アドラー『人生の意味の心理学』 2016年2月 (100分 de 名著)

制作 : 岸見 一郎 
  • NHK出版
4.13
  • (42)
  • (31)
  • (27)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 443
感想 : 44
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (116ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784142230594

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ▼「100分de名著 人生の意味の心理学 アドラー」岸見一郎。2016年のテレビ番組に基づくもので、NHK出版。
     オーストリア生まれの心理学者・医師のアルフレッド・アドラー(1870-1937)が1932年に出した「人生の意味の心理学」という本について(そしてアドラーさんの考え方全般について)日本の大学などで教える哲学者である岸見さんという方が語ったテレビ番組を書籍化したもの。
    この100分de名著シリーズ、僕は大好きです。

    ▼多分21世紀に入ってから日本でも「嫌われる勇気」とかでアドラーさんが人気?がじわっとある前提で作られた企画かと思います。アドラーさんの考え方をちゃんと知るのは初めてでした。それなりに面白かったです。

    ▼詳しくはググれば出てくるんでここで包括的に論じることはしませんが。
    まあ、
    「人生考え方次第やで」

    「なんか目標達成して社会成功せんとあかんとか、思い込まんほうが幸せやで」

    「なんかほら、イチローが成功したのはパパがこうこう育てたからや、みたいな因果関係ってのは大抵後付けやねんで。そんなの色んな偶然とか運とかあんねんから、そういう報道しやすい因果関係を信じるのは阿保らしいんちゃいますか」

    「結局社会成功の価値、そういう人生の意味付けにしばられとったら、ああ俺はなんて不幸なんやみたいなルサンチマン抱えるやんか。俺はなんてダメなんだって無駄に自己否定したりとか」

    「そういうこっちゃなくて、自分が与えられたもの数えるじゃなくて、自分が持ってるもんをどう使うかってことでええんちゃうか。競争してもなあ、どこまでいってもおっきなシアワセ感ってのは無いんちゃうか」

    「だから、あんまり子供とか怒ったらあかんでー。怒って良くなることあんまあらへんで」

    「だからまあ、あんまり周りに合わせすぎなくてええねん。あんたはあんたしかおらへんから、あんたなりに一生懸命、自分なりの人生の意味ってのを求めるだけでええねんよ」

    「人間関係はしんどいんやけど、人間関係からしかおっきな幸福感って得られへんやんか。だから人間関係に入っていく、言うたら自分が傷つくかもしれへんねんけど、それを恐れすぎない勇気が大切や思うで」

    「やっぱり孤独はさみしいねん。ほんでもってほっとくと孤独になりかねんしな。なんかの共同体に自分なりに居場所あるなー、みたいな、何かのローカルな人間関係に承認されてる感、みたいなことがないと落ち着かんし疲れるし狂ってまうで。そういうの、自分にとってもひとにとっても大事にしたらんとなあ」

    みたいなことかと思いました。微妙に個人的な曲解や拡大解釈が含まれると思いますが(笑)。

    ▼で、それはそれで「そらそうやなあ」という感じ。
    まあ、何も科学的実証できるこっちゃないので、考え方の好みですが。
    もともと連れ合いから「あんたこの人の考え方きっと好きやで」と勧められた本で、読んでみて、「うんまあ好きやな。こういうことや思うわー」と思いました(笑)。

  • 恐るべし 100分で名著。
    コンパクトで読みやすい。
    放送も楽しみでした。
    岸見先生のお話がゆっくりと心に突き刺さりますっ!!

  • アドラー心理学のポイントはしっかり書いてあるが、内容が薄い(ページ数が少ないのでしょうがないが)のと、著者の言葉にインパクトが薄い。残念ながらもう読まない

  • 何気なくあった本を読んでみたら、とても面白かった。 特に共同体感覚って日本人が元々持っていた素質なのではないかとも言える。 もう少しいろんな著書を読んで理解を深めたい!

