螺鈿の四季〔ハヤカワ・ミステリ1832〕 (ハヤカワ・ミステリ 1832)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150018320

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  • 『東方の黄金』から1年後。
    狄判事と副官の喬泰は州都から任地の平来県へ戻る途中、休暇のため威炳県に立ち寄った。
    身分を隠したお忍び旅行のつもりが、彼らを同業者と勘違いしたこそ泥の手引きでヤクザ者たちの巣窟に潜入する羽目になり、県知事夫人殺害事件に行き当たる。
    四季を描いた屏風にとり憑かれて正気をなくした末に妻を殺したのだという県知事の自供。
    そこへ絹商人の不審死や両替屋の横領容疑、若後家の不貞疑惑が絡み、狄判事は喬泰とともに本格的な捜査に乗り出す。
     
    今回の判事のお供は喬泰のみ。
    私は喬泰贔屓なのでそこは問題ないが、相変わらず女運が悪いと判事にまで同情される彼。顔といい腕っぷしといい度胸といい男ぶりは充分なのに、どうも薄幸気味な女に惹かれる性質なのか本人も一緒に不幸体質になりがちらしい。
     
    不幸といえば、易者に剣難の相が出ているから剣に死ぬ運命だと予言された喬泰。伏線だと分かっているのでその一文だけでこちらは切なくなってくるというのに、言われた当の本人は本望だなどと嘯きやがってこの阿呆! 最終話の最後の最後で凹んだ人の気も知らずに!・゚・(つД`)・゚・

  • 狄判事シリーズの2冊目です。今回は狄判事が、副官の喬泰が出張の帰りに、威炳で事件に巻き込まれます。
    事件は混沌としていますが、最後は狄判事が全てを解きほぐします。
    狄判事は身分を隠して捜査を行いますが、途中で娼妓の石竹に正体を見抜かれてしまう場面が印象的でした。

  • 四季屏風殺人事件の新訳

  • 新任地での激務に疲れ果てたディー判事がお忍びの休暇にやってきた。
    しかし、挨拶に訪れた同地の知事の様子がおかしい。

    そんなこんなで、よそ様の事件にもどっぷりガッツリ首を突っ込む判事でした。

    二日間走り回った判事の疲労っぷりが笑えますが、天才判事も人間なんだなぁと、思うシーンも多く楽しめました。

  • 同僚知事の奥方殺害事件を、お忍びで訪れていたディー判事が解決する。
    全体的に可も無く不可も無くなのだが、事件解決後の後味の悪さが際立つ作品であると思う。もう少しすっきり終わってくれても良かったのに。

  • 神の探偵に、休息のときはなし

    初任地での激務に疲れたディー判事は、都出張の帰途おしのびで風光明媚の地、威炳の町に滞在する。副官のチャオタイだけを同行させ、ゆっくりと骨休めをしようという魂胆だ。しかし神の探偵に休息はなかった。挨拶のため現地の知事を訪問すると、なにやらその挙動があやしい。どうやら家庭内に問題を抱えているようだ。屋敷内に飾られた漆塗りの屏風が原因らしいのだが……そのうえ、町では無頼漢に間違われ、泥棒仲間に誘われてしまう。さらに城外の沼地で女性の死体が発見され、判事はたちまち事件の渦中へ。ついにシリーズ全長篇の新訳刊行完成!
    (ハヤカワオンラインあらすじより)
    -------------------
    旧訳「四季屏風殺人事件」のタイトルで発行されたものの新訳。
    原題:The Lacquer screen

  • 身分を隠して温泉地に観光に行ったディー判事、とたんに殺人事件に遭遇し、たった2日間で完全解決。古代のひとはのんびりしてたなんて、私の勝手な思い込みでした、すんません。
    口八丁の街道稼ぎの好漢になりすまし、副官のチャオタイを絶句させるディー判事のお茶目っぷりが素敵すぎます。地元の親分を騙しおおせた役者ぶりを娼婦に見破られてぐうの音も出ないところが、またナイス。シリーズ2冊めですっかりファンになりました。

  • ディー判事シリーズ。時系列でいうと第2話かな。

    副官1人をお供に、お忍びで観光地を訪れたディー判事。
    つかの間の休暇、といきたいところが、町でならず者に間違われ、泥棒仲間に誘われてしまう。
    折しも女性の他殺体は発見されるわ、両替商の自殺事件は持ち上がるわ、ディー判事は否応なしに事件に巻き込まれていく…。

    お忍びで事件を解決する様子は、昔の時代劇を彷彿とさせます。最後のどんでん返しもさすが。

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