人類の子供たち (ハヤカワ・ミステリ文庫 シ 1-13)

  • 早川書房
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150766139
#SF

感想・レビュー・書評

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  • イギリスの小説だからなのか全編を通して陰鬱な雰囲気が漂っていてなかなか読み進めるのに苦労した。まあ、人類が静かに滅んでいくストーリーなのでそれにはあっていると思うが。また女性作家のせいか細かい心理描写が多く、そのあたりもイマひとつなじめなかった。

    ストーリーも人類という種の大きな視点から見るのではなく、男と女の心の揺れ動きという部分に焦点が当てられていて、SFというよりは男女の愛憎劇という方が近いだろう。その意味では期待した内容とはほど遠かった。だが、年をとった男女の愛情と感情の揺れというところはいろいろと考えさせられるものがあり、読みはじめから中盤に比べ、読後は予想に反して深い印象が残った。

  • 8月7日読了。「トゥモローワールド」という映画の原作となったSF小説とか。新しい人類が生まれなくなった無子化の世界、という設定は非常に興味をそそる。オメガと呼ばれる享楽的な新人類と無気力になっていく旧人類、支配的で人類の滅亡を助長するかのような政府、などちょいと終末風味を効かせた確かにアクションSF映画として撮りたくなるよなあ。小説自体はムードを楽しむもののようで、私の期待したようなイマジネーション豊かな展開はなかったけれど。架空の世界を舞台にして人間性をあぶりだす。SFはやはり面白いね。

  • P.D.ジェイムズにしては全く異色の、子供の生まれない未来の地球を舞台にした物語。
    何故子供が生まれないかの謎を解明するとか、その設定でしか成立し得ない事件の解明というようなシチュエーション型ミステリではなく、あくまで世界を設定した上で繰り広げられるヒューマン・ドラマを描いている。
    迎える結末はこういった設定で容易に予想されるものであるが、ジェイムズが敢えてこのような母性に満ちた物語を紡いだことに興味を覚える。

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