  • 何が与えられたかではなく、それをどう使うか
    貢献の視点で誰かと競おうと思わなくなる
    他者に関心をもつこと
    自分の人生を生きる
    他者は仲間

  • 嫌われる勇気、幸せになる勇気がいたくきに行ったので、こちらも拝読。

    内容的には上記2冊と被るところが大多数です。
    分量的にはこちらが薄いので、興味が少しでもある方のイントロに良いかと思います。

    個人的にはアドラー心理学(哲学と呼びたい)は、現代社会における生き方の1つと信じています。

  • 自分だけに関心を持つのではなく、他者に関心を持ち、他者に貢献してみよう
    貢献できると思えば、自分に価値があると思えるようになります。そのように思えた時に、他者はもはや「敵」ではなく「仲間」と見なすことができるようになります。

    全ての人間が対等の横の関係にある

    人は誰にも何にも支配されない

    ほめることも、叱ることと同様に、子供を対等な存在とみなしていないと言うことです。

    共同体感覚

    人は…自分が「意味づけ」した世界に生きている
    過去の経験が私たちの何かを決定しているのではなく、私たちが過去の経験に「どのような意味を与えるか」によって自らの生を決定している

    過去の経験は「決定因」ではない
    原因論と目的論

  • やはり人は人に貢献することで人生の意味を見出すことが出来るのだなあとしみじみ感じた

    他にも人生は自分の意味付けで過去まで変えることが出来ることなど、心に刺さった

    時間をおいてまた読もうっと

    他のアドラーの本も読まないといけない

  • いゃ〜!価値観が変わる内容だった。
    子供を叱るのも褒めるのも間違いというのには驚いた。
    また、心理学に「貢献」という言葉がでてきたのは意外だった。
    印象に残った文章
    ⒈ 私たちが過去の経験に「どのような意味を与えるか」によって自らの生を決定している。
    ⒉ アドラーは、この世界、人生、自分についての意味づけを「ライフスタイル」と呼びました。
    ⒊ いじめる側、差別する側の人は、強い劣等感を持っています。
    ⒋ 自分が得た知識を他者のために役立てるために勉強する
    ⒌ 自分自身の幸福と人類の幸福のためにもっと貢献する
    ⒍ 共同体感覚

  • コンパクトにまとめられて読み易かった。アドラー心理学の本をこれからも読んでいきたいと思った。

  • 縲後☆縺ケ縺ヲ縺ョ莠コ縺ッ蟇セ遲峨↑髢「菫ゅ?阪?√◎縺ョ莉悶?∬?關ス縺。縺吶k繧「繧、繝?い縺梧コ?霈峨?ょ、ァ螟峨◆繧√↓縺ェ縺」縺溘?りァ」隱ャ繧ゅo縺九j譏薙>縲ょ次譖ク繧よ弍髱櫁ェュ繧ゅ≧縲

  • 解説が長い

  • 番組を観て著者の本「嫌われる勇気」や
    アルフレッド・アドラーの「人生の意味の心理学」を理解するために購入。

    目から鱗が落ちそうな線を引いて何度も読みなおしたい箇所が多かった。

    評価は上記2冊を読んでからしたい。

  • 薄い本ではあるけれど,テレビ番組と相まって,とてもわかりやすい.何度も読み直しているが,その度に発見がある.

  • 「嫌われる勇気」がベストセラーになったことで、にわかに有名になったアドラーの代表作について、優しく解説した本。

    少し癖のある会話形式となっている「嫌われる勇気」よりも、シンプルにアドラー心理学を学ぶことができる。そのためアドラーに興味をもって「嫌われる勇気」を手に取ったんだけれど、何となく文体がしっくりこなかった人に特にお勧め。

    自分にとって特に気に入ったのは「原因説ではなく、目的説」という考え方。

  • アドラーの思想に強く惹かれながらブームに違和感を覚える理由が、「影響因」についての言及が少ないためだとわかった。
    確かに決定因ではない。アドラーの言うライフスタイルは自ら選んでいるものだが、子供のころの選択では周囲の環境が大きな影響を与える。だから教育が大事だともアドラーは言っている。そこを飛ばして自己責任論に結び付けるのはアドラーの本意ではないだろう。
    状況を客観視できるようにして、「ライフスタイルは選びなおすことができるよ」と援助する必要がある場面は多いはずだ。でなければカウンセラーもいらない。

