- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150118389
作品紹介・あらすじ
ギアリーとデシャーニの甘い新婚生活も、一カ月しか続かなかった。アライアンス運営委員会から、二人のもとに緊急出頭命令が届いたからだ。ナバーロ議長によって、大佐から元帥への再昇進を告げられたギアリーは、謎の異星種族に関するさらなる情報を得るため、増強された第一艦隊を率いてシンディック宙域の向こうにある未踏宙域をめざす。だがそこで待ち受けていたのは、思いもかけぬ脅威だった…待望の第二部開幕。
感想・レビュー・書評
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第二部がどんなものか心配したが問題なかった
表紙 5点寺田 克也 月岡 小穂訳
展開 5点2011年著作
文章 5点
内容 581点
合計 596点詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
リアルな宇宙艦隊というものは、こんな風に退屈なものなのかもしれない。
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大きな戦いは戦後が大変、という第二部幕開け。
あの学級委員長のような旗艦艦長が「ダーリン」だなんて。そして元副大統領との再会シーンはまるでシャム猫とペルシャ猫のにらみ合いのよう(元帥ー正式に元帥ですーの感想に爆笑しそうになりました)。けれどお笑いもここまで。ペルシャ猫風もと副大統領は、生彩を欠き、暗い雰囲気。なぜ?
ほかにも「なぜ?」はてんこもり。その「なぜ?」の嵐の中、艦隊は異星人の宙域探査に。とちゅう、もちろん厄介なこともいろいろ。もしや「コウトシシテソウクニラル」ってやつ?
第一部の敵とは和解(?)したので、終盤になるまで戦いは瞬間的。その中にあって、宙兵隊少将、かっこいいです。惚れ直しました。
さて、異星人のテリトリーの中で、艦隊の命運は…? つづく。
と、いう巻でした。 -
7巻目から第2部ということだが、いまひとつ切れが無い。
まだ序章の序の口という感じで、全体像がはっきりしない。
今後に期待ということで、星ひとつおまけ。 -
第二部。もう彷徨ってない。
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前の6巻でアライアンスとシンディックという2つの星系連合の百年に及ぶ戦いは終了した。このあとは、割と序盤からチラチラ姿を現してた百選戦争を影で操る謎の異星人との戦いになる…と思ったが、まずこの7巻では大きな戦闘は無かった。
ようやく人類の生活版図から飛び出して、未だに解明されてない新たな宇宙へ乗り込み、異星人の定住する世界で若干の戦闘ってとこで終わっとる。
もともと展開の遅い話ではあるんだけど、まあこんなもんか。 -
伝説の英雄ジョン・ギアリー提督が100年の冷凍睡眠からよみがえり、壊滅寸前の艦隊を危機から救い出して、長い戦争を終結させた、前シリーズ(1~6巻)の待望の続編第1巻目。
物語として大きな魅力があるのはもちろんで、読者がそれぞれの楽しみを味わえばよいと思う。
本書の特異点は、すぐれたマネジメントの実践書である点である。
すぐれたトップマネジメントであるギアリーは、前シリーズにおいて、堕落していた艦隊を建て直すことに成功した。
艦隊が堕落したのは、艦隊のマネジメントに民主政治の論理を持ち込んだからである。艦隊のマネジメントには軍隊の論理が必要であり、ギアリーは、結局、艦隊から民主政治の論理をのぞき、軍隊の論理を注入することにより、立て直しに成功したのである。
さて、新シリーズにおいても、ギアリーのトップマネジメントとしての優秀さは際立つ。というのは、政治家らとの交流においては、軍隊の論理ではなく、民主政治の論理にもとづいて行動するのだ。そして、この点は、彼の優秀さを示す一端にすぎない。
本シリーズにおいて、彼は異星人世界への遠征を命じられるのだが、彼はやはり一貫して、異星人との交流においては、異星人のもつ論理を探求しようとするのである。
トップマネジメントに求められるのは、組織を強力にすることではない。組織の使命や性質に応じた最適な運営を実行することこそ、トップマネジメントの使命である。
今後のギアリーの探求が興味深い。 -
コールドスリープから目覚めてみれば眠りについた時の戦争がまだ続いていて、尚且つ自分が最先任士官であることから敵シンディック宙域の奥深くまで入り込んでしまった艦隊の提督にされてしまったジョン・ギアリー大佐。
今では廃れてしまった往年の艦隊戦術と人道的な人心掌握術を武器に数々の戦闘を経、少なくない損害を出しながらながらも、何とか味方のアライアンス宙域に辿り着いた、というのが前6巻までのお話。
一応大団円で終えた第一部の6部作終盤で登場した謎の異星人に対して、今作から始る第二部(海外ドラマでいうところのシーズン2?)では本格的な調査航海が始ります。
今回は自軍の政府からも公認の提督として艦隊を率い、しかも堂々と母星から出発するので、正確には『彷徨える艦隊』ちゃうやん!と言いたいところですが(原題もThe Lost Fleet)、それはさて置き。
主人公をはじめ前作の登場人物はほぼ全員再登場。
と同時に前シリーズでは戦闘の中で徐々に淘汰されていった困ったちゃん艦長も、補充艦や補充人員の昇進で何人か出てくるので、彼らをどう扱うかが焦点の一つとなるのでしょう。
正直ネタが持つのか?と不安でしたが、前シリーズでほのめかされた異星人の存在の謎も徐々に解き明かされていくので、オチをどうもっていくのか楽しみです。
読み口も(相変わらず)平易で、かつ戦闘も随所にあるので、煽り文句の『戦争SFの最高峰!』は大袈裟だとしても、ミリタリーSFファンには前シリーズと同様、面白く読めると思います。