- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150311254
感想・レビュー・書評
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岡井崇『デザイナーベイビー (下)』ハヤカワ文庫。
医療の倫理的な課題に触れた社会派医療ミステリーの下巻。
ストーリーとしては面白いのだが、小説としては粗が目立つように思うし、結末がちょっと納得出来ないかな。
城南大学を舞台に女児誘拐から始まった一連の事件は、実は相互に関連しており、人工授精、遺伝子操作、代理母出産、卵子売買という生殖医療ビジネスの闇へとつながっていく。
本体価格700円
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医療小説
新生児誘拐に端を発する一連の事件は、西牟婁警部らの懸命の捜査にもかかわらず、波紋を広げるばかりだった。だがわずかな手がかりを得た捜査陣はついに一筋の光明を得る。そのころ須佐見教授もまた事件解決につながるピースを手にしていた。人工授精、遺伝子操作、代理母出産、卵子売買…技術は進みながらも法整備が大きく遅れている生殖医療。 -
2015.3.24読了。
上巻が読み終わる頃には物語の世界にすっかりのめり込んでいたこともあり、一気に読んだ。
江嶋敏幸の両親のDNA鑑定のくだりは、今まで知識を溜め込んできた捜査陣ならひらめきそうなものでは?早く令状をとらないと!なんてやきもきしてしまった。しかも、江嶋が逮捕されても望美が…?と、最後までハラハラしたが、終わりよければすべてよし!といった結末に、著者の優しさがにじみ出ているようで読後感は爽やかだった。
生命倫理についての問題提起もされており、そういった意味でも誰かに教えたくなる作品だった。