原罪 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫 シ 1-15)

  • 早川書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150766153

作品紹介・あらすじ

経営合理化に反対の共同経営者、解雇を言い渡された社員、出版を断わられたミステリ作家…殺されたジェラードはあまりに多くの人間を敵に回していた。野心的な彼は、自らの出世と保身のためには手段を選ばぬ冷徹な男だったらしい。ダルグリッシュたちは複雑な人間関係の中に分け入り、尋問を重ねていく。やがて、容疑者の一人が変死体で発見され…現代ミステリ界の頂点に立つ著者が、人間の罪とは何かを問う傑作本格。

感想・レビュー・書評

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  • やはり今回のように出版業界のような勝手知ったる世界を舞台に扱う方が俄然物語に勢いがついてくる。

  • (上巻からの続き)
    しかし、ある種吹っ切れた感があるのは確か。
    『策謀と欲望』、『死の味』に比べると遥かに読みやすく、しかも解りやすい。
    当時の自らの読書力の無さが最大の要因であろうが、原子力発電所の世界なぞ、およそP.D.ジェイムズに似つかわしくない世界を扱った点がまずかったように思える。やはり今回のように出版業界のような勝手知ったる世界を舞台に扱う方が俄然物語に勢いがついてくる。

    本当に今回は面白かった。

  • またユダヤ人とドイツなのか。ともかく外国物を読むと、またユダヤなのか、と思う時は非常に多いわけで、それが何を意味するのか、正直純粋日本人の自分にとってはイマイチ分からんのだけども、もうすぐ100年経とうとしている過去に対して、ここまで執拗に思い詰めるものなのかと。こう自分で書いてて、なんかユダヤ人を怒らせたら大変な事になりそうだ、って思ってしまうくらい、なんか怖い。
    しかし前半の話が異常に重くて本の見た目に対してやたらと読むのが大変だった。更に恐るべし。

  • (上巻から続く)

    「死の味」から引き続きケイト警部が登場したのは嬉しかった。
    新しいメンバーのダルソン警部は、
    はりきって捜査に参加したのに二つもミスをして、
    可哀想にと思っていたら最後に大活躍できて良かった。

    彼がミスのために自罰的に書庫の書類を確認するところから後の、
    怒涛の展開がすごい。
    まさか150年前の自殺の事件に決着がつくとは思っていなかったし、
    過去から訪れた動機にも驚いたし、
    復讐が復讐でなくなってしまった結末にも驚いた。
    ここだけでも読む価値がある。

    あとは、
    重要なアリバイ証人の女の子、醜いが賢い少女に
    ダルグリッシュ警視長とケイト警部が尋問をしに行く場面、
    とくに、最後にダルグリッシュ警視長が心ならずも母親に忠告する場面が良かった。
    あとは、被害者の妹の恋人が手の平返しをする場面の描き方が秀逸だった。

  • この結着は意外

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