読者よ欺かるるなかれ (ハヤカワ・ミステリ文庫 テ 3-12)

  • 早川書房
3.49
  • (4)
  • (13)
  • (15)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 93
感想 : 18
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150704124

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 犯人の長台詞で犯行が明らかになるのはミステリとして薄味になるものだが、カー=カーター・ディクスンなら許す。出来不出来の激しい作家だが、これはAクラス。

  • あら、これ、続き物なんですね。

    初のディクスン・カー。
    舞台装置の設定が面白いですね、
    殺人の予告があり、超能力で人が死んでいくとは。

    すいすい読めます。

    ただし、トリックは・・うーん・・
    謎解きを楽しんでいく種類の推理物とは違う気がします。
    私はクイーンが好きなのですが、この小説だと
    「あっ、そうだったんですかあ・・・」という感想で限界。

    トリックがべつだんすぐれているというわけではないんですよね。
    ただ「超能力を持っていると自称する人間の裏で殺人をする」という着想は面白い気がします。
    現実にありそう、という意味で。

    カーはもう一作くらい読んでみてから判断したいところ。

  •  H・M卿モノ。
     あの死に際の状況は、正直あまり納得できない。やや、苦しいのでは、と珍しく思ってしまった。他の部分は面白く、さくさく読めた。

  • 念力で殺人、しかも予告します。
    面白かったです。
    H・Mは直接の褒め言葉に弱いんですね。
    かわいらしいところもあるんだなと思いました。

  • 一年くらい前に、古本屋で買った本。そして、何故か今の今まで読まないままにクローゼットに積んであった本でもある。 

    夫の「死に際」の状況とかは強引じゃないか、とか思う。
    でも、予想以上に面白かった。

  • 念力により人が殺せると豪語する読心術師。屋敷の主人、妻…と予言通りに人が死んでいく。はたしてこの『念力による死』は本物なのか?

    で、見事に欺かれました。トリックはネタ的にアレなところはありますが、各キャラの動きや犯人の動機、何よりH・M卿の犯人を追い詰める作戦、その根底にある探偵側としての動機に痺れました。
    カーの中ではベストじゃないけど、そこそこ楽しめる作品でした。

  • H・M卿シリーズです。
    タイトルがおもしろいので気になっていた本です。
    相変わらずの不可能犯罪です。
    読唇術師のペニークは念力で人を殺すと言って殺人予告をするのですが、本当にその予告のとおりに人が死んでしまうのです。
    このペニークがまた怪しく、どうしてもこの男を疑いたくなるのですが、ペニークには完璧なアリバイがあるのです。
    最後は一体どう解決するのかと思っていましたが、見事にカーはやってくれました。
    これは素晴らしいアイディアです。
    タイトルも納得のタイトルです。

  •  テレパシーで人を殺す話である。特殊な能力を持つと自称する男が、この時間にこの人を殺すと予言し、その時間に実際にその人が死ぬ。予言者には完璧なアリバイがあり、被害者はまったく外傷がなく毒殺でもない。大したもんだ、これを最後で鮮やかに説明するのだから。
     カーター・ディクスン(ディクスン・カー)の作品は、トリッキーな謎が飛び出してきて、そいつをどうやって合理的に解決してくれるのだろうとわくわくしながら読むのだが、実は最後まで読んでも、何がなんだかわからずに終わってしまうことがけっこう多い。が、この本は、最後で「なるほどこの手があったか」と納得してしまった。よくできてる。面白かった。
     また、トリックなどもなかなかいいのだが、物語の進み方もなかなかいい。伏線のちりばめ方なども含め、楽しかった。最後の解決のために書いているって印象ではなくて、途中途中がハラハラしながら楽しめた。いいミステリだった。

  • タイトル通りのことを言いたいです。
    「読者よ欺かるるなかれ」
    でもあの展開からするとついつい
    そのメインに出てくるあの人を
    疑いたくなってしまうのですわ。

    これまた奥にはとんでもない
    事情が隠されているのです。
    しかも真実がああいう結果になっていると…
    驚かざるを得ないことでしょう。

    ある意味残忍な犯罪です。
    言葉どおりに受け取っていると
    命取りです。

  • 念力で人を殺す!?とにかくインパクト大です。真相も一部かなりぶっ飛んでます。さすがカー。面白かった。

全18件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

Carter Dickson (1906-1977)
本名ジョン・ディクスン・カー。エラリー・クイーン、アガサ・クリスティーらとともにパズラー黄金時代を代表する作家のひとり。アメリカ合衆国のペンシルベニア州に生まれる。1930年、カー名義の『夜歩く』で彗星のようにデビュー。怪事件の連続と複雑な話を読ませる筆力で地歩を築く。1932年にイギリスに渡り、第二次世界大戦の勃発で一時帰国するも、再び渡英、その後空襲で家を失い、1947年にアメリカに帰国した。カー、ディクスンの二つの名義を使って、アンリ・バンコラン、ギデオン・フェル博士、ヘンリー・メリヴェール卿(H・M卿)らの名探偵を主人公に、密室、人間消失、足跡のない殺人など、不可能興味満点の本格ミステリを次々に発表、「不可能犯罪の巨匠」「密室のカー」と言われた。晩年には歴史ミステリの執筆も手掛け、このジャンルの先駆者ともされる。代表作に、「密室講義」でも知られる『三つの棺』(35)、『火刑法廷』(37)、『ユダの窓』(38)、『ビロードの悪魔』(51)などがある。

「2023年 『五つの箱の死』 で使われていた紹介文から引用しています。」

カーター・ディクスンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×