- Amazon.co.jp ・本 (479ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150115111
感想・レビュー・書評
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超巨大宇宙船〈方舟〉号を操り惑星環境改造を売る宇宙商人、
ハイランド・タフの活躍。
SFを読みたいという気持ちが久しぶりに燃え上がってきて
新刊を買ってみたらいきなりこんな面白い作品にぶち当たるとはありがたい。
「身の丈2メートル半、福禄寿と布袋尊が合体したような体型に、
全身純白で無毛」という異様な外見、馬鹿丁寧で嫌味ったらしい
話し方をするタフのキャラクターが面白い。
一本気な正義の味方キャプテン・フューチャーの後だと、
なおさらこの屈折した人物像が味わい深く読めてしまうね。
全3編収録の連作集で表題作「禍つ星」はタフが〈方舟〉号を手に入れるまでの話。
幾十にも罠の仕掛けられた巨大な宇宙船の中で曲者揃いのライバルを
タフがいかに出し抜くかというもの。
第2話「パンと魚」は宇宙港でのタフとポートマスターの駆け引き。
このポートマスターが鉄火肌の婆さんで、迎え撃つタフの嫌味がなんとも可笑しい。
第3話「守護者」惑星ナモールの環境改造にタフが挑む。
海上から巨大生物が大量発生して惑星全土で大暴れっていうのが
もの凄いイメージで映像で見てみたくなる。
どのエピソード名前と違って腕力を使わず嫌味に解決しちゃうんだけど
タフが大の猫好きというのがなんともいい味を出している。
5月下旬には完結編「タフの方舟2 天の果実」が出るので楽しみだ。
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や、この話変だよ……猫好きタフ船長、変。すごく変。この作家は秀作『フィーヴァー・ドリーム』が凄く好きなので買ったんだが……怪作だなぁこれ。でも結構好き。結果的に飛んでもなく“あこぎ”なタフ船長がたまりません。
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生物兵器を商いにするハヴィランド・タフの連作シリーズの第1巻。
収録作品は3作
・『禍つ星』
あらゆる疫病を降らせる禍つ星。
その正体は、遥か昔に滅んだ文明の巨大な生物兵器培養船だった。
それを手に入れれば、莫大な冨と権力を手にすることができる。
学者や殺し屋のチームが運び屋に選んだのは、タフというぱっとしない商人だった。
・『パンと魚』
シリーズ内シリーズの第1話。
方舟を手に入れたタフは、修理と改造のため、ス=ウスラムに立ち寄った。
その星は人口が非常に多く、近い将来、食糧危機になるのは明白。
政府は方舟号を取り上げようとするが、
信義の人、ポートマスターのトリー・ミューンは何とかしようとするが……
・『守護者』
海の惑星ナモールが、未知の怪物のため困っていることを聞いたタフは、助けようとやって来る。
今まで見たこともない様々な怪物が現れ、どんどん住民が襲われているという。
惑星側としては、早くそれらを倒す生物兵器をばらまいて欲しいのだが、
タフは研究中と言って一向に動かない。
その間にも、次々と島は全滅していき……
話も面白いんだけど、タフのキャラクターが強烈。
身長2メートル半の肥満体、白い肌に無毛という容姿。
そして、その物言いはまさに慇懃無礼。バカ丁寧な正論で人を苛立たせる。
このタフの性格が、裏があるのかないのか、わからないところが魅力。
善人に見えるのも、阿漕に見えるのも、第三者的にそう見えるだけで、
本人は自分の矜持に従ってるだけなんだろうね。
脳内ボイスは銀河万丈(笑)
3作の中では、『パンと魚』がお気に入り。
政治的駆け引きが行われている中、
その渦中にいるタフその人は、全く何を考えているのか不明なのが読み所。
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慇懃無礼の典型みたいなタフのしゃべり方に、なぜかけっこうハマっちゃう。展開が早いのも魅力の風変わりSF。
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訳が良いのか、すらすら読める。<br>
3話めって、これ「海竜めざめる」だよね。 -
超オモです。