- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150122300
作品紹介・あらすじ
SF評論家の第一人者高橋良平が、黄金時代の1950年代を中心に、ラインスター、ウィンダムなど宇宙テーマの幻の名品7篇を厳選!
感想・レビュー・書評
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クラシックなSFは和むなあ。
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伊藤典夫氏が訳したSF作品を収録した短編集残る第2弾。どれも私が生まれる前に発表されている作品なのだが、今読んでも面白く、古臭さをまったく感じない。作品を目利きした伊藤氏の感性に驚く。特に面白かったのは、表題作の「最初の接触」と「生存者」。「最初の接触」は地球人と同じ思考をする異星人に出会ったらどうなるかを描いた作品。「生存者」は宇宙で遭難した人が生存者になるためにやったことを描くスリラー。
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2019年5月ハヤカワSF文庫刊。宇宙ものアンソロジー。マレイ・ラインスター:最初の接触(原著1945/翻訳64*以下同様)、ジョン・ウインダム:生存者(1952/64)、ジェイムズ・ブリッシュ:コモン・タイム(1953/64)、フィリップ・ホセ・ファーマー:キャプテンの娘(1953/68)、ジェイムズ・ホワイト:宇宙病院(1958/65)、デーモン・ナイト:楽園への切符(1952/65)、ポール・アンダースン:救いの手(1950/67)、の7つの短編アンソロジー。古色が感じられる話が多かった。コモン・タイム、キャプテンの娘、宇宙病院、救いの手は書籍初収録とかで、貴重。
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表題作を読んだ。なかなか面白かった。宇宙船を交換する意味は、相手の機体の性能を知っていれば、追跡されにくいということなのだろうが、両方とも星間宇宙船だから、去ったと見せかけて、追尾することも可能ではないかと思う。ファースト・コンタクトで長期的な影響を考えて、相手を攻撃しなければならない葛藤は理解できるが、もう少しやり方があるのではないかと思う。
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同レベルの文明を持つ異星人同士がファーストコンタクトする際の恐れと葛藤を描いた表題作。
紛争はいつも想像と恐怖が発端なのでしょう。が、利害と理解をもって打開策を提示した本作を読み終えたとき、自然と目頭が熱くなりました。疲れてるのかな。
伊藤典夫翻訳の傑作SF小説七篇を収録した本書はシリーズ第二弾。第一弾は時間と空間がテーマのようでしたが、本書は宇宙がテーマ。
表題作の他には「コモン・タイム」と「宇宙病院」あたりが好み。前者は特に前半部分が印象的。後半はだいぶ毛色が異なるので、前半部分をもう少し広げた作品が読みたいなと。後者はなんというか自由奔放な空想ぶりがワクワクしてくる作品。現実の延長線上で描かれる宇宙SFもいいのですが、こーゆうまったく空想な箱庭を用意してそこでワイワイさせる宇宙SFも好き。 -
「最初の接触」すなわちファーストコンタクトものを集めたアンソロジー。様々なタイプの小説が入っている。ファーマーの『キャプテンの娘』目当てで読んで、実際に面白かったのだけれど、最後に入っているポール・アンダーソンの『救いの手』がすごかった。厳密なファーストコンタクトではなく、異星との交流がテーマなのだけれど、現在の世界の状況にも通じるものがあり、考えさせられるものだった。
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あまり古さを感じさせない。
最初の接触も面白かったが救いの手は考えさせられる作品だな。 -
表題作が一番考えさせられたかな。いずれの短編も面白かったです。
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2019年7月3日読了。伊藤典夫氏翻訳による表題作含む7篇のSF短編アンソロジー。ハードSF調で読みづらいものもあったが、特に「生存者」「救いの手」などは藤子Fにも通じる文明批評・価値観の転換の視点があり、切れ味も鋭く実に読み応えがあった。全体的にクラシックSFの趣も強いが(コンピュータへの入力をパンチカードで行っていたり)それはそれで味があり楽しい。集めた短編たちは「最初の接触」のテーマに沿っているかな、と思ったがそういうわけでもないらしい…。ちょっとしたアイデアをSFガジェットで膨らまして味付けし、こちらの常識に切りつけて挑戦してくる、短編SFはこれだからたまらない。