いつも「時間がない」あなたに (ハヤカワ文庫 NF 483)

  • 早川書房
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感想 : 69
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150504830

感想・レビュー・書評

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  • 261ページ 10章から

  • タイトルが悪い、この本のテーマは「欠乏」である。貧困…世界的な貧困…における負のサイクルがどう生まれるのか、そのきっかけの欠乏という現象がどういうものなのかを明らかにした本である。
    貧困に陥る状況の心理的分析をするとき、経済的に裕福な我々はどの程度理解できるのかという困難がある。私は本書のような実験的なアプローチより、社会に対する意欲を生み出す哲学的、文学的アプローチのほうが好きなのだが、その困難の克服に、時間という資源の欠乏をヒントにしているところが優れており、新鮮さを感じる。
    ただ、そもそも経済は個人ではなく社会、人との関係によって成り立つ。したがって、本書で取り上げられている実験的アプローチでは、個人の判断や認知、処理能力を際立たせる心理実験の知見と、貧困社会の構造の理解には決定的なギャップがある。ゆえに、ここでの帰結は、企業における管理職など方針や対処の方針を決め、必要な措置を指示する個人の能力分析にしかならず、社会全般にまで広げたこの本の範囲は、酒場の話題以上にはなれないように思う。
    もう一点、この本は心理実験の記述が悪い。何が目的で、何を有意として帰結するのかをハッキリしていないうえ、実験そのものの解説が粗末で何を言ってるかわからなくて大いに不満で、的外れな邦題への不満と相俟って途中投げ出したくなった。
    繰り返すが、この本はタイトルを誤っている。時間の欠乏を核に書かれた本だと思うととんでもない読み間違いをしてしまう。こういうインチキじみたタイトルをやめることはできないのだろうか。
    ということで★を二つ減じて一つ。危うくなくなるところだった。

  • 主に時間とお金に関して、なぜ欠乏が起きてしまうのかのメカニズムを大量の研究によって解明する本。
    よく夏休みの宿題は夏休みが終わるギリギリになって初めて焦って手を付けるみたいなことがあるけれどなぜそれが起きるのか、みたいな。
    時間がない状態に陥るとそこから脱するために処理能力を占有されることになりさらに時間を失う状況に追い込まれてしまうみたいな話が面白かった。
    一番大事な、じゃあそういう状態にならないためにはどうすればいいかみたいなとこがすごくあっさりしてたのがちょっと物足りなかったかも。

  • 欠乏が起こす問題はそのことに集中しすぎること。
    他のことに集中出来ずミスする

    貧乏な人は視野が狭いなど。


    話が冗長すぎる点が難点

  • 時間管理の本かと思いきや、行動経済学の本。欠乏状態をいかにして回避、もしくは自分でわかった上で利用するか?

  • 欠乏とは、自分の持っている者が必要と感じられるより少ないことである。

    誰しも貧しくなると、有効な処理能力が落ちる

  • 余裕あるときなら十分予測出来たこと|してたことなのに、忙しくて先のことを考えられずにほっといて、いざそれが起こると驚きと衝撃を受けたり...

    たとえばプロジェクトでも、ボヤに気づいてはいてもトンネリングの外にいってしまって炎上してから気づくなんてことは達成や時間への欠乏が生んでることなのかな。往往にして詰め込みが正義(であらねばならない)という考えに陥りがちだけどスラックを持つことは怠けではなく、リスクヘッジだということにとらえ直さないとね。

  • 2018/08/27 初観測

  • 序章
    第1部 欠乏のマインドセット
    第1章 集中とトンネリング。第2章 処理能力への負荷。
    第2部 欠乏が欠乏を生む
    第3章 荷造りとスラック。第4章 専門知識。第5章 借金と近視眼。第6章 欠乏の罠。第7章 貧困。
    第3部 欠乏に合わせた設計
    第8章 貧困者の生活改善。第9章 組織における欠乏への対処。第10章 日常生活の欠乏。
    結論

  • タイトルだと、時間管理について書かれていると思ってたけど、内容は各種の貧困についての学術書。
    丁度貧困層への支援について考えていた時に出会ったので、参考になった。

    読んだ結果、貧困層への支援の難度の高さが思った以上に大変だと思った。

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