三つの棺〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫 カ 2-21)

  • 早川書房
3.63
  • (22)
  • (52)
  • (52)
  • (7)
  • (2)
本棚登録 : 663
感想 : 51
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (415ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150703714

作品紹介・あらすじ

謎の客は密室から煙のように消え失せた! 史上に名高い〈密室講義〉を含む不朽の名作

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「また罪を犯してしまったよ、ハドリー」博士は言った。「また真実を見抜いてしまった」

    はい、このミス海外2024年版の1位『頰に哀しみを刻め』と同3位『処刑台広場の女』(こちらは未読)の翻訳者であり、現在ひまわりめろんの中でプチブレイク中の加賀山卓郎さん
    なんとあのジョン・ディクスン・カーの翻訳も手掛けていらっしゃいました

    翻訳者さんで選書するのを「通」だと思っているワタクシですので、早速かの有名な『三つの棺』を読んでみましたよ!
    (『処刑台広場の女』はまだ読みません、焦らすね〜)

    もちろん海外古典本格好きのワタクシが『三つの棺』を読んでないわけがありませんので、一応再読ということになりますが、前回は三田村裕さん訳でした

    今回は「新訳」と銘打ったものだけあって、いや〜読みやすかった!ちゃんとは覚えてないけど三田村裕さん訳はもっと難解だった気がするな〜

    今の子たちはほんと幸せよね
    この幸せを活かしてどんどん読んでほしいわ古典ミステリー
    もうすごいから

    本作『三つの棺』も、もうすごいです
    カーが生み出した名探偵のひとりフェル博士が活躍する密室殺人ものなんですが
    マジで、マ!ジ!で!教科書です
    あらゆる意味で密室殺人の教科書と言える作品で、これ読んだことない人は本格ミステリオタクとは認めてもらえません
    本棚にこれない人は神保町にある社団法人本格ミステリオタク協会の会員資格を得られません
    受け付けで追い返されます「こちとらボランティアじゃないんだよ!」とガチギレされます「非営利違うんかい!」言っても「税金払っとるわ!」とさらにキレられます
    もう読むしかないわな『三つの棺』こうなる前に


    次は加賀山卓郎さん訳何読もうかな〜(『処刑台広場の女』違うんかい!)

    • ひまわりめろんさん
      何がよ!
      何がよ!
      2024/01/12
    • おびのりさん
      だって、自分の本棚で、ひまわりめろんのいいねを確認しちゃうじゃないの。
      だって、自分の本棚で、ひまわりめろんのいいねを確認しちゃうじゃないの。
      2024/01/12
    • ひまわりめろんさん
      いや、一Qさんだけよ

      おびー含め他の人に関してはほぼ「いいね」してないイコール「目にしてない」だよ

      一Qさんは大事な弟子だから厳しく接し...
      いや、一Qさんだけよ

      おびー含め他の人に関してはほぼ「いいね」してないイコール「目にしてない」だよ

      一Qさんは大事な弟子だから厳しく接します!
      2024/01/12
  • 密室もののディクスン・カーの傑作、と昔何かで読んで、初めて読んでみた。フィル博士のシリーズものの1つらしいけど、他の作品を読まなくても楽しめました。

    密室で死んだ男、直前に押し入った謎の男は部屋の中にはおらず、建物の周囲は雪に覆われていたが故に、犯人と思われる謎の男が忽然と姿を消したことを示している。事件の解明に乗り出すフィル博士たちだが、間をおかずして、第二の事件が起きる。雪道の上、近距離で撃たれたであろう男の死体、本人以外の足跡は残されていない。空でも飛べなければ不可能な殺人を、現場の状況と、関係者の発言からパズルのピースをはめるように解いていく。

    雪を舞台装置にした密室ものの先祖がこの作品なのかな、と思いながら読んだ。途中に入るメタい講義も、独創的だと思う。つららを凶器に使ったトリックと聞いて斜め屋敷が脳裏によぎった人は私だけではないはず。
    たまたま時計が遅れていたり、やたら頑丈な被害者だったり、内心「そんなんあり?」とツッコミ、ちょっとスッキリしない気分と、海外の古典っぽい独特の言い回しや冗長さを楽しみながら読了。

