ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2 (ハヤカワ文庫 JA オ 6-35)

著者 :
  • 早川書房
3.72
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本棚登録 : 277
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150315061

作品紹介・あらすじ

遠い未来、辺境の巨大ガス惑星。大気を泳ぐ魚を資源として暮らす社会で、女同士の漁師ペア、テラとダイの活躍を描く宇宙漁SF!

感想・レビュー・書評

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  • 2022年2月ハヤカワJA文庫刊。書き下ろし。2年ぶりのシリーズ2作目。読み始めてそそ、こういうテンポだったなぁと思い出しました。星系脱出冒険劇が始まるのかとワクワクしましたが、氏姓組織内でのゴタゴタな展開に始終するストーリーにちょっとがっかり。次作に期待です。

  • ユリ漁業SFの2巻。様々な因習からの脱出と巻き込まれた陰謀からの脱出。今回は痛快な物語になっています。次巻ではついに外の世界に出た後の話になるのかな。

  • 地続きで話がスタートする構成で、思い出すのに少し時間がかかってしまった。
    1巻に比べると爽快感やストーリーの壮大さはあまり感じなかった。
    ただ、これまで以上に深く描かれる二人の関係性と氏族のしがらみ。合間合間で見え隠れする女同士のペアに対する旧態依然とした価値観と偏見。そういったものに翻弄されながら、引き離された二人が手を取り合い、新たな世界へと飛び立つ二人の姿も含め、世界観はしっかりと描かれていたように思う。
    もうちょっと各氏族の話や氏族船の描写を見たかった気もするが、次作は銀河往来圏の話になるのかなあ。

  • 続巻出たんだ~と購入。
    前巻の最後を漠然としか覚えていなかったので、そういえばこんな感じだったっけ?というふんわりしたイメージから読み始めました。余談ですが、表紙の絵、どっちがテラさんでどっちがダイさんなんだろう?

    今回は背景が面倒くさそうなダイさんの氏族背景に、さらに面倒くさい過去の女(過去の女というだけで面倒なのに、さらに本人が非常に面倒くさい性質というダブルパンチ)が出てきて大変なことに。

    恋愛感情は異性とはぐくむものであり、同性の間にそんな感情なんてあるわけがないという大前提が常識の世界で、二人でいるのはなかなか面倒そう。でも外の世界に行ったからと言ってその面倒さが削減されるかはわからないしなぁ。まぁ、二人には楽しく漁をしてもらいたい感じではありますが。なんかダイさんの思考が色々面倒なので、この女面倒くさいな~感が今回は増していたような気がします。ニシキゴイ漁は面白かったです。

  • ダイオードとテラの二人。どうあっても二人はFBBで暮らすには不適合であることが判明してしまいました。似たような意識を持つ人もいるし、理解を示してくれそうな気風が生まれそうだという希望もある。ただ、その社会が醸成されるを待つには、二人の人生は短い。そして、待つぐらいだったら変えてやるではなく、ここではないどこかへ行ってしまえ!の二人なのです。悪いことにエダさんという協力者の存在もあって、臨界へ達してしまった二人を止められるものはない。
    違ったとこでも達してしまった二人です。

    屋根裏で何をしていたか見ていたのですか、ですって。残り香で何をしていたか、ですよ。テラさんってば癖が強い。

    「ランナウェイ」してしまった二人を待ち受けるものはなんなのか。GI社会では、二人を縛っていた男女の垣根がどうなっているのか。この縛りがなくなると、「サイクロン」ではなくなってしまうので、物語の魅力が半減してしまうのではないかなぁ。未来の社会が現在よりも進化しているとは限らないので、より硬直化してしまっている可能性は大いにあるのですがね。ダイバーシティ?なにそれ?という社会かもしれない。
    どこまで行っても安住の地が得られない、というのは二人には酷なことではありますが「サイクロン」である以上、ぶち壊す対象は必要です。その結果、象徴としての「ツインスター」になってゆくのか。だとしても、そんなこと知ったことかの二人なんでしょうけども。

  • 表紙の女の子たちが読んでて脳内再生されない。
    続き物で、まだまだ続く。

  • 風呂敷を広げることを意識されたのかなと言うような印象の1巻。いろいろな要素、伏線が散りばめられて、今後に対する期待も不安も覚える。

  • この世界の全貌が少しずつ見えてきてワクワクする。百合の要素が結構ストレートに描かれていて、『天冥の標』を思い出した笑。まだまだこの二人を追いかけたいので続編希望。

  • 男性と女性が、夫婦で、漁をすべし。
    連綿と受け継がれてきた「伝統」「ふつう」の枠組みを蹴り飛ばして走り出そうとしたテラとダイ。

    今回は陰謀とこのサークス世界の枠組みに関するストーリーで、前作ほどの爽快感はないものの、メイカ・次号との対比がどうにも切なかった。
    そしてどうやら「次」もあるようなので、さらに次はまた漁のお話のようなので、期待!

  • ハラハラドキドキの百合SF。
    あれよあれよという間に大さわぎで、大脱出。

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著者プロフィール

’75年岐阜県生まれ。’96年、河出智紀名義『まずは一報ポプラパレスより』でデビュー。’04年『第六大陸』で、’14年『コロロギ岳から木星トロヤへ』で星雲賞日本長編部門、’06年「漂った男」で、’11年「アリスマ王の愛した魔物」で星雲賞日本短編部門、’20年『天冥の標』で日本SF大賞を受賞。最新作は『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2』。

「2022年 『ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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