  • アドラーの考え方がシンプルにまとまっていて、読みやすい1冊。

  • 読了。NHKのテレビテキストである。最近流行りのようであるが、なんで広まらなかったのかなと思った。納得できる内容で、仏教の教えに近いのかなと考えた。トラウマなどは、過去のつらいことは、事実としても、それが原因で、今の行動を制限されることはないとあった。なるほどと思った。いまの仕事の悩みを解決してくれるものなかったが、前に一歩踏み出そうとの気持ちにしてくれる。

  • ○なかなかアドラー本が手につかない人におすすめ。番組閲覧併用推奨、番組見なくてもうまくまとまってます
    アドラー心理学を解説し世間に広く伝えようとする哲学者・岸見一郎先生が、NHK「100分de名著」の中でアドラー著「人生の意味の心理学」を解説したテレビ用のテキスト。
    すでに終わっている番組ではあるが、何かしらの方法で閲覧しながら読むとより理解が深められると思う(わたしは番組はまだ見ていないが、他の岸見本は読了したものもある)。

    「人生の意味の心理学」の肝は、「共同体感覚」であるという。
    「共同体感覚」を深く掘り下げると、
    ①ありのままの自分を受け入れること(自己受容)
    →ありのままの自分ではいけないかもしれないが、与えられたもの(すなわち、いま自分の現状)をどう使うか、が重要
    ②自分が共同体の中で価値があると感じること(他者貢献感)
    →行動や存在について、すなわち生きていることで他者に喜びを与え貢献していると、感じてみよう
    ③他者を仲間として信頼すること(他者信頼)
    →信用が条件付きで人を信じることだとすれば、信頼は人を無条件に信じることを指します。裏切られることを前提に信頼をしなければ誰とも深い関係になることはできないのだから、しあわせになることはできない。

    上記三点は連環をなし、この共同体感覚を育むことが教育の目的だということです。

    こんな人がたくさん世界に増えたら、他の人のことも自分のこともありのままに見て尊重できる世の中になれば、世界も変わるにちがいない、と語ったアドラー。人間の拭えない煩悩への挑戦である気もしますが、この現代社会の中で歯車となって病みながら働く私たちに突きつけられた「働き方・生き方を変えて良好な職場環境を生み出すための挑戦」である気もしてきています。

    まずは、自分を信頼し、ありのままを見て、必要に応じ自分を変える決意をして行動することからなのだろう。
    仕事が上司のせいで辛い、と言う時代は終わったのかもしれない。その上司と向き合えない自分と向き合うことこそ大事なのだろう。
    上司にも変わってほしい。仕事のできない部下、という見方ではなく、それを生み出す現状を見いだし、必要に応じて自分を変える決意をして行動することが必要なのだと思う。

  • 前回、同じ著者のアドラー心理学の入門書を読んだが、わかりずらいところがあり、いまいちアドラー心理学について理解が進まなかった。
    本書はNHKで放送されていた番組のムック本で、わかりやすくアドラー心理学が理解できた。
    ページ数も少なく手軽に読めるので、アドラー心理学に興味がある人には是非手に取ってもらいたい書籍だ。

  • アドラーの心理学は、”心理学”というよりは"哲学"であるように思われる。

    特に自分自身を見つめて、他者に振り回されない考え方については非常に理解ができる。

  • いつも通りの岸見さん

  • 目的思考がポイント。

  • (2016.03.08読了)(2016.01.29購入)
    アドラーさんって誰? なにした人? という感じなのですが。
    「アルフレッド・アドラーは、今から一世紀ほど前に活躍したオーストリア生まれの心理学者・精神科医です。日本においてはごく最近まで、その名をほとんど知られていませんでしたが、欧米ではフロイトやユングと並ぶ「心理学の三大巨頭」の一人として高く評価されてきました。」(4頁)
    フロイトやユングは知っていても、アドラーさんは知りませんでした。「嫌われる勇気」がアドラーブームをつくりベストセラーになっていることも知りませんでした。
    フロイトは、人間心理の深層には、性欲があるということで、いろいろと説明してくれましたが、アドラーさんは、何に目を付けたのでしょうか。
    ・一緒に仲良く暮らしたいのであれば、互いを対等の人格として扱わなければならない
    ・あらゆる悩みは対人関係の悩みである
    といったあたりのようです。

