勝負の終り - ベルガリアード物語〈5〉 (ハヤカワ文庫FT)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (589ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150203917

感想・レビュー・書評

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  • 世界の命運をかけた長い長い旅路を終えた、その満足感に浸りつつ、ああ、楽しかったなあ、と心から思える爽やかな読後感。
    こういう長大な物語は、その世界にゆっくり浸りつつ楽しむことができるのがなんとも心地よい。
    登場人物も皆一癖も二癖もありながらも、憎めない奴ばかりで、読み終わる頃には、もう友達にでもなったような気分にさせられる。
    たしかに、特別にひねりが効いているわけでもなく、むしろお約束やご都合主義な展開も多いのだが、かえってそれが安心して楽しめるという長所になっている。誰もハリウッド映画や水戸黄門に奇を衒ったようなお話は求めていないだろう。
    このベルガリアードには、むしろお約束の展開に、「くぅ~、来た来た~、待ってました!」とワクワクするような、そんな快感が満載なのだ。
    ただ、あまりにも伏線がわかりやす過ぎてネタバレになってしまっているところは少し残念。鍛冶屋のダーニクなんて、予言の中での役回りが明快すぎて、クライマックスの重要な場面でのハラハラが大幅減。もうちょっとなんとかならなかったものか…。
    まあ、これがエディングスの処女作だというし、あまり細かな文句をつけるのも無粋というものか。
    とにかく、ガリオンやベルガラスたちとまた冒険の続きがしたくて、早速続編のマロリオン物語に手を出しているんだから、この世界にどっぷりはまってしまっているということなんだろう。

  • とうとう大陸を二分する「光」と「闇」の勢力がぶつかる予言が現実味を帯びてきた。

    リヴァの王に就いたガリオンは、その大戦によって落とす命の多さを回避するため、ベルガラス、シルクと共に、風の島を発つのだった。
    急を要するから、と理由も告げないままに出発しちゃったもんだから、
    置いてけぼりを食らったと知った時の女性陣の怖さと言ったらハンパない……!
    その力があったからこそ、今巻はただ帰りを待つだけではない女性の強さが特に光った感じだった。

    シーンが大陸の各地に飛ぶ箇所はフラッシュバックのようで、映画っぽいなぁと思った。
    5巻すべてに共通するけれど、シーンをありありと細部まで、映像として想像しやすかったな。
    デイヴィッド・エディングスの他作品を読んだことはないけれど、全部こんな感じで映画っぽい描写なのだろうか。
    そういうふうに場面描写は良かったけれど、ちょっとご都合主義なところは否めなかったんだけど、如何せん、贔屓のダーニクの報われた想いへのご祝儀も兼ねて★4つ!

    そしてマロリオン物語にも手を出しちゃった私は、充分中毒だあー。

  • このシリーズは表紙の絵柄が気に入って購入したのががきっかけ。
    とにかく最初から主人公が王様になることはわかりきっていた。けれど、当の主人公は面白いくらいに全く気づかずに話が進んでいく。この子と恋愛関係になるというのも読者は気づくけど、やっぱり主人公は全く気づかないまま進んでいく。むしろどこて主人公が自分の運命に気づくのだろう?をニマニマしながら、読み進める小説だと思う。

    王道の王国モノと呼べばいいのか…とにかく一般人だと思ってた主人公が実は王様だったというありふれた話だけれど、キャラの魅力や話の展開に次々と読み進めたくなる物語。

  • 古書購入

  • 私の中では1巻~4巻までが面白さのピークでした。
    三巻の最後で珠を割とあっさり取り戻した感じでした。
    話の中盤は戦いで、結構長いなと感じました。

    トラクとの最後の決戦も割とあっさりとという印象でした。
    やはり、四巻までが面白かったと言うことで評価は少し下げました。

  • ベルガリアード物語完結編。エンディングの落とし方が、好き。ファンタジーはかくあるべしというひとつの理想形、かも。明るく皮肉っぽいユーモアもシリーズ通して好印象。

  • あー、終わっちゃったーってのが正直な感想。
    彼らの物語にいつまでも浸っていたかった。
    読み終わってしまうのが惜しくて惜しくて仕方なかった。
    大変素晴らしい小説でした。
    続編はもったいないのでしばらくしてから読みます。
    今はこの小説に出会えたことを感謝

  • 学生のときに途中まで読んだ記憶があるが、忘れてしまったので、最初から再読した。するとこの最終巻のみ読んでいないという…。さておき、出身国・文化を背景に、ある意味で綺麗ともいえる型にはまったキャラ付けされた主人公たちが、旅をしながら、勧善懲悪的な物語を展開するという王道ストーリー。途中だらだら旅をしているシーンは欠伸が出そうな時もあったが、まあ、特段の文句もなく読み切った。いや、文句としては別のシリーズもあるということぐらいか…長いな…。

  • 【1~5巻通しての感想です】

    むかーし、1~2巻だけ読んでて、二十数年ぶりの再読で
    初めて最終巻まで読み通した。

    キャラクター性(一部ステロタイプではあるけど、
    登場人物間の会話描写は上手)や
    雰囲気を楽しむ小説、または創作神話として
    割り切って捉えれば及第点。
    情景描写もよい。
    しかし全体の構成は冗長で、ベタで判り易い複線と
    ご都合展開が多く、しらけてしまうのがもったいない。
    どうでもいいシーンが長かったりする割には、
    主人公の戴冠といった重要シーンはあっさりだったり、
    予言と宿命の肯定が前提で、知恵者による後講釈が多かったり。

    こういう長めの物語は、そのお話の長さに
    お付き合いしているうちに気持ちが入ってきて、
    それが終盤のカタルシスを生むわけだけど、
    それにはある程度成功していると思う。

    あと、いくつかの設定のツメの甘さが気になって萎える。
    例えば、クトル・マーゴス軍400万人(4巻)は多すぎ。
    中国人民解放軍より多いぞ。
    各地に散ってるのかと思ったら、1箇所(1地域)に集結してるし。

    とまあ色々あげつらっているけど、
    嫌いかというとそうではない。
    指輪物語を読みながら不満を言いつつ、
    そのくせ好きだったりするようなもの…かな。

  • おびえつつもカル=トラクとの直接対決におもむくガリオン。
    彼を援護するため軍を率い進軍するセ・ネドラ。
    仲が悪いのに愛し合っている少年と少女(いちおう夫婦)の戦いのゆく末は?
    そして、登場してきたさまざまに魅力的な人々のそれぞれの戦いが描かれる。
    その分ガリオンの影がとっても薄くなってしまうのだけど。
    ガリオンっていちばんノーマルだもんね。

    やがて運命に呼ばれた者たちはトラク神が眠る夜の都クトル・ミシュラクに引き寄せられるように集まっていく。

    完璧な小説でした。

    (2005年10月05日読了)

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