蒼いくちづけ (ハヤカワ文庫 JA カ 3-29)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 218
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150307011

感想・レビュー・書評

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  •   不滅の愛があるならば、憎しみもまた・・・

    めずらしく分かりやすい神林ワールド、終わり方もいい

  • 蒼いくちづけ (ハヤカワ文庫JA)

  • 敵は海賊・雪風シリーズ以外のものをほぼ初めて読みましたが、割と真面目に刑事もので。敵は海賊で真面目に事件を追ったら、こうなるんだろうな、と面白かったです。
    孤独な男同士の共感もたまらないが、孤独な男と赤ん坊もやばいな、と。

  • 図書館で。
    ヒロインが初っ端に重体になりそこから始まるラブロマンスと彼女の能力というか身体を狙う悪者とのミステリーというなんとも不思議なお話でした。
    テレパスが使える人間と使えない人間、さらに力の強いテレパスが居る世界を矛盾なく書かれているのはさすがだなあって思いました。最後が切なくも良いですね。これこそ純愛だなあなんて思いました。

  • 精神感応力(テレパス)を持つ者と普通の人々が共存する月開発記念市。
    テレパス能力を持ち、生まれてすぐ親に捨てられ、施設では同じ境遇の子供たちからさえ毛嫌いされ、ひとりで生きてきた17歳の少女・ルシア。
    「これまでなんにもいいことなかったわ」と嘯く少女の鬱屈した心は、初めての恋によって解放されようとしていた。しかしルシアが信じた年上の恋人は、能力者の精神感応細胞を奪って他人に成りすまし、警察から逃亡を続ける犯罪者・ブートタグだった。
    彼の目的はルシアの精神感応細胞。毒を盛られたルシアはブートタグへの激しい憎悪を抱きながら死に、やがて彼女の憎悪の念が周囲の人々に陰惨な死をもたらし始める。
    しかし逆にその憎悪によって救われた者もいる。無限心理警察刑事OZ。強力なテレパスであるがゆえに孤独であった彼は、少女の魂を救うために月へと向かう――。

    死してなお尽きない無限の愛があるように、尽きない憎悪もまた存在するとしたら。
    読んでいる間、フィリップ・K・ディックの『流れよわが涙、と警官は言った』の作中の台詞が思い出されて仕方なかった。
    「ほんとうに愛してくれていて、助けてくれる人には会えないものよ。知らない他人とばかり関わりあいになるのよね」
    ルシアとOZの出会いは遅すぎたように見える。しかし死んでから出会っても、お互いを救い、救われる関係が、何より読む者の心をすくう。

  • 遙か未来の白雪姫の物語。

  • 自分を騙した男への強い殺意を抱きながら死んだテレパスの少女。死によっても消えなかったその強い意志としての殺意は、人間的な意識と切り離された純粋な憎悪となって加害者以外をも対象として広がって行く…。ファンタジーめいたホラー、あるいはホラーめいたファンタジー、というべきストーリーだが、センチメンタルに流れそうなある少女の物語を、かっちりとした“科学”で支えて単なるジュブナイルに終わらせないのが神林作品。魔法ではない、物理的な現象の一つとしての精神感応力――その有無はいわば肉体的な問題であり、テレパスと普通人の間にはそもそも生物学的な差異がある、という神林氏オリジナルの論理展開がとても面白かった。
    それにしてもジャンルの枠にとらわれないと言うか、ジュブナイルとハードボイルドをSF世界で描き切ってしまうところが、神林氏の凄いところだと思う。青春路線にはあまりそそられないので★は三つにとどめたが、設定や作りの面白さはさすがで、神林ワールドを十分堪能できた。

  • なんかホラー。

  • ありきたりの筋でもこんなに美しい物語になるのだ。猶予の月も読み直そう。どうせ暇なんだし!

  • テレパスと普通人が月と地球に住んでる設定のSF。強い殺意を持ったまま死んだテレパスが、付近住民に迷惑かける話。
    ラストがどうなるのかと期待していたが、なんか青春ドラマのような終わらせ方に、ちょっと唖然。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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