そして夜は甦る (ハヤカワ文庫 JA ハ 4-1)

著者 :
  • 早川書房
3.67
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本棚登録 : 1210
感想 : 144
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  • Amazon.co.jp ・本 (417ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150305017

感想・レビュー・書評

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  • 3+

  • デビュー作をようやく読んだわけだが、これはとても辛かった。
    何が辛かったって、読んでも読んでも全然終わらない、そしてやがて読めなくなっていく……

    ルポ・ライターの失踪、怪文書、東京都知事狙撃事件…。(「BOOK」データベースより)
    とても盛りだくさんなうえ、登場人物が多く、だがその登場人物もなかなか頭の中で像になってくれず、(都知事だけは某都知事閣下(笑)がとても自由に私の中で演じてくれましたが(笑)、間を開けてしまうことが多かったので、そういう初歩的なところでも苦労しました。

    内容はとっても優等生で、まるで教科書や参考書を読んでいるのかと疑いたくなるほど完璧な殺人マニュアルでした。(などと言うと、とても誤解がありますが
    プロットはとても複雑で込み入っていて、決して生易しいものではありません。
    ですが、やはり一昔前の印象がそこここに漂い、犯人の目星、動機、詳細な犯行内容までがわりと早い段階で推理出来てしまうのが残念だった。
    しかし翻訳調の素晴らしさや沢崎の台詞の格好良さがずば抜けていて、「面白かった?」と聞かれると間を開けずに「面白かった!」と言ってしまうくらい今回も心に残る作品となりました。

    そして何よりおまけが本編よりもずっと格好よくてじたばたする件について。
    私にとっては、もうこちらが本編でした。(おい


    今回は「読む」という行為に対して、私のほうの準備もできていなかったけれど、話が佳境に入るまでが冗長で内容が頭に入らず、途中沢崎だけが次にすべきことを分かっているという状況がわくわくにつながらず、辛かった。

    そして本当の久々に本物のハードボイルドに浸かったので、吸ってないのに頭がショートピースでヤニクラ起こしています沢崎たまらんハアハア!

    次はどれを読もうかな。
    原先生の次回作が出るのが先か、私が彼の著作物を全て読み終えるのが先か……(笑)

  • 途中までは会話や展開が冗長だなと思って読むのがだるくなっていたのだが真相が語られ始めると、どこにも無駄な箇所は無くうまい具合に伏線となっていた。
    沢崎の言動の随所に渋さが感じられてかっこ良かった。本格的なハードボイルドは初めて読んだが、最初にこれを読んで良かったと思う。

  • 98038

    ジャーナリスト誘拐と都知事選挙が絡みあってやや煩雑。じっくり書いてあるがエピゴーネンの域を出ない。

    ★再読――――――――――――――――――――――――――――

    回転木馬のデッドヒート/村上春樹

    98039

    初読の時ほどの感慨はなかった。

  • 日本が舞台ながら超ハードボイルド&超クールな主人公沢崎カッコヨス。今ホットなあの都知事を彷彿とさせる都知事(俳優の弟も出るよ!)が出てくる上にスゴイ展開なのでオススメ。

  • 緊密なプロットも陰影のある人物造形も絶品。まさにハードボイルド。

  • 年末年始に向けてお借りした、めったに読まないジャンル。目新しくて楽しかった。男性の書くハードボイルド探偵は実在感が全くない。このシリーズの主人公沢渡(ファーストネームはずっと不明のままである)は、お掃除はする。作品になっている事件の最中には着替えはほとんどしない。自宅に帰ることはめったになく、当然入浴の機会も少ない。臭くないのが不思議。食事はメタボになりましょう、お手本のような食生活で、どこへ行くにもたいてい酷使された中古のブルーバード(まだ生産しているのかな)なので、運動不足は必至。でも、どこで培ってきたのか喧嘩の要領は身に着けているようで、数少ない立ち回りのシーンでは割と要領がいい。生活費や経営の必要経費は下請けや雑多な依頼報酬である小金から作ることにしているらしく、規定額以上の大金のやり取りは全てお断りしている。係累はなし、友人と相手は思っていても本人が思っている人間はほとんどなし。自分から仕事以外の件で人を誘うことはほぼ無し。ペットなし。事件がなければいつも一人だ。趣味は記載されていないが、あえて言えば時間つぶしに棋譜を読むこと?楽しい思いをするのはきらいらしい。

  • チャンドラー意識しすぎだと思う。いいぞもっとやれ。やっぱ舞台が東京だと土地勘あるのでわかりやすいなあ。ともかくチャンドラー分が濃いので好きな人にはお勧め。それを差っ引いても面白い。いいからとにかく読んでほしい。

  • 感想未記入

  • ●あらすじ●
    探偵・沢崎シリーズ第1弾。

    西新宿の渡辺探偵事務所唯一の探偵・沢崎の元に、ある日見知らぬ男が訪れ、佐伯という男の行方を教えて欲しいと言う。沢崎には心当たりがないため彼を追い返したが、直後に、日本有数の企業「東神グループ」の経営者・更科からも佐伯の行方を尋ねられる。佐伯とは更科の娘・名緒子の夫であり、ルポライターなのだという。名緒子との離婚届に判を押し、5千万円の慰謝料を受け取りに来ると言っておきながら結局現れず、そのまま行方知れずとなっていたのだ。沢崎は名緒子からの依頼を受け、佐伯の行方を調査することになる。調査を進めていくうちに、佐伯が大きなスクープを追っていたこと、さらに数ヶ月前の東京都知事選に絡む怪文書事件、その後に起きた向坂都知事の狙撃事件との関連が浮かび上がってくる。
    佐伯の行方は…そして全ての事件の首謀者は誰なのか?

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