからね)
    ●仁に親しみ(48頁)
    「汎く衆を愛して仁に親しみ、行いて余力あれば、則ち以て文を学ぶ」
    (まずは心を豊かにし、まわりの人たちを愛せるようになることだ。学問はその後からで十分だよ)
    (2013年6月3日・記)
    内容紹介 amazon
    孔子は古代版“白熱教室”の先生だ!
    人生の教科書として、二千年の長きにわたって日本でも読み継がれてきた『論語』。だが最近では、人物評がジャマ、注がカッタルイなどの理由から、一冊通して読む人は少ない。孔子の教えを「学ぶ情熱」「人間的成長」「人身掌握」「不屈の人生観」の4つのテーマに整理し、その奥深い世界を明瞭に説いていく。

  • 人間学で常連の「論語」。初めて解説を読みましたが、かなり親しみを持ちました。ポイントは「自己中心/自己愛」と「中庸(バランス)」。まず、自分自身が充実しており、豊かな人生を歩んでいる結果、周りの人にもやさしくなれる・・・さらに自己実現には何事もバランスが重要。確かにその通りという気がします。これからの人生で気にしておきたいところです。

  • 新宿紀伊国屋

  • 孔子や論語は言葉としては知っていたけど,中身は知らなかったので一読。孔子は地に足がついているがゆえに,いろいろな側面があることがわかった。それは単純な理想論が振りかざされるわけではないから,だからこそむしろ信じられるのではないだろうか。
    特になるほどと思ったのは「心が安定すれば、物事の判断も間違えずにすむ」「人間が乗りきれないような試練はない」。辛い時にこそ思い出したい。

  • 論語の入門…
    というより、論語を始めて読もうと思った時に目に付いた本。

    僕のように論語初心者は、まずここから!ですね(笑)

  • 論語の解説本。引用が多く、訳が非常にわかりやすいのが特徴。論語を読む前に読んでおきたい一冊です。

  • さっと読めて、訳も親切でためになった。孔子の人生について知る事ができたので、論語の見方が変わった。孔子が苦労人だったとは!

  • 日暮れて道遠しを実感させられる「論語」《赤松正雄の読書録ブログ》

     「吾十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順がう。七十にして心の欲する所に従って、矩を踰えず」―有名な『論語』の一節だ。世に「論語読みの論語知らず」とは言えども、「論語読まずの論語知らず」ではいささか恥ずかしい。しかもゴールまであと五年というのに。

     そんな思いをなんとなく抱いていたら、地元姫路で有志の人たちが集まって論語を勉強している会があると聞き、二、三度覘いてみた。年配の男性が多いが、女性も少なくなく、みな熱心に「子曰わく」と声を合わせてあげているのはすがすがしい。渋沢栄一『論語と算盤』や内村鑑三『代表的日本人』などを副読本にして一回三時間、毎月重ね既に百回近くになっているというのは凄い。ある企業のご好意で場所をお借りし、旧知の元高等学校の校長先生が名講義を続けておられる。

     そんなことから手ほどきを受けてはいるものの、やはり難しい。勢いもっと優しいものはないか、と書店を覗いていたら谷沢永一著古谷三敏画の『知識ゼロからの論語入門』と佐久協『論語 孔子は「白熱教室」の先生だ!』が目に入り、一気に併せ読んだ。後者はNHKのテレビテキストなのだが。今まで、結局は道徳を説いているのだと、決めつけていた。宗教や思想・哲学よりも低い位置づけをしがちであった傾向が正直言ってあり、疎んじてきたことを痛烈に反省させられた。

     まして日本社会の基底部にしっかりと息づいている論語を知らずして天下国家を論じる資格はないな、とさえ思うほどだ。もっとも「朝に道を聞かば、夕べに死すとも可なり」との解釈をはじめ異説との出会いも少なくない。ここでいう道は、人生の本質的な意味あいという風に私はとらえていたのに、「正しい政治」と解釈するなど戸惑うところも多い。まさに日暮れて道遠しを実感する日々だ。

  • 2500年前から人間社会の悩みはかわらないんだなぁ。Eテレの予習です。

  • 著者の佐久協さんは、僕が高校3年のときの担任の教師だった。本書は、その彼が講師を務めるNHKのTV番組に沿ったテキスト。カジュアルな入門書だけれど、注意深く単眼視的な物言いを避けていて、しっかりとした多面的で立体的な仕上がりになっている。こういう人たちの眼差しを受けてきたなかで今の僕があるのだよな、と今更ながらに思う。当時は、授業なんて聞いてなかったけれどね。

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