- Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150300883
感想・レビュー・書評
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この物語における神とは、超自然的ななにかであり運命のようなもの。それに抗わなければ、変えなければ、と行動する者たちと、仕方ないのだ、さだめなのだ、と抑え込もうとする者たちは古代から今にいたるまでいた(いる)。主人公たちは、情報工学、言語学や物理学、霊感能力まで動員して、神と戦おうとする。それを抑え込もうとする霊感能力者、そして神。科学とはなんのためのものか、という物語でもある。
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評価が...分からない。
神という存在を「論理記号が二つ、十三重の関係代名詞を用いる言語」という具体的な事実で現したのはすごい、のだろう。
神を"狩る"という発想も面白い。
ただ、結局神狩りは尻切れトンボのような形で終わっており、「神に勝負を挑んだ男の物語」というような印象。
SFに読み慣れている人だともっと感じることは変わってくるのだろうか??
内容はおいといて、文章や雰囲気は嫌いではない。
ミステリ畑でも活躍しているみたいだし、とりあえず山田正紀の他作品も読んでみよう。 -
元になった中編がSFマガジンに発表された当時、儂は高校生でけっこう夢中になって読んだ記憶がある。十代で読むべき小説のひとつだ。今読むと、大上段に振りかぶり過ぎて、何処に振り下ろしたらいいのか判らなくなったような印象がある。ちょっと考えるネタになるエンターテインメントとして、展開も早いし面白い。
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起承転結の「転」以外は面白い。そんな小説。
最初、タイトルをパッと見て神が指す概念はアジア的、土着的、つまり多神教の神だと思った。要は妖怪ハンターみたいな感じだと。しかし、この作品の神はキリスト教的な一神教の神。そいつをパソコンと古代文字の解析でやっつけるというとんでもない発想に心震えた。が、物語の絶頂部分が今一盛り上がらず神とは何かにも踏み込まず、あれと肩透かしを食らう。でも最後のまた神に挑むワクワク感はテンションが上がる。 -
こういうスケールの大きなSFも日本にもあったのだな。
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やっぱり少し古いね/ 古さなりの堅さがある/ 押井守が小説を諦めた一作だと、少し気負いすぎた/
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謎の古代文字の解明をめぐるあれやこれやまでは面白かった。緻密な論理建てによる言語学の知識も興味深かった。
かなりエンタメに偏ってはいたけれど、「人間」対「神」の対立の構図はわくわくしたし、時間がたつのも忘れるほど夢中に読み進めることができた。途中までは。。。。
なのに、あっさりと神と交信可能な霊能者が登場し、それまでの緊張感は一気に失われてしまった。え、だったら霊能者に聞けばいいじゃん!古代文字とかどうでもよくね?と思ってしまった。あと、ジャクスンっていったい何者だったの?なんで人間側を妨害してたの?火星に古代文字???何のために?????人間が火星に行くのを神が妨害してる?????何のために??????
「神」のイメージ設定がぶれまくり。
前半が面白かっただけにただただ残念な結末でした。 -
古代文字をとっかかりとし、神を暴こうとする作品。古代文字の特徴から理論的に神が証明されていく展開は面白い。神という絶対的な存在と主人公たちを襲う事件は証明途中であるはずの神をより強く表しているよう。展開に単調さも感じてしまったが、高みに上がっているのか、落ちぶれているのかが分からない主人公の行く末はぜひ見てみたいと思いました。