- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150719012
感想・レビュー・書評
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和田誠さんの表紙のハヤカワ文庫で。旅行嫌いなネロ・ウルフだが世界の名料理長達の晩餐会に主賓として招かれる。そこで起きた殺人事件。依頼されてないがある思惑から捜査を始める。助手アーチーとの会話やウルフの行動が面白くて好き。
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読書日:2018年1月19日-1月26日.
Original title:Too Many Cooks.
Author:Rex Todhunter Stout.
書名に惹かれて手に取りました。
世界的に有名な料理人が集う館で
一人の料理人が背後から刺され殺されてしまいます。
この館で供される料理がU.S.料理なので不安でしたが
有名な料理人の腕にかかれば食材が最大限に活かされ、
料理が輝きを放っている様に感じられます。
Nero Wolfeが探偵なのに助手のArchが主に動いていたので、
丸で彼が探偵の様に思い込みながら読んでしまう所が
この本の面白い点ではないでしょうか…。 -
ちょっと、ぴんとこなかった。
キャラクターモノなんで、ファンにとっては「ツボ」な描写なんだろうなっていうところが多すぎて、、、。「高級料理に対するアメリカの貢献」スピーチとかファンは垂涎ものなんだろうと推察されるけど。
あと、タイトル通り料理長(登場人物)が多すぎて頭の整理が追い付かなかった。
シリーズの最初に読むにはきつかったかも。
機会があれば、別作品で再トライしたい。 -
タイトルがすごく気になって読んでみたもの。安楽椅子探偵のシリーズの1つだということだけど、この話では安楽椅子探偵っぷりがあまり見られなかったので、別の話でちゃんと見てみたいと思う。美食家設定らしく、作品内に散りばめられた料理の薀蓄がなかなか面白かった。
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3+
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久しぶりに再読。
ウルフに対するアーチーの歪んだ愛情が大好きだw
このシリーズを読む度に思うんだけど、美食家が主人公なのに料理が一つも美味しそうじゃないんだよなぁ。でもウルフの食に対する愛情が伝わるのが不思議。 -
最近ちょいちょい合間合間に読んでいる
「海外ミステリ・ハンドブック」(早川書房)に載っていて、
「そうそう、これ前から読みたいと思っていたんだ!」と
念の為自分の本棚に無いことも確認してから
張り切ってBBの本屋さんでお買い上げ。
それで、いつもの指南本
(文春文庫1986年発行のミステリ案内)をみても、
丸谷才一さんのミステリ書評本をみても載っておらず、
あれれ?一体私は何をみて
この本を読みたいと思っていたのかな。
確か昔々、当時勤めていた会社のミステリ好きの同僚が
「安楽椅子もので、相棒がかっこよくて…」とかなんとか
勧めてくれたような記憶がかすかに…
でも当時は「本格ミステリ以外は邪道」の精神で
怒れる猪の如き勢いで突き進んでおりましたもので
真面目に聞いておらず、申し訳ありませんでした。
ミステリと呼ばれるもののうち、
人間模様や人物描写を楽しむジャンルの魅力に
ここ何年かでやっと気付き、
(と言うか言い方は変だけど「許せる」ようになった。
ミステリと思わず面白い小説に
謎解きがおまけでついてくると思えば…の
着地点を見出した、とも)
蘭と麦酒を愛する巨漢の美食家ネロ・ウルフと
彼の「秘書兼ボディー・ガード兼オフィス・マネージャー兼
探偵助手兼生贄」の青年アーチー・グッドウィンのコンビ。
今回は拠無い事情で珍しく旅に出たネロ・ウルフ、
その旅先で事件は起こる…。
皆があまり好かない人が殺される辺りは
作者のやさしさなのか…?
また、「犯人は○○の人だろう」と思っていたから、
真犯人があがってもあまり感激はなかったけれど、
ネロ・ウルフとグッドウィン君の丁々発止や
恋のはじまり(作為的な)を傍観したりと
なかなか楽しめた。
その他の作品も読んでみよう。
裏表紙に載っている作者の方の姿は
雲に乗れるような感じのお爺様、に見える。 -
「十五人の名料理長」による晩餐会。別室に設けられたソースのきき味の会場で料理人が刺殺され、とにかく早く帰りたいネロ・ウルフとアーチーは無関係を決め込みますが、犯人とは思えない人が逮捕されてしまい事件に取り組むことに。
名探偵ネロ・ウルフ、初読です。殺人事件よりきき味の結果やレシピが気になるネロ・ウルフに、機動性とユーモアに溢れる器用なアーチー。多くの描写をしているわけではなく、そもそもどんなものかも分からないのにとても美味しそうな料理。さらに当時の社会通俗や人種問題など、ありとあらゆることに興味がひかれます。もちろん密室に近い現場で起きた事件の展開も面白いですし、なんとアクションもあり。動機よりも事実から組み立てられる推理もネロ・ウルフらしいと思います。
タイトルは船頭多くして山に登る、を意味する英語の諺からきているそうで。世の中には面白いミステリが多すぎて、ネロ・ウルフのような、自分の好きなこと中心の生活ができない読者としては困ってしまいます。