  • フェル博士シリーズの6冊目「密室談義」で有名▲雪が降り積もるロンドン、銃声が響くドアを破ると、絨毯の上には胸を撃たれて瀕死の教授が倒れていた! それも密室状態の部屋で▼語り手は三度目の登場ランポール、ハドリーは警視に昇進です。トランシルヴァニアや巨大な絵、カリオストロ、奇術師とオカルト趣味で酔わせ、更にメタフィクションで揺さぶる。前作に続きやり過ぎ感がありますが、トリックの図解などキチンと説明してくれるので安心です。博士の酒量が少なく、ビールを飲んで騒がないのは時間がなかったから?満足の一冊(1935年)

  • 最近の作品と違って少し読みづらさを感じたが、密室についてよく練られた作品であると感じた。
    かの有名な密室講義は他の作品を読む上でさらに面白さを向上させるような内容だったが、当の密室トリック自体は個人的にはうーんという感じだった

  • 常識人のグリモー教授が密室で銃殺される。その直後には犯人と思われる男もまた、信頼できる目撃者たちの前で銃殺された。二つの密室の謎を解く鍵は三つの棺が描かれた絵?フェル博士が解いた謎とは。
    有名な「密室講義」が最高。コレは名作→

    個人的に訳が合わなくて(新訳版なんだけど古き良きクラシカルな翻訳っぽい)なかなか入り込めなかったんだけど、密室講義以降はぐいぐい引き込まれた。
    内容的には好きではないけど、この密室トリックはすごい。よく考えたなーと思う。最後まで読んで冒頭に戻ると「なるほどなー」ってなる。

  • 有名なディクソン・カーの密室殺人事件を題材にしたミステリ。面白いと言うよりおごそかな文体。

  • 2021年7月29日読了。雪の夜に行われた密室殺人と犯人の姿なき殺人、「三つの棺」と事件たちの真相は…?ジョン・ディクスン・カーの最高傑作と名高いミステリ、特に作中で探偵ギデオン・フェル博士が披露する「密室講義」が有名だが、確かにいきなり「探偵小説の主人公」たることを宣言し名作ミステリの密室殺人トリックを解説しだすあたりはさぞ当時の読者の度肝を抜いたろう…。というか1930年代のこの頃からすでに、氷を使った凶器なき殺人、というのは手垢のついたありふれたトリックだったのね…人間は進歩しないものだ。現代の小説に比べると進行のテンポも悪いが、もったいぶった関係者へのヒアリングがフェル博士の推理でググッと予想外の方向に前進する感覚が癖になる。面白かった。

  • すごい密室だった。
    一体どうやって作られたのだ、この密室は、の一心で読み進めておりました。
    そして、謎を解くつもりで細かくメモってきた人で、真相にたどり着けた人はいるのだろうか。

    しかし、おそらく口癖やら体型的な理由かもしれませぬが、博士の咳というかなんというか。アレが気になりました。
    ああ、でも、日本的ステレオタイプに「ウォッホン」とかになってなくてよかった。
    原作ではどんな表現なんだろう。

  • 傑作が復刊ということで期待したが、古さを感じてしまった。

  • 密室講義を読むために本作品を手に取ったと言っても過言ではありませんが、実際にこの作品で使われたトリックが発端となりその後様々なミステリに使われていると思うと、当時これを考え出したことが如何に偉大なことか思い知らされます。

全51件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

別名にロジャー・フェアベーン、カー・ディクスン、カーター・ディクスン。1906年、アメリカ生まれ。新聞や学生雑誌への寄稿を経て、30年に「夜歩く」で作家デビュー。長年の作家活動の業績から、63年にアメリカ探偵作家クラブ賞巨匠賞、70年には同特別賞を受賞した。1977年死去。

「2020年 『帽子蒐集狂事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ジョン・ディクスン・カーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×