北人伝説 (ハヤカワ文庫 NV ク 10-7)

  • 早川書房
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150406936

作品紹介・あらすじ

バグダッドの使節イブン・ファドランは、旅の途上で屈強の一団と遭遇した。彼らこそ勇猛で知られる北人-。バイキングであった。彼らの客となったイブン・ファドランは、北方のロスガール王国の救援に馳せ参じる北人の勇士十二人に同行することになる。王国は邪悪な死者常食族ウェンドルによって危機に瀕していた。かくして北人とウェンドルの激烈な闘いが幕を開ける。十世紀の北欧に展開する血湧き肉躍る伝奇ロマン。

感想・レビュー・書評

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  • いったいこれは何なんだ。歴史的事実なのだろうか。どこまでが真実でどこからが創作か。ファドランなる人物は実在するのか。(解説によるとちゃんと実在するそうだ。)マイクル・クライトンにしてはしんきくさい出だしだなあと思って読み始めたが、やはりマイクルであった。ある町にたどり着くと、そこは何者かによって皆殺しの状態であった。そのあたりからは一気に引き込まれていく。ストーリー自体の展開もおもしろくなっていくが、ところどころにはさまれる、北人たちの風習など、アラブ人との違いがおもしろい。バケツ一杯の水で顔を洗って、その水でうがいをして、そのバケツの中に吐き出して、またその水を次の人に回すとか。排泄のあとに手を洗わないとか。セックスのあとにも洗わないとか。しかし、女は奴隷とはどういうことであろうか。亡くなった男の横に入れられ、一緒に葬られる。死に対する感覚がいまとはずいぶん違うのだろう。ところで、時代が重なるからだろうか、本書を読んでいるとカズオ・イシグロの「忘れられた巨人」が思い起こされた。

  • 最初から最後まで主人公バクダットの使者の紀行文、それも逸散した文献を寄せ集め、それに学者が解説をつけたという形式で語られる。それなりにリアリティを出そうとする試みなのだろうが、それほどの効果が得られたとは思えない。むしろ読みにくさを感じるほうが多かった。
    最後にアッと驚かせようという嗜好があるのだが、これもさほどの感動するようなものではありませんでした

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    バグダッドの使節イブン・ファドランは、旅の途上で屈強の一団と遭遇した。彼らこそ勇猛で知られる北人―。バイキングであった。彼らの客となったイブン・ファドランは、北方のロスガール王国の救援に馳せ参じる北人の勇士十二人に同行することになる。王国は邪悪な死者常食族ウェンドルによって危機に瀕していた。かくして北人とウェンドルの激烈な闘いが幕を開ける。十世紀の北欧に展開する血湧き肉躍る伝奇ロマン。

  • 「イブン・ファドランの旅行報告書」をもとに書かれた冒険物語。どこまでが史実でどこからがフィクションか分からない書き口は、流石マイクル・クライトン。

    アラブ人のイブン・ファドランから見た、北人(バイキング)たちの豪放で大らかで誇り高い生き様がかなり詳細に書かれている。こんな連中にしてみたら、戦いと宴しかないヴァルハラは本当に天国なんだと納得できる。

    バイキングとの会話はたった一人の通訳の戦士を通して行われるところが、一歩引いた客観的な視点で良いと思った。

  • 薄いくせにページが重い。いくら読んでもおもしろくない。どきどきもわくわくもうんちくによる好奇心の快感も視覚的な描写も、つまりクライトンに必須な魅力の何もない。初期作品はもういいや。

  • バグダットの使節イブンがバイキング(北人)の客となり、遠方の王国へ救援に向かう勇士に同行する、という異文化見聞録の物語です。10世紀に実在した人物、イブン・ファドラーンが記した見聞録をベースに、マイケル・クライトンが冒険活劇のドラマに仕立てています。さらっと読める面白い小説でした。

  • 映画化されたらしいがおもしろくない

     13ウォーリアーズって名前で映画化されたらしいが、最初の数ページを読んだ段階でギブアップ。風邪気味だからかもしれないが、スローすぎるテンポと理屈っぽさが鼻について廃棄処分。

     マイクル・クライトンものは、はずれが少ないんだが、今回ははずれだなぁ。

  • 雪男の伝説はよくある。UMAの1つなのかもしれないが、現代人(クロマニヨンの子孫)とは別に、ネアンデルタール人の末裔がいるのかと思わせる物語。ジュラシック・パークの作者だが、けっこう「あるだろうな~」と思わせてくれる作者です。

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