雷鳴の夜 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) (ハヤカワ・ミステリ 1729)

  • 早川書房
3.79
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150017293

感想・レビュー・書評

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  • (後で書きます)

  • 当時の中国の宗教についてもきちんと調べて考えて書かれたんだなというのが著者自身のあとがきを読むとわかります。
    そしてその当時のひとの心持ちをきちんと理解して受け入れて書いている。
    西洋的な視点は全く感じられません。
    深い考察を誰にでも楽しめる時代推理小説に仕立て上げている素晴らしい作品。

  • 嵐にあって立往生したディー判事が宿を求めたのは大きな古いお寺。お寺では祭事で賑わっていた。
    部屋に案内されたディー判事が窓越しに怪しい兜を被った男と片腕の女性を見かけた事から、なにやら怪しい寺の中を調べ始めます。

    風邪引いて奥様達(3人の妻!)に構われるディー判事がちょっとコミカル。
    残酷なシーンもありますが、あまり後味悪くなかった。

    このシリーズは発行された順番と、物語の時系列がバラバラのようですが、適当な順番でも特に気にならないのも良いです。

  • ディー判事が嵐のために宿を借りた道観で、偶然見た不可思議な出来事から派生する怪事件に挑む。登場人物は皆それぞれに事情を抱えていそうでみな怪しい。その中を風邪気味のディー判事が舞台設定上一番役に立つ副官陶侃を率いて孤軍奮闘する。
    これまでの作品でもかなり物語が展開する場所を追うのに注意が必要だったが、今作は閉じられた道観であるので、より一層読み進める際には場所の把握が大切になってくるかも。

  • 伝説の名探偵ディー判事、山寺の怪に挑む!
    旅の帰途、嵐にあったディー判事一行はやむなく山中の寺院に一夜の宿を求める。そこは、相次いで三人の若い女が変死するという事件が勃発した場所だった。到着早々、判事は窓越しに異様な光景を目撃する。昔の兜を被った大男と裸で抱き合う片腕の娘─しかし、そこは無人の物置のはずで、しかも窓すら無い部屋だったのだ。怪奇現象か? 幽霊か? 何者かの悪戯なのか? ディー判事の悩みをよそに、夜が更けるにつれ次々と怪事件が襲いかかってきた!
    古代中国に実在した名判事を主人公に、巧妙なトリックと大胆な推理を展開する人気シリーズ
    原題:The Haunted Monastery

  •  夫婦水入らずの旅行の帰り、嵐にあったディー判事。
    しかたなく、山の中にあった寺に泊めてもらうことにした。
    そこは、若い女性の変死事件が立て続けに起こっていた場所。
    ほどなく判事は、怪しい男を見かけて…。

     一晩しかないという限られた時間のなか、嵐のせいで風邪をひいた判事が動く動く。舞台になったお寺が複雑な造りなので、読んでるこちらも迷ってしまって、どこで何が起こっているのかわからなくなってしまった。判事が真相に近づいていくところは手に汗にぎって面白かったんだけど。

  • ディー判事シリーズ。妻や部下たちを引き連れた旅の帰途、嵐に追われ山中の寺へ避難したディー判事。そこには、旅回りの一座や信心深い母娘など、一風変わった人々が滞在していた。夜も更けた頃、母娘がいずこかへ姿を消したのを皮切りに、次々と不気味な事件が…。

  • 195.初.元ビニカバ、帯付。
    2010.12.20.鈴鹿BF

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  • 藤治台の中国を舞台にしたミステリ。
    旅の帰途、嵐にあったディー判事が一夜の宿を求めた山中の寺院で怪奇現象を目撃したのを手始めに、会事件に巻き込まれていく。
    次から次へと事件が起こるのに、肝心のディー判事は風邪気味で痛む頭を抱えて不機嫌。この辺の描写が大変面白い。
    3人の妻たちとのやり取りも、さすがの判事も女性3人には太刀打ちできないようで。
    絵画がキーになる謎解きは、その図が提示されていないのでふ〜んって感じではある。
    もつれ合う様々な事件を一つ一つ解決して、最後に手を出せない犯人を自ら裁く様は実直に生きるディー判事の心意気十分。
    一夜の物語ではあるけれど読み応えはあった。3人の妻たちの姦しいラストシーンも良かった。

  • 三人の奥さん(!)を連れての家族旅行からの帰途、山中で嵐に逢ったディー判事は、やむなく寺院に宿泊する。そこは、三人の若い女が変死したいわくありげな道観で、判事はそのうちここを尋問する予定だった。その日はこの道観の大祭の夜。名高い道士、尼になりたい若い娘やその保護者、熊を操る旅芸人の美女や、彼女を激しく攻撃する剣士、等が道観の中で交錯する。そして激しい雷鳴の中、次々起きる怪事件。入り組んだ道観の中を探索する判事は何者かに殴打され・・・

    一週間ほど前に読んだんですが、もうあらすじを半分ぐらい忘れています。でも、なんだかとっても面白いものを読んだと言うわくわくするような記憶はしっかり有って。
    一昔前の上質な娯楽ミステリって、どれもそうだったなあ、と改めて思いました。こういうの、すごく好き。
    所々に作者自筆の挿絵が入っているのもとても楽しかったです。

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