    【目次】
    【はじめに】すべての人は対等な関係にある
    第1回 人生を変える「逆転の発想」
    第2回 自分を苦しめているものの正体
    第3回 対人関係を逆転する
    第4回 「自分」と「他者」を勇気づける

    ●これからの人生(10頁)
    これまでの人生はこれからの人生をどう生きるかには影響を与えない
    ●フロイトとアドラー(17頁)
    (フロイト)「人間には攻撃欲求がある」
    (アドラー)「人間は仲間である」
    ●過去の経験(21頁)
    過去の経験が私たちの何かを決定しているのではなく、私たちが過去の経験に「どのような意味を与えるか」によって自らの生を決定している
    ●目的論(21頁)
    目的論においては、立てられる目的や目標は未来にあります。過去は変えられなくても、未来は変えることができます。
    ●どう使うか(32頁)
    大切なのは何が与えられているかではなく、与えられているものをどう使うかだ
    ●対人関係(39頁)
    対人関係は悩みの源泉ですが、生きる喜びや幸せは、対人関係の中に入っていかないと得ることはできません。
    ●仲間(56頁)
    自分にしか向けられていない関心を、他者に向けていく―そして、他者を競争すべき「敵」ではなく、協力して生きる「仲間」と思えるようになれば、誰かの役に立ちたいという気持ちが生まれてきます。
    ●対人関係の問題(59頁)
    対人関係の問題は、他者を自分の行く手を遮る存在、「敵」と見なすことから生まれます。
    ●仲間(60頁)
    他者を敵ではなく「仲間」を考えてみれば、人生は大きく変わります。

    ☆関連図書(既読)
    「精神分析入門(上)」フロイト著・豊川昇訳、新潮文庫、1956.06.10
    「精神分析入門(下)」フロイト著・豊川昇訳、新潮文庫、1956.06.15
    「夜と霧 新版」ヴィクトール・E・フランクル著・池田香代子訳、みすず書房、2002.11.05
    (2016年5月9日・記)
    内容紹介(amazon)
    この「生きづらさ」をなんとかしたい
    フロイト、ユングと並び称される心理学者アドラー。その思想のエッセンスを紹介した『嫌われる勇気』がベストセラーとなるなど、いま注目を集めている。過去は変えられなくても未来は変えることができると説き、多くの人々を勇気づけているアドラー心理学を、『嫌われる勇気』の共著者がわかりやすく解説。

  • 2016年5月2日購入。
    2016年5月4日読了。
    非常に分かり易く、とても面白く、ためになった。
    TVで第4回目を見逃してしまい、どうしても内容が知りたかったので、購入したのだが、買って良かった。
    何度も読み返したい。

  • 2016年3月10日購入。
    2016年3月14日読了。

  • このシリーズ2冊目、
    いやぁ、本当分かりやすいし、目から鱗だしで、感心です。
    最近人気なのか。

  • アドラーについてひととおり理解するにはよい

  • アドラーに興味がある人は、入門として一読の価値あり

  • 読みやすく、わかりやすい内容でした。

    優越性の追求と劣等感の存在が進歩の原動力になる、という説明にとても納得しました。

    アドラー心理学の「勇気づけ」の意味も、本書で初めて「わかった」という感覚が得られました。
    ここで言う「勇気」とは、対人関係の中に入っていく勇気であること。

    人の中で生きるということ。

    今の自分を出発点として、他者へ関心を向け、協力し、貢献することによって、実現したい未来に近づいていけるということ。
    他のアドラー心理学の本も読んでみたくなりました。

全44件中 1 - 30件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×