- Amazon.co.jp ・本 (676ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150407063
作品紹介・あらすじ
日本企業ナカモトがロサンジェルスに建てた超高層ビルで、美人モデルが殺された。緊急連絡をうけた渉外担当官のスミス警部補は、日本人絡みの事件に豊富な経験を持つコナー警部とともに現場へ急行する。しかし、ナカモトの現場責任者イシグロは、なぜか強硬に捜査を拒む。しかも、犯行時の現場が映っているはずの警備用ビデオテープは、何者かに持ち去られていた-。センセーショナルな反響を呼ぶ日米経済摩擦ミステリ。
感想・レビュー・書評
-
もう何度も書いたけど、私はクライトンのファンである。SFモノは当然として、医療モノやサスペンス調のもの、インナートラベルズも好きだ。
このライジングサンは、バブル景気の頃、日米経済摩擦と言われた頃の米国での日本企業の振る舞いの話でもある。
実は本書を読んだのは初めてだけれども、映画のビデオは一部観たことがあった。それは会社の英語研修の「Cross Cultural Comunications(CCC)」クラスで観たのだった。残念ながら、ほんの一部分で、それもあまり面白いシーンではなかった。
でもこの本を読んで、如何にクライトンが日本と日本人について、当時理解が深かったのかよくわかった気がした。当時、内容が日本バッシングとか話題になっていたが、日本に対する悪意は全く感じられない。
CCCで相互の違いを正しく認識する題材として、日本人にも、米国人にも役に立つ内容だと思う。
さらにあれから20年が過ぎ、今や日本は当時の米国のような落ちぶれぶりなのかもしれない。復活のためには、AppleやGoogleに学ぶべきなのか、それとも中国に学ぶべきなのか?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
バブル弾ける前の日本全体がヒャッハーな時代に書かれた作品。今から思うと、こんな時代が本当にあったとは信じ難いくらい。作者の日本評はなかなか鋭いが、陰謀的なところとか先進技術のあたりはちょっと買いかぶりすぎという気もする。今の時代、これをアジアのどっかの国に置き換えられるんじゃないかというのは大きな声では言えない。
そういうところを抜いても、ミステリーとして十分面白い。 -
ライジング・サン (ハヤカワ文庫NV)
-
いつごろ読んだか?
-
図書館のリサイクル市でもらってきた本。村上春樹の小説にも名前がチラッと出てきて気になっていた。でもしばらくは、本棚で眠っていた。先日、クライトン氏が亡くなったという記事を新聞で見つけ、ちょっと読んでみようという気になった。一気に引き込まれた。経済の話が多く、疲れるところもあるし、少し話題が古くなっていると感じることもあるけれど、とても楽しめました。こんなことならもっと早く読んでおけばよかった。後半、人がいとも簡単に死んでいくのは、「ジュラシックパーク」と同じなのかと思ったりもしましたが、もちろん、ストーリーは全く違います。ミステリーとしての骨組みはもちろんおもしろいのだけど、日本人に対する見方を読んでいくだけでも楽しめました。外国の小説はどうしても登場人物の名前が覚えらず苦労するのですが、最初に人物紹介が載っているのにはずいぶんと助けられました。
-
クライトンのジャパン・バッシングと呼ばれる作品。今回は筋よりもアメリカでの日本人ビジネス戦士たちを描いている。
私には書評ほどバッシングとは読めない。日本人はレイシスト(人種差別者)だとかいったところは的を射ていると思う。自らがその被害に遭っていると思う反面、自らも国内では進んでそういった行動をとると思う。さりげなくガイジンを排除する雰囲気があるという程度だが、確かにレイシストと感じるだろう。
日本人の描き方がビジネス戦士過ぎるが、それは外国まで行ってる日本人を見るからかもしれない(このフレーズは私自身が海外で働く日本人をレイシストしているのかな?)。総じて言えば、あまりおもしろくなかったってことかな。 -
/?day=20060531
-
経済ネタや国民性ネタの方に気をとられてしまい、あたくしの中ではストーリーの存在感が小さくなってしまいました。
気合入れて読まないと内容についていけないかも(笑)映画は見ていませんが、おそらくショーン・コネリーが演じたであろう嘱託刑事の深い人間味が良いです。